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前髪が気になるお年頃

数か月前、何年かぶりに前髪を作った。

幼い印象になるから嫌だなと思っていたのと、単純に面倒で伸ばしていたのだが、やってみると案外大丈夫だった。久しぶりに見る前髪で新鮮な気分だ。

でも、一方で懸念していた通り手入れは大変だ。油断するとコントロールが効かなくなる。この前、風が強い日に会社に行って、鏡で自分の姿を見てギョッとした。この前髪は、一体、なんだ…。きれいにブローしたみたいにぱっくり真ん中で割れて、全体的にボリュームが出ていた。慌てて撫でつけてごまかしたものの、なんだか一日気に食わなかった。

常に鏡を見て前髪を直している、「前髪命」の若い子たちの気持ちがわからなかった。でも最近はよくわかる。すぐに崩れるものなんだよね。あと前髪のコンディションでテンションが変わる。

そして前髪はすぐに伸びる。前髪だけでなく、全体的に伸びているはずだが一番わかりやすい。昔は自分で切っていたので、やろうかなといつも思うのだが、次回美容院に行ったときに「あ、ご自分で切りました?」と聞かれるのが怖くて勇気が出ない。失敗しなかったとしても、バレるのが怖い。

一体何がそんなに怖いのか。美容師さんとの関係を考えると、別に言われてもダメージはそんなにない。でもやっぱり躊躇してしまう。自分で切りました!と堂々と言える人のことを尊敬する。なんだかんだ言いながら、私は言えないまま生きていくんだろう。

諸々の面倒さに嫌気が差したら、また伸ばせば良い。自分の髪は好きなように決めることができるのだ。自分の好きな自分でいたい。