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ブルーエゴナク『波間』を終えて

ブルーエゴナク『波間』全日程終了しました。
ご来場誠にありがとうございました。
そして関係者の皆さま、本当にお世話になりました!

この座組みと、森下スタジオという空間、この二つがそろってはじめて上演することができた『波間』でした。沢山のディスカッションを経て、より今この時(上演中)にフォーカスした作品になったと思います。初演とまったく違う印象のラストシーンは、登場人物4人とも舞台上にいるのはどうだろうという話が稽古の最初期で上がり、上演場所のCst.に入った時に深澤さんが「カーテンを開けてみる?」と言ったのだったと思います。では最初もカーテンを開けておこうか……など開場中のこともみんなで沢山話ました。

現実とフィクションは地続きです。家をでて劇場まで向かい、受付をしてロビーを歩き会場に入る。そしてフィクションの世界に入り、また劇場を出て街へ。現実からフィクションへ、そしてまた現実へ。今作ではこの現実とフィクションの移行部分を特に丁寧に、シームレスになるように作ったように思っています。それは『波間』という作品が、現実と夢の波間を漂うような作品であるということと同時に、演劇というフィクションに向き合う5人が、今出したひとつの解、最善、だったと思います。

欲を言えばもう少しステージを重ねたかった気持ちがあります。それは劇団として今後努力していきたい部分です。

リハーサルが半分ほど過ぎたあたりにこちらのプレトークの収録をおこないました。いま視聴するのも面白いと思います。こちらを見るとわかるのですが、クリエイションと同じくらいの熱量でみんなおいしいものも追い求めていまして、しっかりおいしいものを食べて元気にクリエイションするぞ!という座組みでした。あつかっている題材が重めながらこうした部分でもバランスがとれていたなと思います。

また、開幕の4日前に、編集者・ライターの大堀久美子さんに稽古場にきていただいて、今作についてお話しさせていただいたスペースのアーカイブもあります。こちらもぜひ!


ブルーエゴナク5年ぶりの東京公演、そして思えば東京での滞在制作は初めてのことでした。とてもよい機会、そして人に恵まれました。また、私自身としても、上京してきて初めての舞台が今作で本当に良かったです。

ブルーエゴナクは福岡県北九州市・京都府京都市の2都市を拠点に活動してきました。今回の公演を機に関東での活動も増やしていきたいと思っています。ぜひSNSなどで今作のご感想をいただけますと嬉しいです!

感想の投稿に使用可能なクレジット入りの舞台写真もX(旧Twitter)にアップロードしております。X以外のSNS・ブログなどでも使用できますので、感想の投稿の際にぜひお使いください。舞台写真は金子愛帆さん(https://kanekomanaho.tumblr.com)に撮っていただきました。


また、今作『波間』を収録した、『2023年度 ブルーエゴナク戯曲集』の予約販売が決定しました!絶賛ご予約受付中です。

23年度に穴迫さんが書き下ろした5作品が収録されています。5作品、、!本当によく書いたなと……あらためて驚きです。

『波間』はおそらく初演ver.が収録されると思いますので、違いを探していただけると面白いかもしれません。今回の上演でほぼカット部分はないのですが、1シーンだけ前後が入れ替わっています。
最新作にあたる『いま、反転のまっただなかで』は、『波間』と印象がかなり違うポップな作品になっていると思います。戯曲をご予約いただくと、こちらの上演映像(定点)特典で付いてきますので、ぜひ『波間』との、まとう雰囲気の違いをお楽しみいただければと思います。
『ゆきさきは環(めぐ)る』は夏に豊岡市竹野で上演した20分程度の野外作品。竹野の海の音を想像しながら読んでいただきたい作品です。
『瀬戸際の旅』は北九州芸術劇場で行われた「劇トツ×20分」で一度だけ上演されたレアな作品。姉の葬儀の日に、姉の恋人と旅をする20分。北九州の匂いを感じていただければと思います。
『二度と来ないわたしたちへ』は宮崎県と岩手県で上演。水族館を舞台にした作品です。わたしは上演を見ることができなかったのですが、戯曲の冒頭、そんなことそうそう起きうるわけないのに何事?みたいな状況から始まるのですが、情景がありありと浮かびとても好きです。大事件とかではないのですが……え?っとなると思うので、ぜひ読んでいただきたいなと思います。

また、さらに前の作品にはなりますが、映像配信もおこなっています(無料・有料あり) 今作でエゴナクに興味を持っていただいた方はよろしければこちらもぜひご覧ください。『眺め』には私も出演しております。

演劇作品って本当に儚くて、その時その場にいないと観ることができない。エゴナクは多拠点で活動しているため、全部の公演を気にしてくださってる方でもなかなか網羅できないという難しさがあります。今後はもう少しこうした映像配信や戯曲販売なども積極的に行っていければという思いがあります。

2024年度のブルーエゴナク

2024年11月<京都・神奈川>
THEATRE E9 KYOTOアソシエイト・アーティスト公演
シリーズ「ここは彼方(Here Is Beyond)」
『新作(タイトル未定)』

2025年3月 <北九州>
詳細は後日発表

現在発表されているのはこの2つです。
THEATRE E9 KYOTOアソシエイト・アーティスト公演
シリーズ「ここは彼方(Here Is Beyond)」は3年間に及ぶシリーズで、24年度は最終年となります。『波間』もこちらのシリーズです。24年度は神奈川に来ますのでぜひチェックしていただけますと幸いです。


みきえさんが差し入れてくれた天然鯛焼きが忘れられない

長くなっちゃった。最後に少し自分の話を。
ブルーエゴナクの公演に俳優として関わるのは2年ぶりで、その前はさらに2年開いています。次はまた2年後……?となるとかなり遠いですね。もう少し俳優として関わりたいと思っているのですが、公演運営を行いながら俳優もとなるとどうしてもパンクしてしまって現状難しいと感じています。それでも俳優として関わりたくて、2年に1回無茶をするのですが、流石にその無茶はもうやめようと思っています。劇団活動というのはなぜこんなに苦しいのでしょうか。でも同時に劇団があるということに救われていること。10周年を迎え、積み重ねが見えてきたことなど、悪いことばかりではなく必要な場所であると思っています。メンバーも増え、今後どう継続していくか、そして自分がどのように関わっていくか今一度真剣にそして前向きに考える時だなと感じています。今回の公演でも、各地のメンバーにとても助けられました。私たちの最善を、これからも探していきたいです。

劇団の他、私個人としては、東京を拠点として俳優活動を行なっていきます。
ぜひ、お声がけいただけますと嬉しいです。

長くなりましたが、この度はありがとうございました!
ブルーエゴナク共々、今後の活動をぜひ気にしていただけますと嬉しいです。

平嶋恵璃香

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