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ネズミ年に、ネズミに顔の上のキュウリを食べられたLuckyなハナシ

あけましておめでとうございます。そろそろ2020年も半分が過ぎようとしています。

これは年が明けてすぐの2月頃のお話でございます。

わたしはクルーズ客船の仕事で、その時期はアジアを中心にまわっていました。(この頃はコロナがアジア中心に広がり始めたが、まだ世界的に危険視されていないときだった)

アジアといえば!美味しくて安いごはんも魅力的ですが、やっぱりマッサージでございます!

ベトナムやタイの寄港地が多かったので、寄港地ごとに港周辺で良さそうなマッサージのお店を見付けては、友人と行ってました。

で、ベトナムのホーチミンの港に2日間、停泊する予定だったので、1日目は観光して、2日目はマッサージに行く予定をたてました。

強者のドイツ人のシルビアちゃんは2日間連続でマッサージに行くといい、ネットで見付けた「My Spa」というスパに1日目行き、すごく良かったからということで、2日目に一緒に行くことになりました。

2日目、出かける前に彼女に緊急の仕事が入ってしまったため、ブラジル人のクラリッサちゃんと先にスパに行くことにしました。

港からホーチミンシティまでは、バス(ゲストとクルー用に船会社が用意してくれてる)で45分くらい。シルビアの教えてくれた「My Spa」は、バスが停車するところの近くだということで、検索すればすぐ分かるだろうと思い、詳細は聞きませんでした。

ホーチミンシティにバスが到着し、「My Spa」で検索すると、同じ名前のスパが数件出てきました(チェーン店のよう)。1番近いところを目的地にして、Googleに連れてってもらいました。

到着した「My Spa」は3階建て?くらいで、とても素敵な雰囲気でした。全体的に良い感じで薄暗く、リラックス効果のありそうな香りが漂ってたか、漂ってなかったか、香りの部分はうろ覚えですが、雰囲気は良かったです。

フロントデスク付近にあるソファーで、砂糖漬けしたショウガを出され、美味しすぎてクラリッサと食べまくりながら、2時間コース(2000円しないくらい、安すぎ!)に決め、エレベーターで上の階へ。

完全な個室ではないですが、カーテンで仕切りをするかんじでした。

フロントデスクの女性は英語を話しましたが、マッサージセラピストは話せないようで、これに着替えてくれ、とか、荷物はここへ、というのは基本ジェスチャーでした。

わたしたちは頭を壁側に向け、足を通路に向けていました。通路の反対側にもマッサージスペースがあったので、大きいスパでしたわ。

わたしは荷物を巾着のような袋に入れろと指示され、わたしのバッグをいれた巾着は、頭の方にあるラックに掛けられました。紐でキュっとしめれるので、荷物は安心だ、とその時思ったのを覚えてます。

そしていよいよマッサージスタート。と、その前に、、、

セラピストが「キューカンバー(キュウリ)」?といって自分の顔を手で覆うジェスチャーをしました。あ、これはキュウリで目を覆う、スパといえば!みたいなやつだと思い、「オッケー」というと、そそくさいなくなり、1分くらいして戻ってきてマッサージが始まりました。

上向きでマッサージはスタート。至福の時間。首や肩のマッサージをやったあと、

”シュッ” ペタ ヒンヤリ
”シュッ” ペタ ヒンヤリ
”シュッ” ペタ ヒンヤリ

その場でキュウリをスライスして顔に乗せ始めました。

”シュッ” ペタ ヒンヤリ
”シュッ” ペタ ヒンヤリ
”シュッ” ペタ ヒンヤリ

え、キュウリどんだけデカいんか?ウリか?と思いながら、顔全体にキュウリを敷き詰められました。で、その周りをキッチンペーパーみたいので更に上から掛けられたかんじでした。ときかくキュウリまみれだったのは間違いない。

で、マッサージは左足へ移動していく。

足の指の細い棒かなんかで押してくれるやつね。あーもう一回味わいたい。この瞬間よ!永遠に~!と心の中で叫びました、本当に気持ちよかったわ。

で、そんなことを思ってたら、頭の左上の方で、”ゴソッ”と音がしたんですね。

ん?わたしは夢見心地ながら、わたしのバッグは大丈夫かな?他のスタッフが来たと思いました。

で、その次の瞬間、”シャッ”と左頬のキュウリを取られたんですね。

わたしはよく状況が呑み込めず、スタッフがキュウリを取りにきたと思ってました。手荒いわ~と本気で疑わなかった。

で、そんなことを考えてたら、また”ドンッ”って同じ場所のキュウリを取られたと同時に、「ね、ねずみ!!!!!!!!!!!!!」と思いました!

