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【ゲーム】エースコンバット7

PS4『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』のキャンペーンモードをクリアしました。1月17日の発売日に購入して、毎晩ちょっとずつ進めて3週間ほど。慣れている人ならこんなにかからないはずなんだけど、とにかく初心者なので徐々に操作を身につけて、お話や舞台設定に関する膨大なバックグラウンドも噛み締めつつ…みたいにして時間をかけた。その甲斐あって、素晴らしいゲーム体験でした。チョーおもしろかった。

もともと『エースコンバット』シリーズは、友人などから話には聞いていたものの、なんか難しそうだし…みたいにして敬遠していた。ただもう、ハマっている人はハンパなくハマっている印象で、そんなにおもしろいのか~とは思っていました。

シリーズに触れたきっかけのひとつが、わっふるさんのこの記事(「ひたすらエースコンバットZEROについて語る|note」)で、わたしはちょうどこれを読んだ直後くらいにたまたま中古で見つけたPS2『エースコンバットZERO』を遊んでみて、初めてこういう作品なのかというのを知りました。つまり、日常生活のなかでまったく馴染みのない「戦闘機の操縦」という疑似体験と、プレイ中の無線通信によって展開するドラマの摂取がイコールで結ばれるという特異なプレイフィール。似たゲームが他にないんですよね。それだけに、ナンバリング12年ぶりの新作という『7』が、いかに熱心なファンにとって待望の作品であるかも、事前になんとなくは把握していました。

そして実際、昨年のうちにPS4とPSVRを買い揃えた理由のひとつは、この作品のためでもありました。

エースコンバット7は空戦のメキシコ

ただこのゲーム、すごい難しいです。すっごい難しいんです。開発者の方々がインタビューで口々に「シリーズのファンのために」というのを仰っていて、実際そうなんだろうなと思うし素晴らしいことなんだけど、それと引き換えに、シリーズを初めて体験する初心者のためのレベルデザインやチュートリアルみたいなものを、潔いまでに全部すっ飛ばしている。たぶん、そんなものはこのゲームにはいらないと判断して、敢えて入れていないのだ。

操作が難しいとかいう以前に、まず舞台の説明をしてくれない…。エースコンバットシリーズの世界は「ストレンジリアル」と呼ばれる現実世界によく似た別の地球のお話で、実在する戦闘機が多数登場しながらも、国家や地名などの名称はまったくのフィクション。そのうえ、オーシア連邦、エルジア王国、ユージア大陸みたいになぜか似たような名前ばかり出てくる…!

ちょっとまって

ストレンジリアル世界で積み重なった歴史を把握しておかないと、重厚な設定のもとで展開されるお話を十分に咀嚼できない。にもかかわらず、それは過去作をプレイするか、はたまたWikipediaとかで熟読するしかないのです。

わたしはまず、こういった記事を片っ端から読んでいきました。歴史大好きだし、膨大な設定資料を読み解くみたいなことも好みだし、これ自体はおもしろい。それにしても、初心者のハードル高くない!? みたいな。

そして何より、飛行機の操作の難しさ。左右に旋回することすらままならず、当然、壁や地面にまともに衝突すれば1ミスでゲームオーバー。レースゲームのような救済措置はない! そのうえ今回は、雲や強風や雷といったよりリアルな気象を取り入れた新要素により、思うように操作できるまでの道のりがすごく長い。なのに、チュートリアルみたいなものはない…。実際の空戦のなかで、繰り返し繰り返し、死んで覚えるのだ。しかも今回、シリーズファンの友人曰く、シリーズのなかでもキャンペーンモードの難易度は高めなのだそうです。

それでも、初心者にもちゃんとクリアできるバランスにはなっている。事実、わたしはできた(EASYモードだけど)! なのでこれはきっとバランス調整不足でも何でもなく、わざとそのようなゲームデザインにしているんだなと理解しました。

そこで、自分がどういうポイントでつまづいて、どう乗り越えたかというようなことをメモっておこうと思います。

初心者がつまづいたポイント

ていうかですね、まず難易度はEASYにしてください。この設定はストーリーの途中で変えられないので、最初に決めておく必要があります。わたしは「一応『ZERO』も最後のほうまでやったし(クリアしてないけど)、NORMALでいけるかな~」とナメた態度でいたら、ミッション05でボコボコにされて半ベソでEASYで最初からやり直しました。

そして操作タイプの設定は…個人的にはEXPERTがいいんじゃないかなと思います。このゲームは、慣れない機体を思い通りに操作できるようになるまでの過程が厳しくも楽しいところなので、初めのうちは難しくても、ロールとピッチアップの組み合わせに早めに親しんでおくほうがいい。そのうち、操作すること自体が独特の快感になって、たとえどうしても乗り越えられない壁にぶつかったとしても、少し時間を空ければまた挑戦したくなる。

◆画面のどこを見るか

でね、わたしの場合、まず画面の見かたが全然わかっていなかったんです。パラメータの意味はもちろんマニュアルを読めばいい話なんだけど、そうじゃなくて、実際の戦闘中に、どのタイミングでどの情報を読み取ればいいのかというようなこと。

