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2/2/24(金) マオリのルーツ

 今日も朝からマオリの若者と過ごす。急に出会ったので彼らが何者かもよくわからないまま(向こうも私のことをきっと「誰なんだ?」と思ってるだろう)、それでも2日間一緒に過ごしているので、だんだん仲間感が出てきた。彼らはワイカト大学というところから来ているらしく、みんなして「ニュージーランド人は超チルだよ」とか言って笑って、確かにみんなリラックスした感じでおおらかな雰囲気だけど、とても知的でもある。

 そもそもどうしてこのマオリの若者15人ほどが台湾に来ているかというと、彼らは、そして彼らを教えたワイカト大学の先生たちは、台湾原住民たちが自分たちのルーツだと考えている。つまり、マオリ族が台湾で自分たちのルーツをめぐる旅をしているのだ。確かに顔とか体型とか、台湾原住民のいくつかの民族にそっくり。この漢字だらけの、ニュージーランドと似てもつかない島が、自分たちマオリのルーツであって、確かに自分たちにそっくりな人たちが暮らしているというのは、彼らにとってどういう気分なんだろう。

 台湾原住民もその一部であるオーストロネシア(南東)語族は、台湾を北端に、フィリピン、インドネシアなど東南アジア、ミクロネシアの島々、オセアニアの一部、イースター島、マダガスカルまで分布しているらしい。地図で見ると相当に広い。そのそれぞれの言葉の中で、台湾原住民の言語が言葉として一番古い形であることから、オーストロネシア語族の発祥の地は台湾なのではないか、ということがちょっと前から言われるようになっている。なんだかすごい話だ。私とマダガスカルの人とか、イースター島の人が、遠い昔をたどれば台湾で一緒だったのかと、地図を見ながら考えていると、なんだか力強い気持ちになってくる。このオーストロネシア語族の言語の間で、今でも全く同じ単語を使っている例がいくつもある。アミ族の人とインドネシアの人と、それぞれお互いの母語で話してもある程度話が通じると聞いた。体のパーツとか、数字とか。マオリのみんなが言うには、マオリとタヒチも母語同士で通じるらしく、それどころか方言程度の違いしかないらしい。そう考えると、国で分ける考え方って、思ってるより一面的なのかも。

 明日から3日間、マオリのみんなと新竹にあるタイヤル族の伝統領域へ。いつか行くことがあるのかな、と思っていた場所に、こんな形で行くことになるとは。山用にハイキングシューズやフリースを買った。

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