10.神権家族を目指して、そして会衆分裂

それでもK会衆の兄弟姉妹は、
『ERIE一家親子は家族からの反対というサタンからの攻撃によくぞ討ち勝ちましたね!』
と父と母の離婚、母子の門出を喜び、
私たち親子3人は神権家族を目指しながらエホバの証人との関わりを一層強くしていくことになります。

私は父がいなくなってしまったことが悲しいと思っているのに、母は病気になってしまったのに、
なんで兄弟姉妹はこんなに笑顔で喜んでいるのだろうと心の中が疑問でいっぱいで、
この頃からしょっちゅう言われる『励まされますー。』の言葉が大嫌いになりました。

ある子だくさんのお母さん姉妹が旦那さんに暴力を受けて顔や目を腫らして毎回集会に来るとみんなは、
『サタンからの攻撃にこんなに耐えて模範的だ!』と姉妹を褒め称え、
誰ひとり姉妹の怪我の具合を心配しないことにとても異常な空気を感じていました。

集会、奉仕活動、聖書研究はもう私にとってとても苦痛だったけれど、
K会衆のみんなは子どもの私たちをかわいがってくれたし、会衆や『群れ』というグループ単位で食事会もあったり、時々『レクリエーション』と称してバーベキューをしたり山登りにも誘ってもらえたり、

優しい大人たちに囲まれて遊んだことだけは楽しかったです。

両親の離婚前後あたりで、市内には会衆は『K会衆』のひとつしかなかったのが、
成員が100人程に増えたために会衆を3つに分けられることが突然発表されます。

地区で分けられ私たちはK会衆のまま残る形になりましたが、
当時の主宰監督のS兄弟が本当に優しい兄弟で、ご結婚されてひとり息子のSくんを赤ちゃんの頃から知っているのですごいかわいがっていて、
他にも特に仲が良くて大好きだった兄弟姉妹が他の会衆へ行ってしまったので、私は会衆が分けられたことがものすごく嫌でした。

新しいK会衆の主宰監督としてT兄弟が任命されます。

T兄弟は面白くて当時は好きではあったけれど、この時の私はなぜか分からないけれどとても嫌な予感がしました。

そしてその勘は的中することになります。

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