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北フィンランドの旅 その5 カラヨキ:フィンランド屈指の砂浜がある街

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オウル周辺を巡る旅の最終ストップはカラヨキ。オウルからラーへを通りすぎ、さらに南下すること、約1時間45分。他に訪れた場所とは流れている雰囲気ががらりと違うビーチタウンにやってきました。

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築110年のお屋敷
ビーチに行く前に、この土地の歴史に触れるため、Havulaを訪れました。フィンランドではユーゲンと呼ばれる、アールヌーボー様式の大きなお屋敷は材木所オーナーが建てたもので、今でも人が住んでいるかのような雰囲気が漂っています。壁紙や職人が作った家具や暖炉など、部屋ごとにコーディネートされていて、隅々までこだわりを感じるインテリアでした。ラーへにある美術館など、オウルには歴史を肌で感じられるような博物館が多くあり、タイムトリップしたかのような体験ができます。

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カラヨキ発のサステイナブルブランド
歴史に浸った後は、いざビーチタウンへ。異国に来たのかと思うほど、このエリアは雰囲気ががらりと変わります。まずはカラヨキ発ブランドを経営するサトゥのお店アイト(ピサデザイン)へ。サトゥはピサデザインのデザイナーでもあり、リネンの織物を中心に、サステイナブルに配慮した物作りをしているブランドで、お店は理念を共有するプロダクトが集められています。例えば、カラヨキならではの灯台をモチーフにしたキャンドルホルダーは、カラヨキに工房を構える、イソ・パハカラで作られたものです。夜は海を見ながら、魚の燻製が食べられるレストラン・ロヒラークソへ。もの作りやブランド経営の話に花が咲きました。

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船で小さな島へ
翌日は朝早くから船でマーカッラ島へ。地元ガイドのリーサが案内してくれました。珍しく、スウェーデンから自治が与えられている漁師が滞在していた島で、決まった人しか夏小屋を持つことができないのだとか。小さな島なので、島の端から端まで歩くのにそんなに時間がかかりません。島の真ん中には立派な木造の教会が建っていて、中に入ると、まるで大きな船の中にいるような、胎内にいるような不思議な安堵感がありました。教会の外壁には、この島にゆかりのある人の名前が彫られています。リーサの先祖もここで漁をしていたらしく、サインが残っているのだそう。この夏には、リーサの高校生の娘さんがマーカッラ行きの船でアルバイトをするという話を聞き、こうやって、母娘の姿を見ながら、島の物語が継がれていく場面に遭遇できてと嬉しく思いました。

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いつまでも続く幻想的な浅瀬
カラヨキの名物は何と言っても、広大な浅瀬のビーチ。どれだけ歩いても、腰ほどまでしか深くなりません。ヘルシンキの海はたいてい濁っているのですが、ここは同じバルト海なのかと疑ってしまうほどの透明な水。北フィンランドにいながら、どこかしら異国情緒が漂い、どこか南ヨーロッパに来たような気分になるから不思議です。ビーチの近くには、サラダやスイーツがおいしいカフェ・ビーチローズがあり、のんびりするにはぴったりの場所です。

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カラヨキ砂浜や砂州をのんびり歩きながら、5歳の娘が喜ぶ姿が目に浮かびました。このツアーが終わった後、夫と娘が夜行列車で北フィンランドにやって来て合流し、家族三人でロードトリップを続けたのですが、旅の途中でカラヨキのビーチに立ち寄りました。すると予想通り、娘は広大なビーチに到着するなり、おおはしゃぎでワンピースを着たまま、ビーチをうれしそうに駆け巡っていました。またいつか家族で来たい場所の一つになりました。

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オウル周辺には、海、森、山(丘)など、1-2時間ドライブするだけで、驚くほど表情豊かな自然を楽しめることが魅力的でした。歴史も興味深く、ヘルシンキに暮らす私からすると、北欧らしさが凝縮されているエリアなのではと思わざるを得ませんでした。出会ったことのない宝石に出会えたような発見にあふれた旅でした。この機会を作ってくれたビジネスオウルの貴子さん、ビジットオウル始めとする各地の観光局の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。コロナが落ち着いて、また自由に旅がいけるようになったら、是非、北フィンンランドへも足を運んでいただけたら嬉しいなと思います。

※この1年、極夜と白夜の時期に巡ったオウル地域の全ての町(オウル、イー、ハイルオト、ケンペレ、リミンカ、ラーヘ、カラヨキ、ロクア、シュオテ)は、ポホヨラ旅街道と呼ばれています。

https://pohjolanrengastie.fi/en/ 


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