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妄想の解像度が上がると、人は行動に移りやすい

「例えば、これからお昼ご飯を食べに行くとします。ラーメンにしようかなぁ、蕎麦もいいなぁ、と2つの候補が出てきた時、どっちを選びますか?」

唐突にこんな質問を学生にしてみます。

「えーっと、美味しい方を選びます」

「そりゃそうです。僕も美味しい方に行きたいです(笑)その美味しい方というのはもっと具体的にいうと、頭の中でどんなイメージでしたか??」

「ラーメンは、いつも行く京都駅近くのラーメン屋さんの、チャーシュー麺が出てきました。醤油ベースのさっぱりスープでチャーシューが5枚ものってて、トッピングのたまごも半熟で美味しいんです!先生も行ってみてください。

蕎麦の方は、、、学食の蕎麦しかイメージできませんでした」

「おー。おもしろい。ちなみに学食のお蕎麦、その美味しいチャーシュー麺のように鮮明に思い出せますか?」

「いいえ。なんとなくのイメージです。多分、具がなかったような、、、チャーシュー麺の話をしたせいで、ラーメンが食べたくなってきました!責任とってください!奢ってください!」

この例からもわかるように、人はイメージが鮮明な方に行動します。例えば綺麗な海は世界中にありますが、綺麗な海といってパっと鮮明なイメージができる、沖縄、ハワイ、グアムに旅行者が多く集まるのは必然です。多くをイメージできない、ボヤっとしたイメージしかないところには「行かない」のではなく「行けない」ということになります。

もうひとつ他の例をあげると「いい鞄が欲しい!」と妄想しても「いい鞄」がざっくりしたイメージすぎると、それを手に入れることはできません。

それは価格が高いのか、機能がすばらしいのか、デザインが美しいのか、素材がいいのか、色が素敵なのか、どこのブランドなのか、なんという名前がついているのか、どこで売っているのか、など、どんどん情報を足していって「いい鞄」のイメージを鮮明化していくと、あとはそれを手に入れるだけです。

そういったイメージを鮮明化していくことを「解像度を高める」と表現します。

画像データを触ったことがある方ならお馴染みの言葉ですが、解像度が低いとイメージはボケたり、モザイク状にドットになったりします。逆に解像度が高いと細かいところまで鮮明に見えて、リアリティーが増します。

ラーメンの話に続き、学生にはこんな話もしました。

「将来って漠然と不安ですよね。どんなところで住んで、どんな仕事をしながら、どんな風に暮らしていけるのか。でもその不安は、未来の妄想の解像度が低いから生じることなんですよ。解像度を高めるには、ネットで情報を調べるよりも実際に体験して見ることが1番。実経験ほど情報量の多いインプットはないですからね。だからインターンみたいな制度は活用しなくちゃいけないし、もっというと旅行でいろんなところに行くべきです。そうすると『あ、この土地でも働けるかも?』や『ここで働きたい』という場所がでてくるかもです」

「うーん。学生の私たちには経験値が少なすぎる、、、」

「そうそう。ゲームでも一緒でしょ。経験値をつけたらレベルが上がる。レベルが上がるということは、解像度もあがるということ。そういうこと」

「簡単にいいますねー(笑)」

どんなことも、まずは体験あるのみです。



Text : 熊野森人 (@eredie2)
Illustration : ぎだ (@gida_gida)

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【トークショーのお知らせ】

この<「じぶん編集」の授業> がきっかけとなり、ありがたいことにスピーカーとしてトークショーに参加することとなりました。
テーマは「じぶん編集」“自分の見せ方、つくりかた” です。
自分のことをどのように分解、分析し、発信していくのか。そして、<いい印象>はどのように得られるのか。<「じぶん編集」の授業>の連載とリンクするお話をします。

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