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【映画】ゴースト・イン・ザ・シェル/キングコング 髑髏島の巨神

7日、立川シネマシティで公開初日の「Ghost in the Shell(ゴースト・イン・ザ・シェル)」と、公開中の「Kong: Skull Island(キングコング 髑髏島の巨神)」を観てきたので感想を書いておきます。本筋のネタバレはなし。だけど、先に書いておくとどちらも良かったので、気になる方はこんなとこで事前情報を入れずにさっと観てしまったほうがいいかもしれません。個人的な体験としてのファースト・インプレッションに勝るものはないですよ!(何事においてもそうだけれど)。

Ghost in the Shell(ゴースト・イン・ザ・シェル)

面白かった!原作の『攻殻機動隊』は人気シリーズなのでいろいろ言われるかもしれないけど、最初の漫画単行本くらいしかよく知らないゆるいファンの私はすごく楽しめました。悪くない翻案だと思います。

テーマは明快で、複雑だった原作のモチーフはかなり整理されてシンプルになっています。原作の素子は、読者の想像を超えた仕事をこともなげに淡々とこなす様子がタフでカッコ良かったわけですが、本作の「少佐」は自らの過去や自我と向き合う等身大の女性として描かれていて、そこが一番違うところかも。でも、当然ながら取り乱したりめそめそしたりするようなレベルのキャラ崩壊はまったくなく、一貫してクールで美しい。

というか原作愛めちゃくちゃあると思います、これ。スタッフロールに日本人の名前がほとんどなくて、逆に海外で好き勝手やってどうぞといってこれが上がってきたのは、ホントに好きな人たちで作ったんだなあという感じがします。ちょこちょこ原作ネタもあり、ふふっとなる。なにより、あのラストカットでそのあとあの曲が流れたらねえ、それは攻殻ですよ。

そして、話題になったネオサイタマばりのコッテコテの過剰サイバーパンク都市の表現ですが、ずーっとあの調子なのでウキウキしてしまいました。ケチくさく短いカットが挟まれるとかじゃなくて、基本的にずっと都市のなかの話なので、ひたすらネオサイタマだ。ネオンカンバンはもちろん、街を行く通行人のファッションなどもかっこよく、情報量が多い。トンチキ日本語は意外と多くはなさそうだったけれど(やはり予告カットにもあったバーの「カクテル高めろ」が一番強い)。

もちろん、ちぐはぐに感じるところもないではない。たけしは荒巻以前にどう見てもたけしで、これはもうしょうがない。原作にあった小粋なユーモアみたいな要素も少ない。でも、あの漫画なりアニメなりの原作を人間が実写で表現したときの違和感みたいなものは、ギリギリのラインでうまくコントロールされていると私は思いました。主演のスカーレット・ヨハンソンは顔立ちもボディラインもとんでもなく美しく、全編を通してほとんどまともな意味での服を着ていないにもかかわらず、かっこいい。

SFサイバーパンク価値観をひっくり返されるほどの衝撃作ではないけれど、丁寧に分かりやすくかっこよく作られていて、私は満足でした。サイバネ義体化やドロイドといった普遍的なテーマを、こういった作品の再翻訳みたいな形で定期的にアップデートしていくのは大賛成ですね。

Kong: Skull Island(キングコング 髑髏島の巨神)

Twitterタイムラインでけっこうな高評価のようだったので、楽しみにしていました。チョー面白かったです。怪獣プロレス!コングが出て殺す!

シネマシティ名物、aスタジオの極上爆音上映での鑑賞でした。大迫力。とにかく怪獣絶対殺すマンと化したサミュエル・L・ジャクソンのキャラが濃く、コングと代わる代わるアップで映るので印象に残りました。

そしてコングがいちいちかっこいい。ギャレス・エドワーズのゴジラは焦らして焦らして、出たーっ!という演出の良さがあったのですが、コングは序盤から出ずっぱりにもかかわらず、どのカットもやたら絵的にかっこよくて、ロックスターのような味わいがあります。

パシフィック・リムの怪獣バトルが夜だったり海中のシーンで分かりにくかった…という方も、白昼堂々ガチでぶつかり合うところを嘗め回すようなローアングルで撮りまくる本作にはエキサイトできるんじゃないかなあ。デザイン的にもバリエーション豊かな怪獣がたくさん出てくる。

閉鎖空間で逃げ回るモンスターパニックムービーというよりかは、島全体を使ったオープンワールドな感じと、ジュラシック・ワールドとかとは比にならない常識はずれのスケール感が新鮮でした。人間の知恵と工夫…とかが実を結ぶような話ではなく、ひたすらに無力を実感するコワさ。キャラクターもそれぞれに味わいがあって楽しめた。

エンドロール後のおまけは、あれはイエー!となりますね。いやあー、それがそうなるんだみたいな。あっという間の2時間でした。

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