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今ある自分を認める、ということ

「自己概念」という言葉があります。

簡単に言うと、「私はこういう人です」と、自分で認識している自分への見方、のようなものです。

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学習の場でも相談の場でも、この「自己概念」に正直になったほうが効果が出ます。

少しわかりにくいので、「自己概念に正直ではない」例を挙げてみます。

私はそのことについて、とても知りたいという気持ちがある。
でも「そんなことも知らないのか」と思われたら恥ずかしい。
だから質問はせず、とりあえず知っているふりをしておこう。
本当は知りたいけれど、知らないということを悟られないようにしよう。
私は実はとても悩んでいて、話を聴いてもらいたいと思っている。
でも、こんなことを話したら弱い人間だと思われてしまうかもしれない。
だから言わないでおこう。

のようなイメージです。

前者の本来の自己概念は、「そのことについて知りたいという自分」。
それを「知らないことを恥ずかしいと思う自分」が「知ろうとする行動」阻んでいます。

後者の本来の自己概念は、「悩んでいて、それを打ち明けたい自分」。
それを「悩みを話すことを弱いことだと思う自分」が「相談しようとする行動」を阻んでいます。

ここで、自己概念が更新されます。

前者なら「知らないことは恥ずかしいことで、知らないことを悟られたくない自分」。
後者なら「悩みを話すことは弱いことで、弱いと思われたくない自分」。

一見、マイナス方向に見えますか?
いえいえ、自分に正直な見方だと言えると思います。
それが、「今ある自分を認める」ということだからです。

人はこの、「今ある自分」を認めたくない、と思うからこそ、ときに悩み、ときにモヤモヤします。
認めたくない理由は、人それぞれ異なります。
でも、自分なりの理由があるはずです。

この更新された自己概念を、
①「今ある自分」として認め、
②その概念が本当かどうかを確認し、
③行動変容するか否かを自己決定することができます

先程の例に戻すと、

①知らないことは恥ずかしいことで、知らないことを悟られたくない
②知らないことは恥ずかしいことなのか?
 知らないことを他者に知られることは恥ずかしいことなのか?
③質問してみたほうがいいか、再考してみよう
①悩みを話すことは弱いことで、弱いと思われたくない
②悩みを話すことはそもそも弱いことなのか?
 この人は私のことを弱いと思うのか?
③相談してみたほうがいいか、再考してみよう

のような感じです。
このステップを踏むと、さらに自己概念が更新されるかもしれません。

更新したい人はぜひ更新を。
更新したくない人はそのままで。
どちらがいいとか悪いとかではありません。

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私の仕事は、講師&キャリアカウンセラー/コンサルタントであり、どの仕事も共通点は、「人の成長を促す」ということです。
 ・この人と一緒に学んでいきたい
 ・この人に悩みを打ち明けてみたい
と思っていただけないことには、スタートラインに立てない、立つ資格がない職業です。

そこで大事なことが、冒頭の「自己概念」です。

実は、この「自己概念」をしっかりと認識する必要があるのは、人を受け入れる側の立場のほうなのです。

私にもときに迷いがありました。
「講師なんだから、わからないことがあってはいけないのではないか」
「カウンセラーなんだから、いつでも優しく穏やかでなければいけないのではないか」

今ではこの自己概念も更新されてきていて、
「講師だけれど、わからないこともある。わからないことは素直にわからないと伝え、忘れずに調べて、結果を伝えてみることのほうが大切」
「もともと優しく穏やかなタイプではないけれど、仕事のときはそうありたいと思っている。プライベートでは無理なときもある...かも?」
のような感じです。

受け入れる側のほうが自分に正直なスタンスでいると、相手も同じスタンスになりやすいものです。

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私はもちろん相手をよく見ていますが、それ以上に、相手は私のことをよく見ているんですよね。


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