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キャリアカウンセラーとしてサボってきたと感じていること

3月からオンラインキャリアカウンセリングを新規にスタートさせて、3ヶ月が過ぎた。

オンラインキャリアカウンセリングをこの時期に導入したことには、大きな理由がある。
ウィルス感染予防のため、対面でのカウンセリングはしばらく休業とする必要があったからだ。

とはいえ、実はかねてからカウンセリングのオンライン化は、私の頭の片隅にあった。
ではなぜ実施してこなかったのか。

・対面より得られる情報量が少ないため、質が下がると考えていた
・目線や対話のタイミングが合わないなど、質が下がると考えていた

などが主な理由だ。

しかし、ここにきてそうも言っていられなくなった。
対面のカウンセリングを休業することで、継続してカウンセリングを受けてこられたクライエント(相談者)が不利益を被ってしまう。
なんとかせねば。

という理由で、重い腰をあげたのだった。

◇◇◇

3月から現在まで、合計で30名ほどの方にオンラインカウンセリングを提供することができた。
実施してみてどうだったのか。

まずいちばんに感じたことは、もっと早くにオンラインを導入するべきだった、ということだ。
それはなぜか。

先ほど書いた、オンラインを実施してこなかった理由は、カウンセラーのわたし側の理由だったのだ。
クライエントの立場に立ってみれば、まず「相談のしやすさ」が大事なのだと思う。
相談のしやすさは、カウンセラーの人物像などもあるが、それよりなにより、「相談したいと思ったときに相談ができる」ということだ。
カウンセリングには「思い立ったが吉日」的な感じもあるのだ。

対面だと予約までに時間がかかるうえに、実施場所まで移動してもらわねばならない。
これはもう、相談したいと思った時点と相談日では、意欲もだいぶ変わってしまったりするのではないか。
少なくとも私ならそうだ。

その点、オンラインは相談したいと思ってから実施までのスピードが速い。
速くなるように、新たにLINE公式アカウントを作り、クレジットカード決済も導入した。
最速、当日の実施が可能だ。

私は、キャリアカウンセラーとして、カウンセリングを受けるまでのハードルの高さを低くすることをサボってきたのだ。
オンラインを導入して気づいたのは、何よりも自分の怠慢だった。

◇◇◇

ここからは、オンラインカウンセリングを導入してみて、導入前に抱いていたことが、実際どうだったのかについて書いてみることにする。

対面より得られる情報量は下がるのか

これはもう、圧倒的に下がる。

そもそも「得られる情報量」とは何か。

・言語(話しの内容そのもの)
・非言語(態度、姿勢、目線、声の調子、様子、など)

言語に関しては、対面と変わらず得ることができる。
しかし、言語は非言語をも受け止めることで促されることもあるので、対面と変わらないと言っていいのかがわからない。
私が非言語をを見逃したことで、対面と比べて問いが変わった可能性はあるだろう。

そして何より、画面中に四角で囲まれた部分(主に上半身、場合によっては顔のみ)しか見えない、ということが情報量が圧倒的に下がると感じる理由の大部分を占めるといっても過言ではない。

え、そんなとこまで必要?と思うかもしれない。
これが結構必要なのだ。

例えば、医師がどこから患者を診ているのか、にも発想が近いと思う。
対面だと全身が見える。
人の様子は全身に出る。

答えにくい質問を受けた場合に、目線が下がり、手をぎゅっと握るから肩がが上がる、などが一例だ。
対面だとこれが全部見えるのだが、オンラインだと手が見えない。
「答えにくかったかもしれない」という情報は、次の発話までのタイミングや、表情などの様子からも伝わるが、見逃してしまう部分がある、ということだ。

貧乏ゆすりなどは、この状況にイライラしていたり、辛さを感じているときなどにも起こる。
しかし見えない。
言葉や上半身の態度に頼るしかないところが、なんとも歯がゆい。

カウンセラーとして大事にしている、クライエントの感情につながる情報を得ることが難しいと感じている。

目線や対話のタイミングは重要なのか

結論から言うと、私にとってはあまり重要ではなかった。

まずオンライン導入後、カウンセラーの私は、先に書いた情報量の少なさを懸命に補おうとするあまりに、画面を凝視しすぎていた。

当然目線が合わない。

目線が合うことで「話を聴いていますよ」と感じる効果があるので、大事にしたいポイントだ。

しかし、オンラインではこれが難しい。
カメラに目線を向ければ、PC画面(クライエントの表情)が見えない。
PC画面の前にカメラを置いたこともあるが、どっちにしても画面が見えない。

ここはもう、無理な工夫はやめて、目線はあきらめることにする。

するとどうでしょう。
いつしか目線が合わないことが気にならなくなってきた。
目線を合わせるのが苦手、という方にもオンラインは味方しているかもしれない。

対話のタイミングはどうか。

通信の状況によっては、二人で同時に話したり、話をかぶせたりすることができない。
片方のマイクのみが活きる、というのがオンラインの特徴だ。
さらに、少々のタイムラグもある。

要するに、かぶってしまうと両者の声が相手に届かない、ということが何度か発生するのだ。

しかし話がかぶるのは、対面でもあることだ。
そんなときはどうしていたか。
「どうぞどうぞ」と譲り合うのである。

これができれば大丈夫。

でも、極力話がかぶらないように、適宜マイクをミュートしたり、うなづきやあいづちに声を乗せない、などで更なる工夫ができる。

それでもかぶったら「どうぞどうぞ」でなんとかなる。

◇◇◇

と、こんな風に私自身もトライアンドエラーの日々なのだ。

しかし、オンラインを導入してから相談をいただく機会が増えた。
これは本当に嬉しいことだ。

キャリアカウンセラーとしてサボってきた、カウンセリングのハードルの高さを一気に押し下げる機会となった。

ひょっとしたらこのままオンラインのみでいくかも?
いや、対面も選択肢のひとつとして、戻せる日がきたら戻したい。

対面の良さは、カウンセラーとクライエントが場を共有している、という感覚かもしれない。
オンラインは便利である一方、隣にいて安心感を感じながら対話を進めることはできない。
カウンセリングが終わってルームから退室したとたんに、自分ひとりの空間に瞬時に戻ってしまうことが特徴だ。

隣に人がいる安心感のようなものを、私自身もしばらく忘れているような気がする。
それはもう少し温めておくことにする。

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