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いい学校、いい会社、いいデザイン。

「小学校、中学校、高校、大学と、みなさんは16年間も勉強しますよね。どうしてそんなに勉強するのでしょうか?」

「いい学校に入って、いい会社に入るため。それで、いい会社に入っていいお給料をもらうため」と学生。

「なるほど。では、いいお給料は何に使うのですか?」

「家を買って、家族を養って、一生お金に困らないよう生活をするためです。
あ、あと自分の趣味のために使いたいからです」

「リアルー。現実生きてますねー(笑)それが、みなさんの勉強をする理由ですか?それ以外の考えをお持ちの方はいらっしゃいますか?」

「自分の探究心を深めるため」
「世界の平和のため?」
「修行・・・」

と、いろいろな意見が出ます。僕も学生の頃そのように考えてました。

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「いい学校とか、いい会社とか、いいお金とか、何がいいのでしょうか。
僕の考えは未来への選択肢が多いことを『いい』としています。いい学校では、いろんな勉強ができると共に、いろんな将来を選択でき、いい会社ではいろんな働き方を選択でき、いいお金は、何かしようと考えた時の行動の幅を広げてくれる。

すなわち、学校や会社のブランドはさておき、みんな人生の選択肢を増やすために勉強しているのではないでしょうか。だって、『これしかない』って感じるより『あんな方法もこんな方法もある!』という方がワクワクするでしょう? だから、豊かさって選択の多さにあると考えています」

ちょっと首を傾け、わからないかも、なポーズをする学生。

「僕はいろいろな、ものの見方ができる人ってすごく豊かな人だと思います。
逆に一方的なものの見方しかできない人は貧しいなと感じてしまいます。
デザインするということは、とってもたくさんの、ものの見方ができる能力が必要になります。

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つまり、優れたデザイナーはその時点で、お金を持っていようが持ってなかろうが、とても豊かな人なんですね(笑)みなさんにはそうなってほしい。自分の人生をデザインできる人になってほしい」

珍しいものを見るときの顔をする学生。

「まぁとはいえ、メニューの選択肢が多すぎるレストランは、だいたいあんまり美味しくないのですが」

そこは激しく頷く学生。『いい』って難しいですね。





Text : 熊野森人 (@eredie2)
Illustration : ぎだ (@gida_gida)


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