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初めて同人誌即売会に参加した思い出

レ点さんはじめ何人かのかたがこのテーマで書かれていたので、私もなにか書いてみます。

私は即売会文化に接したのがだいぶ遅くて、22歳のときにサークル参加したコミックマーケットが初でした。学生時代は、いわゆるアニメ漫画オタクではなかったため、イベントとしての「コミケ」のことは知りつつもきっかけがなかった。で、一体どうしてそういう流れになったのかはよく覚えていませんが、絵が上手かった高校時代の後輩Mと、ネットで知り合った音楽仲間のBとの3人でサークルを結成し、創作漫画でコミケに参加することにしたのです。ほかに同人誌を作っている友人知人もいなくて、ほんとに3人だけの、完全なる手探りでした。

2002年とかなので当然みんなアナログ原稿で、世界堂で買ってきた同人誌用漫画原稿用紙につけペンで漫画を描き、見よう見まねでスクリーントーンを貼り…なんとか完成した原稿を持ち寄って、当時立川にあったポプルスさんという印刷所に入稿に行ったのを覚えています(いまは福生に移ったらしい)。

私には絵を描く才能がまったくなく、最初に描いた作品はそれはもうひどいもので…今だったら全力で止めていたと思います。何の間違いか、無根拠な自信だけはあったので、結局のところ誰が止めてもやっていたはずですが。3万円くらいかけて100部刷って(当時はオンデマンドみたいな小ロット印刷がなかった)、当日売れたのは3部か4部か…。売れ残ったぶんの在庫は、そっくりそのまま今もあります。段ボールに封をして、ずっと奥に眠っている。

コミケという大型イベントでバッキリ自信を折られた我々は、「コミックレヴォリューション」を経て「コミティア」に行き着く。その後、仲間のBが不幸にも若くして亡くなってしまいました。Mは、私と違ってめちゃくちゃ漫画の才能があって、実際にティアマガで紹介されたりして順調に読者がついていったのですが、作品作りのモチベーションをなかなか上手く保つことができず、数年後に漫画を描くのをやめてしまいました。

コミティアには、2004年からの10年間にわたってほぼ毎回参加。年4回開催の即売会なので、40冊くらいは作った計算になります(実際には何度か落としているのでこれより少ないはず)。とはいえもっぱらコピー本で、中身も8ページから16ページくらいの薄いものばかりでしたが、それなりに頑張って作っていました。最近は二次創作のほうが楽しくなってしまい、そのコミティアからもすっかり足が遠のいてしまいました。

コミティアにソロ参加していたころ(2014年)

だから、2015年夏のコミケにニンジャで再びサークル参加したときは、実はけっこう感慨深かったのです。3人で自信を持って段ボールを抱えて行って、まったく売れなかった初参加のコミックマーケット。あの日から13年。3人のうち、相変わらず同じようなことを続けているのは自分だけなのが、なんだか不思議な気がします。あの時、誰が最初にコミケに出ようって言い出したんだったかなあ…。


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