『ウェルビーイング　向上のため　女性健康支援とフェムテック』米川瑞穂編著、日経BP総合研究所　メディカル・ヘルスラボ

「働く女性と管理職　3000人に生理について実態調査」と銘打った本書、データやグラフが多用され、視覚的にも働く女性の壮絶な生理観が良くわかるし、「全然聞きたくない！そんな話は勘弁して！」と思っている男性でも手に取りやすい表紙やレイアウト、文体で、言うべきことは言いつつかなりフラットな仕上がり！と感じたけれど、どうでしょうか？😅

『ウェルビーイング　向上のため　女性健康支援とフェムテック』米川瑞穂編著

2022年11月発行で、もうすぐやってくる「2030(にいまるさんまる)」のために今知るべきこと、未来のためにできる提案が盛りだくさん！

ところで、この本の3000人のうち44.4%が1000人以上の大企業に勤めており、40%以上が係長級以上の役職付き女性となっている。
「そんな恵まれた環境に居そうに見える人たちの、2022年の生理観が、こんなに息が詰まるようなものだなんて……私なんか更年期が終わってもコソコソ生理するしかない😭🩸！」と号泣必至なので、女性の皆さんは本書を読んでもショックを受け過ぎないで欲しい。

第1章　女性活躍を阻む、生理をめぐる7つの壁

生理休暇を日常的に活用する女性は1.9%
男性が上司で気まずい(62%)、誰も取っていないから(51%)などなど、制度が形骸化しているのがとてもよく分かる。
取らなくて済むなら取らないでいいじゃんて？もちろん有給を取って家で悶え苦しんでるんですよ！

教育・知識不足と「つらいのは当たり前」という思い込み

7割の女性はPMSや生理痛では受診しない。
生理痛やPMSに関する教育を受けたことがないと回答した人が約80%、教育不足に加え、「我慢するのが当たり前」という雰囲気。7割の女性はひたすら耐えるだけという衝撃の結果です。
婦人科を受診した人はしていない人の2倍の昇進意欲がある、という結果も出ているため、受診をしない雰囲気が女性のキャリア形成を妨げる側面があることも確認できます。

約半数以上の職場は「生理について理解がない」

55%の女性が職場には生理休暇を含め、サポート体制がないと回答しており、男女共に管理職が生理休暇などを活用しない人を評価したいと回答している点も辛い気持ちにさせられる。
減点方式、せめて湯たんぽ抱えている人をフォローし合う空気感があるとか、生理が空気じゃなくなってからにして欲しい……😭🩸

もう10年以上前のことですが、やむを得ず「生理休暇をとります」上司(男)に言った際、「生理は病気じゃない。その程度のことで毎回休まれたら周りが迷惑。」と怒られ、当時は「そうだよなぁ、私(当時23歳)は体調管理もできず、社会人として情けない人間だ。」と、“年間3日"も取得してしまった生理休暇について真剣に悩んだことは忘れられないけれど、今なら自分も相手もどっちもぼこぼこにしてやりたいなwww
生理休暇は権利！権利権利権利！！！とか言うつもりは微塵もないけど、そんか言い方される筋合いも微塵もなかった。

私の生理🩸💧🩸2日目の夜用ナプキンが1時間持たなかった

ピルを飲み始める前、私の生理期間が最悪だった時期は毎月ホルモンだけに踊らされて生きていたと思う。

PMS・生理前1週間→暴食期。45kgはないと自力で血が出せなかったのか、毎月1週間で5kg近く太った。とにかくいつでも腹が減っていて、寝ても覚めても眠かった。

生理痛・生理中→最初の2日は特に、たまに歩けないほど激痛で、2日目の夜用ナプキン(これ、軽いオムツよりガサガサして特に昼間の不快度エグくないですか？)を使っても、会社に着いたら車の座席が血まみれで、何度もそのまま直帰したことがある。
年に何度か貧血で倒れたりもしていた。

PMS・生理後1週間→賢者タイム。何にも食べたくなくなり、生理前に太った5kgほどを1週間で痩せるのですごく疲れ、一切の欲望を感じなくなる。

私の自我が保たれているのは月のうちたった1週間だけで、あとはずっと生理がらみの浮き沈み😭🩸💧🩸

試したこと①民間療法とがまん→❌

カイロ、湯たんぽ、よもぎ蒸し、岩盤浴、鍼灸、冷え対策で1年中アルコール以外はお白湯しか飲まず、シュガーカット、ゆるベジ、生姜、漢方、などなど鎮痛剤と併用で、人から勧められたことは片っ端から試しましたが、痛みと大量出血の抑制には至らず。

試したこと②受診→◎ピルが最高だった！

心無い叱責に打ちのめされなから、仕事を続けていくために恐る恐る婦人科を受診。今となってはなぜ恐る恐るだったのかもよくわからないけれど、なぜか当時はいかがわしさ(？)を感じ、行きにくかった。子宮頚がん検診のせいではないかと思う。
その時は最新だった超低容量ピルを勧められて飲んでみると、副作用等全くなく、なんと言っても痛みが半減し、出血量は普通用のナプキンに収まるところまで激減、死ぬほど生理がラクになって今に至る！！

ピルは誰でも飲めるわけではないので、無理強いはしないで欲しい

「じゃあ全員ピル飲みなよ、現代医学万歳！生理休暇は無くそう！」とかは、絶対に思わないでほしい。

・副作用が強いため、合うものが見つかるまでに挫折する人が多い
・血栓症のリスクが高い人(家系、喫煙履歴、年齢等に要配慮)はそもそも飲めない
・毎月薬を必要とするほど酷い訳ではない人が服薬する必要はない

などなど、色々理由があって飲めない・飲む必要がない人はたくさんいるし、何より日本のピルはとても手間がかかる上に高くて、医師であっても生理の理解にもばらつきがあるから、アクセスすること自体が難しいことが多々ある。

ピル、保険診療の処方箋はなかなか手に入らない

ケース1
私「生理が痛いです。ピルを処方してください。」
医師「生理は痛いでしょうよ。自費診療で10割負担です。」
ケース2
私「かくかくしかじかでこれだけのPMSがあり、出血が酷いです。ピルを処方してください。」
医師「あなたはカウンセリングを受けた方が良いですよ。」

痛いだけでは気のせい扱い、説明しても気のせい扱い、つまり生理は気のせい！
日本でピルを保険診療で処方してもらうのはとても大変です。ちなみに自費診療では1シート1万円前後が相場で、これ、たった1ヶ月分です。
仕事や子育てなどで余裕の無い人に受診を強要するのは酷だと思う。
となると、やっぱりみんなが自分や自分の周りの人の生理と比べて「頑張れるよ」、とか言うんじゃなくて、「そういう日もあるよね」とお互い何かしらの形でサポートできたら、すごく居心地良いよなぁ。だからまずは勉強だ！と思えた1冊だった。