最初にキュウリを取られたときは、キュウリを何重にも顔に敷き詰められていたので、ねずみがわたしの顔まで到達せず、上部のキュウリをサッと取ったんですね。

でも、2回目にキュウリを取られたときは、(ネズミも顔の他の場所にあるキュウリ取ってくれればいいのに)同じ場所のキュウリを取られたため、なんかモノが顔に当たった感じがしたんですよー。恐ろしや。

で、「マウス!マウス~!マウス~!」と連呼しながら身体を起こしたときに、ねずみが対角線上にわたしの身体の上を走り抜けていった感じがありました。

顔に何重にもキュウリを敷き詰められ、キッチンペーパーみたいので更に巻かれていたので、起き上がっても顔からキュウリは取れず、「マウス~」と叫びながら顔のキュウリを剥がし、剥がしたキュウリと紙をペチッっと床に叩きつけるをくり返し、やっとこ目が開けられました。

友人は最初大爆笑してたのですが(わたしが「マウス~!ラット~!」とか言ってて、何だコイツと思ったらしい)カーテンを開けて、わたしが「マウスがわたしの顔の上のキュウリ食べた!」って言って状況が分かった途端、

「WTF!OMG!We cannot stay here! it is dangerous! FxxK!」
「な、何だって?こんな危険なところに居れないわ!クソ!」

みたいな感じでわたし以上に取り乱し始めました。

わたしもまだ混乱状態だったので、
「I do not want this services. I do not want this services!」
とか言ってたらしい。あんま覚えてないけど、クラリッサがそう言ってた。

※このあとこの話を笑い話で友達にしてたら、「Eri は、ラットはサービスの一環だと思ってたの(笑)?」って言われて大爆笑した。(分かるかしらこのジョーク。)

セラピストは何事もなかったかのようにマッサージを続けたい雰囲気を出してきたので、Noooooと思い、フロントデスクの人呼んでー!って何回もお願いしました。最初に記載した通り、セラピストは英語を話さないので。

で、テンヤワンヤ事件から5分くらいして、さっきの感じの良いフロントデスクスタッフがやってきました。

事情を説明して、落ち着いてきたら、顔を引掻かれたな!っていうのが感覚的に分かって、そのことも説明。

わたしは、お、これでフリーマッサージしてもらえるかな~?とか、顔の傷は気になったけど、マッサージ気持ちよかったし、とか実は思ってたんだけど、クラリッサがメチャメチャ怒っていたので無理だなと判断。

最初こそ「マウス~!ラット~!」とか言ってたけど、この頃には、わたしはかなり落ち着いていました。

フロントデスクの前にあるソファーに戻り、お茶を出してくれ、消毒キットを持ってきてくれて、フロントデスクの女性が、わたしの頬のネズミに引掻かれたところを消毒してくれました。

消毒しながら、怖かったよね~本当にごめんね、こんな思いさせて。本当にこんなこと初めてなのよ。うちのビルの隣で建設工事が始まってから、路上にネズミが増え始めて、でもこんなこと初めてなの。わたしもびっくり」といってハグしてくれ、まるで3歳の子供をなだめるかのように接してくれましたし。

人間的な対応でとても感じが良かったし、その対応は、取り繕ってやってるもんじゃないなとわたしは感じました。

なんか形式ばって頭下げられるとかじゃなくて、わたしの気持ちに寄り添って、ねずみに顔のキュウリを食べられたという、わたしの気持ちになって、ハグしてくれて、頭をなでてくれたんですよ。

もうそれでいいじゃないの。起きたことはしょうがないんだもの。

じゃあその起きたことに対してどう対応するか、ここなの問題は。

まぁ、もちろん口コミで変なこと書かれたくないとか、そういう気持ちもあったのかもしれないけど、わたしは彼女の行動は心から出たもんだと思ってます。

というわけで、出されたお茶を2杯飲み、もちろん会計はせず帰りました。

傷に塗るクリームもくれました。

マッサージ前に食べたショウガも欲しいって言えば良かった。美味しかったもんな。

で、わたしたちはその足で、これまた口コミのよい違うスパにいきましたとさ。

チャンチャン

ちなみにこの後、船に帰って友人に話したら、感染症とかネズミだし大丈夫?と心配され船の中のお医者さんに急いで行きました。

そしたら、Oitment (軟膏)くれて、まぁ、感染してたらその部分赤く腫れあがってくるはずだから。って言われて終わった。なんか感染予防の注射とかするのかと思ったけど。

マッサージに行って、なんか顔に傷つけられて、なんだよーって思ったけど、船に帰って友人にその話したら、その話が回りに回って、そんな仲良くない人にまで、「ねずみの話して~」と 言われたり、ちょっと話題になったし、というか今年ネズミ年!こりゃ良いことある前兆!と思い直したのでした。

※ちなみに日本ではネズミ=マウスって感じですが、海外ではマウスだとちょっと可愛いイメージ(ハムスターみたいな)で、そこらへんにいる、汚い感じのネズミはラットと呼ぶそうです。

なので、みんな”マウス”じゃなくて”ラット”って言ってた。

頬の傷。今はすっかりなくなった。

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