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好きな漫画の話

私は(同人誌を描いているわりには)漫画に全然詳しくなく、どちらかというと気に入った作品を作者単位で追いかけて、揃えた作品はそればっか繰り返し読んでいるほうです。一度好きになった作品や作家さんは嫌いになるということがなくて、波長が合う限りは買い続ける。

一方で、週刊や月刊の漫画雑誌を購読するという習慣がほとんどありません。それというのも、おそらく絵柄や作風による好みのようなものがわりとはっきりあって、それに必ずしも合わない作品もひっくるめて付き合うみたいな雑誌のノリが苦手なのかも。それに、せっかく読むなら、作品としてある程度まとまった単位のものが読みたい…。ゆえに単行本派です。

なんですけども、もう少し読書の幅を広げたくて。気がつくと周りの人たちはみんな私よりも全然たくさん読んでいる。今となっては、誰でも知っているよねアハハ、みたいな最大公約数的作品も全然読んでいないことのほうが多いです(わかんないけど、ワンピースとかコナンとか)。

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以下、好きな漫画作品とその理由をいくつか挙げてみます。漫画に詳しい方が見れば、顕著な傾向のようなものが簡単にプロファイリングできるのかも。もし「それが好きならこれも好きなんじゃない?」みたいな作品がありましたら、コメントかTwitterか、はたまたnote記事でおすすめを教えていただけるとすごくうれしいです。チョー気軽におすすめしてください。

…なお、『ニンジャスレイヤー』の漫画版各作品は除きます。好きに決まってるじゃん!

衛藤ヒロユキ『魔法陣グルグル2』

別の記事で散々書いていますが、私がテクノを好きになった理由のひとつが『グルグル』です。正統的続編の本作は、童話や絵本のようなファンタジー部分とキレッキレのギャグが全盛期に負けず劣らずのピーキーさで、さすが衛藤先生だなあと思います。これに関しては好きな漫画という括り(ククリだけに)からは少し外れた別格の存在で、絵が巧いからとか漫画技法が優れているからとかではなく、世界や表現そのものが好きなのですよね。

コトヤマ『だがしかし』

『だがしかし』は、このなかでは一番最近好きになった作品です。めちゃくちゃ面白いですよね。駄菓子というネタが限られそうなテーマのなかで、思春期の男子のドキドキ(女の子が何を考えているのか分からない)やピンポイントにフェティッシュな表現を短いページ数のなかに詰め込んでいる。とても難度の高い、超広角レンズのような画角の絵をさりげなーく入れる画力もすごい。

6巻でほたるさんがいなくなる流れが好きで、なんかこう、以外に奇をてらわず定番をちゃんとやってくれる。ドラえもんが帰っちゃうのも6巻でしたね。アニメも一応全話追ったのですが、動いてる絵がコトヤマさんの絵の魅力を一度も超えられなかったのが印象的だった(あとほたるさんの目にハイライトがあるのがだめ)。

椿いづみ『月刊少女野崎くん』

薦められてアニメから入って原作に辿り着いたのですが、すごくおもしろい。少女漫画を描く主人公の周りの、少女漫画のような(あるいはそれとはまったくかけ離れた)くっつきそうでくっつかない恋愛をギャグとして描いている。絵が巧くキャラが魅力的で、すーっと入っていけました。単行本も買っているし、ガンガンオンラインの連載も追っています。若瀬尾推しです!

梅木泰佑『あせびと空世界の冒険者』

古代文明の秘密を探るべく、少年とアンドロイドの少女が宙に浮く島々を冒険する正統派冒険SFファンタジー。コミックリュウで連載している作品で、単行本が6巻まで出ています。実は作者の梅木さんは同人時代にずっとコミティアで同じ世界観の作品を描かれていて、そのころからのファンでした。私の読みたいものでいて、ご本人の描きたいもので成功されたので、商業でのご活躍が本当にうれしいです。
以前、作品の詳しい紹介を自分のブログでしたことがあります。

『あせびと空世界の冒険者』 | EPX studio blog

福島聡『星屑ニーナ』

これを言うと意外と言われることが多いのですが、福島聡さんの作品はほとんど買っています。『少年少女』も『機動旅団八福神』も大好き。オールタイムで一番好きな漫画家さんをひとり挙げるならこの方です。生死などの重いテーマを扱う作品が多いわりに、どこかユーモラスでやさしい視点なところがいいですよね。絵がめちゃくちゃうまい。単行本派の私ですが、福島作品が載っていたときのコミックビーム、フェローズ、ハルタは時々買っていました。

岩原裕二『いばらの王』

岩原裕二さんの作品も『ディメンションW』以外は全部読んでいます。『クーデルカ』も『地球美紗樹』もチョー好きなのですが、本作の徹底したB級アクションSFスリラー映画感は、おそらく作者の好みともピッタリ合致していて最後の最後まで楽しめた(映画版も観に行きました)。

岩原さんの絵は自分にとって理想の絵柄にすごく近いです。キャラデザはもちろん、トーンをほとんど使わず、ベタと網掛けを大胆に使う画面とかも。女の子がかわいくオッサンがかっこいいですよね。『ディメンションW』は1巻だけ読んだところで、いつかまとめてちゃんと読もう(アニメも観よう)と思っていて、まだ行けていません。

ながいけん『神聖モテモテ王国』

天才ですよね。6巻までと新装版、いまだに何度も読み返します。当時はガンダムとかジョジョとかを知らずに読んでいたので、あとから元ネタを知って「モテモテ王国に出てきたやつだ!」という逆の現象が起きることがよくあります。『第三世界の長井』はハイブロウすぎて1巻までしか読めていません。

氷川へきる『ぱにぽに』

ぱにぽに好きなんです。へっきー先生の作品は同人誌時代から追っかけている。漫画とゲームと映画のマッシュアップで、何を描いてもこの人の作品になってしまうみたいな強烈な個性に憧れます。あと過剰なまでのサービス精神。たまに出てくるSFオマージュと凝った演出が好きで、13巻で単行本まるまる全て使った並行世界の話とかおもしろいですよね。

あずまきよひこ『よつばと!』

最近は惰性で買っているところもありますが、『あずまんが大王』からの流れで本作も追いかけています。見るからに作画コストが多く、連載ペースを考えても、そろそろあずま先生には別のタイプの作品にチャレンジしてほしいところもある…。

この他に好きな漫画家さんは宮下裕樹さん、ゴツボ☆マサルさん、矢上裕さん、藤原カムイさん、安倍吉俊さん、宮田紘次さん、松本嵩春さん、おちよしひこさん、見田竜介さん、松沢夏樹さんとかです(どんどん古くなっていく)。

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自覚している傾向として、ギャグにしろシリアスにしろ、比較的ライトな読み味のものが好きなのかも?と思っています。そして設定やキャラやセリフ回しが自然体で、芝居がかったりカッコつけたりしていないもの。絵がおどろおどろしいのとか、単純にヘタなのとか、誰かのマネみたいなものは苦手で、モブを含めたキャラの生死を露悪的に描いてみるみたいなのとかもダメです。

最近薦められたなかで、読まなきゃと思っているのは『ダンジョン飯』です。いまさらながら…でも、これはきっと好きなやつだ。あと、去年の暮れくらいから少しずつ読み進めているのは『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部です。


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