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それではまた会う日まで

同僚にマレーシア出身の女の子がいた。彼女は中国語、英語、そして日本語を操る。

この前、ショックなことがあった。

上司が本人に向かって「日本語がよくわからない」「しっかり仕事をしていない」と言ったというのだ。その話を聞いて愕然としてしまった。

確かにいつもにこにこしているタイプではないけれど、忙しいときには真っ先に助けてくれるし、必要なものをすっと差し出してくれる気遣いもできる。感情が出やすいとか、ときには無愛想に見えたりもするけれど優しい子なのだ。

上司は普段私たちが働く姿を見ていない。それなのにマイナスの面だけを切り取って評価するのは違う。いつも彼女の行動には理由があった。不器用だし、伝え方が下手だったのだ。

異国で働くのは本当にストレスがたまる。言いたいことがうまく伝わらないことも多い。オーストラリアにいたとき、毎日英語で話さなければいけないストレスがあった。慣れるにつれてそれもだんだんと減ってはいったけど、完全になくなることはなかった。そんな環境で一緒に働いてくれた彼女を、私は尊敬している。

多少わからない部分はこちらが何を言いたいのか読みとる、わかる努力をすることで補える。歩み寄る努力は必要なんじゃないか。まずはそれをせずに、すべての責任を本人に押し付けるのは違うと思う。

彼女は今の職場を辞めてあさって関西に向かう。私が一緒に働いた期間はたった1年くらいだったけど、楽しかった。少し寂しくなってしまうけど、そのうちまた会えるだろう。

またね!