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ザ・リーサルウェポンズのMV撮影を見学してきた

7月8日に公開されたザ・リーサルウェポンズさんの新曲ミュージックビデオ『ホッピーでハッピー』の撮影にお声がけいただき、参加してきました。

みんな超楽しそう!

この曲は4月に出たデビューアルバム『Back To The 80's』に収録されているもので、全曲アンセムと言われているアルバム収録作のなかでも、際立ってハイテンションなキラーチューン。実際、阿佐ヶ谷での初のワンマンライブでも演奏されてめちゃくちゃ盛り上がりました。収録作のほぼすべてが、彼ら自身の手によって続々とMV化されYouTubeで公開されているなかで、以前から特に映像化が熱望されていた一曲です。

で、なぜ一介のファンである自分がそのMVの撮影現場にっていうところですが、経緯としては、noteの記事や忍殺ファンイベント「HMC」を通じて認知してくださっていたアイキッドさんが、HMC仕掛け人であるベティさんを通じて声をかけてくださったのです。初め、畏れ多くて遠慮しようと思ったくらいなんだけど、こんな機会あり得ないし単純に嬉しかったから、お邪魔でなければぜひお願いします…みたいな感じで。

撮影は6月末のある日。ポンズの聖地である西武新宿線都立家政駅で降りると、出迎えてくれるのがこの「かせいチャン」(原画・ちばてつや氏)の立像だ。いきなりよくわからない世界観!

都立家政駅前のメインストリートは、道は細いものの、踏切を挟んで往来はわりと激しく、けっこう賑わっている。それにしても、西武線とは全然違う沿線文化圏に属しているわたしにとって、西武新宿線の沿線の街並みは新鮮に感じる。たとえば、同じ杉並区でも中央線沿線の風景は馴染み深いのに対して、よく知っているはずなのにどこかが少しだけズレた異世界感というか。

ザ・リーサルウェポンズを知ってからずっと行ってみたかった、ブックマート都立家政店さんにもようやく行けました。この…カオティックな店構え! 店頭ではお店の例のテーマソングがガンガンにかかっており、フェス感のあるストリートになっていたのですが、もはや都立家政の日常に溶け込んでいるのか、道行く人たちは特に気に留めていない感じが印象的でした。

もちろん、お店の中もじっくり見てきました。古本はもちろん、CD、フィギュア、おもちゃ、家電から日常雑貨、古着や新品Tシャツコレクションまで…とにかく情報量が多く、万人向けではなくとも自分にとってのなにかすごいお宝が眠っているのでは! と思わせる楽しさがありました。残念ながら待ち合わせまであまり時間がなかったために、棚の端から端までチェックするわけにもいかなかったのですが、普通に欲しかった漫画がいくつかあったので購入。ここはまた誰かを連れて来てみたいし、ポンズファンなら一度は行ってみてほしい。

さて、今回のロケ現場である都立家政のもつ焼き屋「青角」さんへ到着。既にポンズのお2人や撮影スタッフの方々が、着々と準備を進めているところでした。

お店はメインストリートからちょっと入った静かな路地の一角にあり、味わい深い佇まい。外観の写真を撮りそびれたのでアレですが、まず思ったのが、こんなお店がうちの地元にもあったらいいなあってこと。店内は調理場を囲むカウンター席と、壁を隔てた別室にテーブル席がいくつかあり、今回は後者がメインの撮影現場になるとのことで、ベティさんとわたしは奥のカウンター席に通していただきました。もちろんお店は貸し切り。

さっそくのホッピー

撮影の段取りとしては、我々はただホッピーを飲みつつ、提供いただく料理を楽しんでいればいいらしいとのことだったので、普通に飲んでました。集まった方々とはほぼ初対面でしたが、ポンズの全曲レビュー記事を書かれたアンザイさんや、映画ライターの加藤よしきさんとはたまたま席が近く、終始親しくお話させていただき楽しかったです。

そうこうしているうちに、別室ではいつの間にかどんどん撮影が進行している模様。たまにお邪魔にならないように席を立って隣を覗いてみると、『きみはマザーファッカー』のひとみがすんでいる怪獣軍団、『熱血ティーチャー』のラグビー部員のみなさんがまさにあの格好のまま大集合していて、マルチバース的オールスター感にめちゃテンション上がった。

現場では、監督のアイキッドさんが仕切ってテキパキと必要なカットを撮り進めていく。見たところ、特にコンテなどの資料を確認されているふうでもなかったのですが、次はこれ、次はこれっていう感じで、確実に頭の中にある完成形に向かって組み立てていく様子がプロフェッショナルでした。

前述の通り、我々は撮影の間中ただワイワイお喋りしながら飲んで食べているだけで良かったんだけど、ふいにカメラが回ってきて、「『1、2、3、4、白ホッピー』でお願いします」と言われたらそれに従って何パターンか撮る、みたいなイベントが発生するから気が抜けない。撮影は、『サイボーグメカニンジャ』のMV監督もされた神田さん。

この日の天候はあいにくの雨模様で、お店の前での外ロケのシーンは特に大変そうでした。機材だけは濡れないようにしつつ、出演者の方々はなんだかんだでずぶ濡れになっていたようでした。とはいえ、着ぐるみもあったので去年の今ごろのような猛暑でなかったのは良かったのかもしれない…。

面白かったのが(そして今までMVを見てきたファンとして意外だったのが)、みんな口パクで撮っていたこと! 変な話、ポンズの撮影は大音量で曲をガンガンかけながらワーッと撮るんだろうなと思っていたわけですが、考えてみれば当たり前で、閑静な住宅街のなかのお店で真っ昼間から大騒ぎできるわけもなく。

なので、わたしが参加させていただいたカットも含めて、基本的には声は出さずに口パクでした。それでいてみなさん、あのテンションの演技なのだからすごいですよね。改めて見ると自分だけ表情が硬くてお恥ずかしい…。でもみんなほんと、いい笑顔で出ているなあと思います。

撮影のラストはこの「乾杯!」のカット
これも声出さずにエアーで!

撮影は3時間にわたり、それでもテキパキと進んで、午後5時までには完了。始終お忙しそうだったため、ジョーさんとお話しできなかったのが残念でしたが、撮影後アイキッドさんから丁寧にご挨拶いただき嬉しかったです。お誘いいただき本当にありがとうございました。

ツイートでは「飲み会やりつつ撮りました」なんて仰っていたけど、40人近い現場をひとりで取り仕切り、的確なディレクションを出す八面六臂の活躍をされていたアイキッドさん。すべて終わったあと、魂を出し切ったようにぐったりされてたのが印象的でした…お疲れさまでした!


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