39.Xデー①発覚

A兄弟へのきもちが冷めてから半年、彼がいなくなってからさらに4ヶ月で、私の心の中のストレスは減っていきました。

それは自分の好きなものに囲まれた生活をしていたからかもしれません。

もう私には正規開拓者という立場にしがみつく理由もなくなってしまい、
もうエホバの証人も辞めたいと秘かに強く思っていました。

でも特段な理由もなしに『辞めたい』と言っても、長老は、特に主宰監督のT兄弟は許してくれないでしょう。

自分の会衆から正規開拓者や成員の数が減る数字の現実は本部へと伝わり自分の信用に関わるからです。

私は正規開拓者を辞められる理由が欲しかったのです。

20歳の6月6日水曜日、ついにその時が訪れます。

私はいつものように夕方の奉仕へと行き、奉仕開始時間となったタイミングで母から電話が入ります。

電話に出ると『すぐに帰ってこい。』と言われました。

私の勉強机の上に置いてあった、本屋で買ったまんがのレシートを1枚見つけたとのことでした。

今まで徹底して証拠を残さないように隠してきたはずなのに、
その日だけは私の中では無意識で、でもわざと置いてきたのかもしれません。

『エホバは見ていた』のでしょうか、
エホバなんていないのに?

これから母と修羅場となるのに、これで正規開拓者を辞められる、と私は気持ちが少し高鳴るのを感じながら家へと車を走らせました。

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