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6月の左手

43年間、右手の助手を務めていた左手が6月から独り立ちしました。
その記録です。

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毎月1日と16日に測定のための人物画

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6月1日 - 10日

左手で描き始めた初日は衝撃的でした。自分でいながら、自分じゃない自分に出会うような感覚。よちよち歩き、とまではいかないまでも思うように動かない、しどろもどろに手や目を動かし、鏡を見て動かしているような錯覚さえ覚えます。指先や手首の可動領域が右手と比べたら狭いのか、スケッチブックをクルクル回しながら描いてみたり、どの方向へ腕を動かすと安定した線が描けるのか、一つ一つ確認をしながらのスケッチ練習でした。

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6月11日 - 20日

左手で描くスピードは右手に比べるとかなり遅い反面、対象物をじっくり見て描いていることに気がつきました。また線も右手のように細くまっすぐに引けないのですが、そのことがかえって描写物にリアル感をもたすこともあると気づきました。

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6月21日 - 30日

徐々に筆圧加減もできるようになりましたが、カケアミのような細かい線を描くにはまだまだ練習が必要です。
同じものを右手でも描いているのですが、面白い点は右手で描いた後に左手で描く場合と、左手で描いた後に右手で描く場合。順番の違いにより、描いている時の心境に変化を感じます。右手から始めた場合、左手をリードしなければと気負う、プレッシャーと呼ぶには大袈裟だけれど、まるで長女のような気分。一方、左手から始めた場合は、今日はどんな調子で描けるだろう?との好奇心によるワクワク気分。うまくいかなくても、それもご愛敬と言っているようにも感じ、その後の右手もリラックスして描いているような気がします。

7月は魚です。図鑑を見ながらの左手スケッチ、すーいすいと進むといいですね。

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