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続・SIAM™を使って、クラウドネイティブ環境のサービスアーキテクチャを考察してみた

Service North Japan2023イベントで鈴木が登壇したテーマ「SIAM™ガバナンスにおけるサービスアーキテクチャボートとCoEとの連携 ~クラウドネイティブサービスマネジメントをどのようにSIAM™エコシステムで実現するか~」でのサービスアーキテクトとソリューションアーキテクトのそれぞれの役割について、2023年12月5日の記事で解説をしました。

今回は、その続きで「EA(エンタープライズアーキテクチャ)とSIAMの関係」について解説をしていきます。

まず、EAにはBA(ビジネスアーキテクチャ)、DA(データアーキテクチャ)、AA(アプリケーションアーキテクチャ)、TA(テクノロジアーキテクチャ)の4つの領域があります。ここでは、TA原則に着目します。


原則18:要件ベースによる変化
ビジネスニーズに対応することのみが、アプリケーションとテクノロジの変更をもたらす
(実装における変更は、エンタープライズアーキテクチャを使用した変更案の十分な検査に続いて実施される)

原則19:外部対応変更管理
エンタープライズ情報環境への変化は、直ちに実装される
(変更を実施するのであれば、アーキテクチャを最新に保ち続ける必要がある)

原則20:技術の多様性のコントロール
技術の多様性は、複数のプロセッシング環境の間のコネクティビティと専門性の維持に関するばかにならないコストを最小にするためにコントロールされる(技術の獲得をガバナンスする方針、標準(基準)、手続きは、この原則に直結する)

原則21:相互運用性
ソフトウェアとハードウェアは、データ、アプリケーション、テクノロジのために、相互運用性を促進する定義された標準に一致しているはずである
(標準的でないソリューションの実現が必要な無視できないビジネス目的がなければ、相互運用性標準と業界標準に従うだろう)

出典:TOGAF® 9.1


原則18-21から、サービスインテグレータが、SIAM™エコシステムの特徴である「柔軟性」「俊敏性」「最善の組合せ」「革新」を実現する上では、TAの原則をよりどころとし、サービスアーキテクトとソリューションアーキテクトと協働して、クラウドネイティブ環境にプラットフォームを構築すると有用であることがわかります。

なおSIAM™では、EAは顧客組織におけるリテインド・ケイパビリティ(能力)で保持されるガバナンス体制(エンタープライズアーキテクチャ委員会)で策定されます。この例としては、下の図のようなガバナンス体制の場合はアーキテクチャガバナンス委員会がEAを統治します。

SIAM™モデルと各役割

EAとSIAMの関係のまとめ

環境変化のスピードが速くなっている現代、いかにビジネスのスピードに即したIT/デジタルサービスを素早く提供できるモダナイズされたプラットフォームとマネジメントシステムを構築するかが、企業の強靭性(レジリエンス)にとって重要になっています。

このようなプラットフォームとマネジメントシステムを実現するためには、EAとSIAM™の考え方を取り入れたサービスマネジメントの仕組みを構築する必要があります。

SIAM™ is a registered trade mark of EXIN Holding B.V.