例えば、中央に三角形で表示されるロケーター(ロックしているターゲットが機体正面に対してどの方向にいるかという情報)だけを見て、敵機を追いかけていても、全然立体的な位置関係は把握できないんです。どこを見るかというと、画面左下のレーダーを見る…。別に当たり前のことではあるんだけど、最初はそれが感覚的に理解できない。「えー! どっち、どっち!」みたいになって(レーダーに表示されているのに)敵機を見失う、みたいなことがよくありました。

そのうえで、HUD右の高度と左のスピードの数値もちゃんと見る(見てなかった)。高度が低いと旋回したとき地面に激突するリスクがあるし、スピードが遅いとハイGターン(後述)を行ったときにストールする可能性が高い。つまりその、「なにかしらのアクションを起こすときにはどこを見る」みたいなセオリーが決まっているっぽいのです。それを感覚的に掴むまでにけっこうかかる。

ちなみに視点モードは、初めは三人称でプレイしていたけど、自分の場合はそれだと雲の中で天地がよくわからなくなることが多くて、主観に変えたらかなり遊びやすくなりました。

どうやって攻撃するか

でまた、「敵機の背後を取る」というのを理解するまでにもだいぶ時間がかかりました。ターゲットが射程距離に入ると自動的にロックが赤く光るので、反射的に発射ボタンを押してしまいがちなんだけど、このゲーム敵機の横からミサイルを撃っても100パー当たらないのです。なので、基本は追いかけていって、背後から撃つ、もしくは正面から。

でも、そもそも画面内にパッとターゲットが現れたときに、前向いてるか後ろ向いてるかって分からなくない? で、そのあたりのコツを上手い人に聞いてみると、やっぱりレーダーをよく見て、なおかつ敵機の上に表示されている相対距離の減りかたとかを見て、こっちに向かってきているか遠ざかっているかを判断するんだって。

そしてまたロケーターだけを見てぐるぐる追っかけても一生追いつけないので、要所要所でハイGターン(加速と減速を同時押し)を使って急旋回する。場合によっては、敢えて少し距離をとったほうが回り込みやすかったり、△ボタンで別のターゲットに切り替えたほうが効率がいい場合もある。

わたしはキャンペーンの攻略につまづいたら、ミッション01とか02を繰り返して、基本操作を叩き込むみたいなことをやっていました。

どうやって避けるか

時間制限のあるミッションがクリアできない理由の多くが、回避行動に無駄があることでした。今回、とにかく敵機や地上の対空兵器からロックオンされまくるので、ずーっとミサイルアラートが鳴っているみたいな状況になりがち。で、そういうときわたしは焦ってぐるぐる宙返りしたりなんかして、そのうちに見失って追いかけて…というようなことの連続でした。

これは、J0SHUAくんにもらった上記のヒントがすごく参考になった。ミサイルには当たるものと当たらないものがある! 要するに、こちらが横からミサイルを撃っても当たらないのと同じように、いくらアラートが鳴っててもレーダー上のミサイル(線で表示される)が横から迫っていれば、それはまず当たらないので、無視していいのでした。

加えて、視界の正面から迫るミサイルは目視で避けることもできる。そういうことが分かってきてから、焦らずに多少の余裕をもって回避することが徐々にできるようになってきた。ヤバいのはほんと、後ろから来るやつだけなのですね。なるほど。

このミッションが難しかった

キャンペーンモードのミッションのうち、自分がとくに苦戦した場所についても少しだけ書いておきます。でもこれほとんどは、実際に難度が高いというよりも、単にステージギミックの理屈や仕組みが分からないばかりに、そのためのちょっとした「コツ」が掴めないみたいなものが多かった。

全体的には、キャンペーン中盤が一番大変で、『7』ならではの気象が攻めてくるみたいな要素もふんだんにあって、かえって後半のクライマックスに行けば行くほど、意外なほどリトライせずに進めました。

◆ミッション05:懲罰部隊

最初の壁! 初心者の人でここで挫折する人はけっこう多そうです。懲罰部隊に送られたトリガー(主人公)が、敵爆撃部隊から見せかけの基地を防衛するために孤軍奮闘するミッション。

ここからがきつい

複数の箇所から同時に敵機が湧いてきて、わーっと基地に向かってくるものだから、どれから片づけていいかわたわたしているうちに、基地が爆撃されてミッション失敗になってしまう。コツはとにかくTGTになっている爆撃機を最優先で叩くこと。これは純粋に、手際の良さが成果に直結するので、難易度を下げて挑むか、ひたすら練習するしかない…。また、レーダーをよく見て、同時に無線もよく聞いて状況を把握するという練習のためのステージなのかもしれません。

◆ミッション11:敵主力艦隊殲滅

制限時間内に20000ポイント(EASY)を稼ぐというミッションで、わたしは最初どんなに頑張っても10000そこそこしかいかなくて、しかも通しで何度もプレイするのはそれなりに時間もかかるので、なにがいけないのかと悩んでいました。

