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ピアノ連弾作品を作曲しよう⑧作曲するということ

生徒「センセー」
先生「はーい」

●作曲をするということ

この連載記事「ピアノ連弾作品を作曲しよう」では、これまで7回にわたって、作曲の考え方や書き方について学んできました。
作曲をする愉しさ、面白さを感じていただけたら嬉しいです。

歴史を振り返ると、これまで多くの素晴らしい音楽が生み出されてきましたが、作曲家は一体どのような気持ちで創作と向き合ってきたのでしょうか。

例えば、若きF.ショパンは、20歳のころ、腕試しのために欧州各国に出かけました。

F.ショパン:(1810 - 1849)

しかしその間に、祖国ポーランドに革命が起きてしまい、二度と帰国することができずに生涯を閉じました。
ショパンの美しい音楽は、愛する祖国を強く思いながら書かれた音楽なのです。

近代フランスを代表する作曲家、M.ラヴェルは自身も参戦した第一次大戦で亡くなった友人を想い、あの傑作のピアノ組曲「クープランの墓」を作曲しました。

M.ラヴェル(1875 - 1937)
美しい音楽の一つ一つに、
戦争で失った友人の名前が刻まれています。

芸術家は、大切な「何か」を想いながら、切実な思いに駆られて創作に向かってきたのですね。
作曲者は亡くなっても、作品には想いが残る。心が宿る。
そして今を生きている私たちは、作品に触れることで過去の人々の想いを追体験できる。
これはとても素敵なことですね…!

●故郷の風景

今回の連載で生徒さんが創作してきましたピアノ連弾曲“連弾組曲《四季の道》”の創作は、生徒さんの大切な故郷、千葉県千葉市緑区の「おゆみ野」の美しい四季を描きたい、という気持ちから始まりました。

おゆみ野の「四季の道」は季節ごとの豊かで美しい自然に触れながら散策ができる遊歩道です。
今回の連弾作品は、この名前を冠しています。
地元出身の音大生ピアニストによって作曲、そして初演いたします…!
(「・お知らせ」をご覧ください。)

ぜひお越しください!

連載はこれで終了となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

●お知らせ!

記事で取り上げています、連弾組曲《四季の道》全曲版が初演されるコンサートはこちら!

ゆうがたくらしっくおんがくvol.4

《ゆうがたくらしっくおんがくvol.4》
2/18(日)15:00開場 / 15:30開演
鎌取コミュニティセンター
3階 多目的ホール
出演:Pianoduoまなつ/長谷川 暖
JR外房線鎌取駅下車徒歩5分
定員 200名 入場無料

●最後に…

私たちeqhor music labo Tokyoでは、今後も、珍しい切り口から音楽理論に関する記事、作品の配信と通して、音楽の魅力を発信していきます。
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生徒:平田真里奈
《プロフィール》
上野学園高等学校音楽科演奏家コースを経て上野学園大学演奏家コースに特待生として入学。現在4年次に在籍。合唱、器楽、声楽の伴奏及びソロのほか2022年「Pianoduoまなつ」を結成し演奏活動を行なっている。
第11回東京ピアノコンクール高校部門 審査員特別賞、第82回東京国際芸術協会新人演奏会オーディション、コンセール・ヴィヴァン新人オーディション(室内楽部門)合格、第25回万里の長城杯国際音楽コンクール優秀伴奏者受賞。
ソルフェージュと作曲を武澤陽介、室内楽を荒井伸一、声楽伴奏法を吉田伸昭、ピアノを佐古田彩子、安田正昭、星子知美の各氏に師事。

Pianoduoまなつ
石川千夏 & 平田真里奈 (Piano)

Pianoduoまなつ

出会いは幼稚園時代。音楽を通して繋がり、2022年第6回きらり鎌ヶ谷アーティスト発掘プロジェクトへの参加を機に「Pianoduoまなつ」を結成。

石川千夏
《プロフィール》
千葉県市原市出身。武蔵野音楽大学附属高等学校を経て、武蔵野音楽大学演奏学科ヴィルトゥオーゾコース4年次在学中。
第34回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会高校生の部第4位(1位なし)。第19回北関東ピアノコンクール高校生Sの部第1位、及び朝日新聞社賞受賞。第6回東京国際ピアノコンクール高校生部門第4位(1位なし)。第11回ジュラ・キシュ国際ピアノコンクール高校生部門第1位。第4回ギャラクシティ音楽コンクール大学生〜社会人部門(専門)奨励賞。第12回東京ピアノコンクール大学部門奨励賞。第16回全日本芸術コンクール大学生部門第4位。第14回ヨーロッパ国際ピアノコンクールinJapan大学A部門銅賞受賞。
ピアノを秋山真由美、永田順子の両氏に、室内楽を堺康馬、小池ちとせの両氏に、チェンバロを西山まりえ、リート伴奏法を子安ゆかり、オペラ伴奏法を佐藤正浩の各氏に師事。ウィーン国立音楽大学マスタークラス(ウィーンムジークセミナー)にてアレキサンダー・ロスラー氏に師事。
平成31年度、令和元年、令和2年度福井直秋記念奨学金給費奨学金奨学生。現在ソロや伴奏の他、平田真里奈と共に連弾ユニット「Piano duoまなつ」を結成するなど、積極的に演奏活動を行う。

先生:武澤陽介
《プロフィール》
 千葉県出身。東京藝術大学音楽学部作曲科、同大学院作曲専攻を首席修了。
管弦楽曲「カントゥス・ フィルムス」が藝大フィルハーモニアにより演奏される。アカンサス音楽賞を2度受賞。作曲を尾高惇忠、高橋裕の各氏に師事。これまで桐朋学園大学、上野学園大学、都立総合芸術高校音楽科などで後進の指導にあたった。


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