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人生をエモく仕立て上げてくれるスピッツというバンド【エモーショナルコンテンツ vol.3】

わたしの人生で最も長く好きでいるもの。それは陸上競技とスピッツ。
昨日、平山高敏さんのtwitterとnoteを拝見し、「あ、そういえばスピッツって超エモいじゃん!」と思ったのです。


細く長くトップアーティストでいるスピッツ

スピッツのライブで、ボーカルの草野マサムネさんはよくこんな事を言う。

「これからも細く長くやっていきます。」

広島から東京に出てきて、初めてスピッツのライブに行ってかれこれ10年。最初は会場にいるファンの中でも若いほうだったのに、気づけばどんどん自分より年下のファンがいる。親子で来ている方もいらっしゃる。若いファンが増えているのは、今売れている20-30代のバンドがスピッツに影響を受けていることから、遡るように聞き始めたリスナーがいると聞いたこともある。

リリースの頻度も多いわけではない。最近では昔リリースした楽曲のタイアップのほうが目立っている。そんなこんなでマサムネさんの宣言通り、細く長く続いているバンドなのです。

2017年に結成30年を迎えたスピッツ。「空も飛べるはず」は25年前のリリース。あいのりのオープニングであり、SUBARU「FORESTER」のCMで使われている「スターゲイザー」でさえ15年前。(え、嘘でしょ?)

なぜこんなにも細く長く、世代を越えて愛されるのかという疑問に対して、私なりの答えを出してみた。

すべての人にフィットする詩的な歌詞

冒頭の平山さんのtweetでもおっしゃっていたように、スピッツの楽曲は本当に美しい言葉で構成されている。(その歌詞が乗っかるメロディや演奏技術の高さは言うまでもない。話しだしたら止まらないので割愛します。)ひとつのふっとした出来事や感情をとても美しい比喩表現で語る。

あなたのことを深く愛せるかしら
子供みたいな光で僕を染める
風に吹かれた君の冷たい頬に
触れてみた小さな午後
諦めかけた楽しい架空の日々に
一度きりなら届きそうな気がしてた
誰も知らないとこへ流れるままに
じゃれていた猫のように
(冷たい頬)

20年以上スピッツを聞き続けて気づいたことがある。直接的な表現をしない詩的な歌詞が多いため、初めて聞いたときは解釈しきれない曲も多い。なんだよ心は卵って!(惑星のかけら)

音楽に解釈を求める求めない議論もあるだろうけれど、スピッツのエモいところは、ある日自分自身の出来事と絡みついてその曲が今の自分のテーマソングになるような瞬間があるんです。大きいエモじゃないけどさ、ウェーブとか共感とかじゃなくて、自分の中だけに起こる、でも確かなエモーション。

あまり直接的な表現がなく、比喩表現、感情表現が多く見られるため時代や流行に流されないのもその理由の1つなのかな。技術が進歩したって、人が何でハッピーになって、何で悲しくなるかなんてそう変わらないもんね。スピッツは夏休みに二人してサイパンに行ったりしないし。(最近森高千里さんにハマっています。これはこれで時代感じられていいんですよね。)

ざっくり言えば歌っているのは恋愛や人生について。人との出会いや別れ、俺たちまだまだ行けるぜ!的なこと。けれどもあえて答えを用意しない、どんな解釈もできる表現だからこそ、柔軟に形を変え、受け手の心情とピタッとハマって、まるでドラマの主人公になったように人生を色付けてくれる。その瞬間、平凡、もしくはあまり納得のいっていない自分の人生が、少しだけ美しく見えるんです。こんな自分だけど、この曲がこんなふうに響くんだったら、私の人生悪くないかなって。

きっとスピッツが好きな人は、こんな体験をしたことがあるんじゃないかな。と思っています。

楽曲から頭の中に出来上がるもの

もう1つ。スピッツの曲を聞いていると何だかストーリーとか、映像が浮かぶ。スピッツの曲から自分なりのなにかが生まれる。

私の中では2010年にリリースされた「とげまる」が、特に想像力が止まらなくなるエモエモなアルバムである。

MV作られていない曲でも、自分の頭の中に勝手に映像があったり、その曲の主人公みたいなものがいたり、そういえば勝手に頭の中そんなふうになっていたなぁ。と気づきました。

音楽でそんな世界にトリップできるのは本当に幸せだなぁ。アメリにスピッツ聞かせたら大変なことになりそう。そういえば、中学の時の国語の授業で「好きな音楽から物語を作ろう」って課題が出たんですが、その先生、スピッツファンだった。きっと彼女の頭の中にも物語があったのかもしれない。ちなみに、スピッツの楽曲には英語があまり使われないっていうこともその先生が教えてくれた。使われてても思いっきりカタカナ読みなんですよね。

ちと脱線してしまったが、そんな想像力を豊かにしてくれるスピッツ。頭固くなったときとか、現実逃避したいときに取り入れてみようかな。そうでなくても毎日聴いちゃってるんですけどね。

エモーショナルなコンテンツを紹介するシリーズなので、あんまりあれこれ語りたくないのですが、大好きなスピッツなので長々と語ってしまいました。わたしも頭の中にあるものを今度ショート・ショートにしてみよう。

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