コツは、高得点のターゲットだけを狙うことでした。△を連打してターゲットを次々に変更していくと、画面左上にターゲット名称とともに破壊した場合のポイントが表示されるので、それが高いものだけを狙っていく。それでも通常ミサイルだと威力が弱く、何度も撃たないといけないので、特殊兵装で空対艦ミサイルを持っていく。わたしはF-2AのLASMにしました。

かっこいーい

マップ西側の基地をできるだけ叩き、狙いにくいCOREも真上から対艦ミサイルを2発撃てば壊せる。ミサイルが切れたらいったん補給に戻って、マップ東側に集まっている艦船を沈めていく感じで、なんとか20000点は行きました。艦船もターゲットがAAMとかになってると壊しても意味ないので、△を何度か押してターゲットが艦船名になるようにしてから撃つ。

そう、たくさんのターゲットのなかから△で切り替えるというのも、わりとコツが要るのでした。ただ単に連打していると狙っているのを通り過ぎてしまうので、なかなか…。

◆ミッション12:ストーンヘンジ防衛

個人的に一番難しかったのがここです。迫りくる地上部隊、航空部隊から、ある一定の敷地を守り切ればミッション成功。ここで必要なのはずばり、状況判断! わたしは初め、M05のように爆撃機だけを叩けばいいものと勘違いしていたので、爆撃機を殲滅してもミッション失敗になってしまう意味が分からなかった。よくよく状況を確認したら、その間に戦車部隊にゴリゴリ攻め入られていたのだ。こういう状況の変化の様子は、目視で確認するほかにも、無線をちゃんと聞いているとわかるようになっている。

わたしはここは、地上部隊は通常ミサイルでその都度潰していって、敷地に入られてないか目視でよく見ながら、足の遅い爆撃機編隊は後ろから回り込んで4AAMで順番に片づけた。落ち着いてやれば、EASYならちゃんと余裕をもって順番に登場してくれるので、なんとかなる。なった…。

◆ミッション14:ケープ・レイニー強襲

高度制限の谷抜け! ここはめちゃめちゃ死にました。まさに針の穴に糸を通すみたいなミッション。シリーズでもおなじみのギミックのようで、わたしも『ZERO』ではトラウマになるほど苦手だった。ただ、ここは戦闘が一切なく、純粋に機体操作だけが求められるパートなので、諦めずに繰り返していればいずれは突破できる。ここ抜けられたらすごい自信つきます。

ミッション15以降も、もちろん何度も失敗するんだけど、『7』は何と言ってもチェックポイントからのリトライがある…。最後の最後にも、うそ!みたいなギミックがあるけど、なんとかクリアできました。

ストーリーのこと

ここまでストーリーのことを何も書いていませんでしたが、もちろんそちらも楽しめました。過去作ほとんど未プレイながらも、みっちり予習した甲斐はあった。

国家間の戦争が、無人機の台頭というテーマを挟んで、どんどん意外なほうに進んでいく。それはSFとしては比較的定番の、ダイナミックなモチーフではあるけれども、決して悲壮な終わりかたではなく、科学技術の進歩と人間の善性への希望・期待を匂わせてくれたのが良かった。

エースコンバットは、3つのフェーズでストーリーが前に進むんですね。作戦前のブリーフィング、作戦中の無線、そしてイベントムービー。で、普通はムービーのなかで最も豊かにドラマが語られることが多いわけですが、このゲーム、無線パートが一番ドラマが濃いのです。

どういうことかというと、プレイに集中していると大事なことを聞き逃す…いや、聞き逃すことを前提に作られている…? とにかく(特にゲームが苦手なシリーズ初心者にとっては)一度遊んだだけでは分からない、何度も死んで、何度も無線を聞いているとじわじわとドラマが浮かび上がってくる。

そしてまた、すべてを語らない。行間にこそ、それぞれのキャラクターの人生があって、ブリーフィング画面の矢印だけ、部隊名と番号だけで表されるパイロット一人ひとりにも、当然ながらドラマがあり…。

VRミッションがヤバイ

忘れちゃいけない、VRです。VRミッションヤバイ! PSVR最大のキラーコンテンツ遂に来たという感じです。なんというか、本当に飛行機に乗っているとしか言いようがない体験。重力すらも感じる気がする。

なにしろ、ターゲットロケーターとレーダーの把握であれだけ苦労した敵機の挙動が、首を振ればまさに手に取るように分かる。こんなふうに動いていて、こんなふうに追いかけていたのかというのが身体で分かる。シリーズに馴染みのないプレイヤーがこれなのだから、ずっとこれをイメージしてきたファンの感動はいかばかりかと思うわけです。

1プレイがけっこう長いので、たった3ミッションでもそれなりに歯ごたえがあると感じる。このためにPSVR買うの、全然ありです。

初めて、通してエースコンバットの作品のひとつをクリアしてみて、改めて過去作も遊んでみたくなりました。それはもちろん、サーガのようにしてストーリー的な繋がりに興味があるからでもあるし、単純に操作に少しだけ自信がついたということもあるし。まずは、『7』のPS4初回生産についてきた移植版の『5』をやってみて、『ZERO』とかにも再挑戦してみようかな。

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