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単純なことほど、行うは難し。

先日の世界選手権CX(Cyclo Cross) の総括記事みたいなのが、Cyclistさんの記事に上がってたのと、ここ最近少し思うところがあったので。

というより、本当の理由は、昨日今日はオフなんですけど、昨日は一日中土砂降りで、車もないのでお出かけもできないし、わざわざ傘さしてもビチョビチョになって、歩いてどこか行っても疲れるだけなので、一日引きこもってNote書いてたというだけなんですけどね。(Netflixぼーっと眺めるよりは、健全でしょう👻) 朝からのんびりして、コーヒー淹れて、ソファに座って、これ書いてます🛋 ただの日曜日のお父さんみたいな生活です、はい🙈

またどうでもいい前置きは置いておいて。
私は、何年もチャレンジして、CXの全日本チャンピオンは一回も獲ったことがないというCX選手としては大きな声でいろいろ言えない選手なので、あくまでロード選手として感じることを、(小さい声で🤫)書いてみようと思います。
あと、選手としては走ることと結果を出すことだけが仕事で、口を出すことは仕事じゃないと思ってるので、オランダでやることなくて暇してるんだなーと温かい目で見て、ただの戯言ということを前提に読んでください。悪しからず👻

とはいえ、私だってCXは好きだし、特に冬の寒い時期に1時間程度で高負荷がかけられるし、何より短い日本滞在でたくさんの日本人に会える場所として、日本のCXのコンペティションは私にとって楽しい場所と時間なので。こうして世界で日本人選手が走って、結果を出せずにまた日本に帰って行くっていう現実を見て、ナショナルチームの総括記事を読んで、思うところがないかっていうと、ないわけじゃないので、自分のためにもここでアウトプットしてみました。

ヨーロッパでフルシーズン、ロードを走る前は、日本のCXレースに全部出てたり、そのレースのために練習したり、勝った負けたで落ち込んだり(これはこれで楽しかったので、いい思い出😊)。 今はロードの世界選手権が終わったらとりあえず抜け殻になりたいし、そもそも世界選手権直後は日本に帰るのが億劫だし、来シーズンのチームキャンプやプレゼンテーションでまた12月からヨーロッパでいろいろスケジュールが埋まるという感じで。

日本のCXレースは、出来るのであれば出たいけど、まあ遠征すればお金もかかるし、バイクも機材も、特にマンパワーが必要だし、ただでさえ慌ただしい日常をさらに慌ただしくするのもなあ。という感じで、以前であればスケジュールに空きがあれば入れていた日本でのCXレースも今CXシーズンは、UCI 1レースと全日本選手権だけにしました。

その唯一走ったUCI レースっていうのが山形の寒河江であったレースなんですけど、これは日本でのレースで最も今年のデンマークで行われた世界選手権のサーキットと類似してたので。(以前あったキャンバーは全てカットされてましたが🙈) それでも長い舗装路のホームストレートに、重い芝に、悪い路面と風。まあ、あえていうなら、みんなの大好きなテクニック部分はほぼなくて、ただただ、ドーン、ドーン、ビューン、ダダダダ。みたいなコースです。踏みまくって、バイク壊さないで、走ればいいんです。(まあどんなコースでも必要なのは、その2つなんですけどね。)

で、あと出たレースは全日本選手権。これはもう、地獄でしたよ。前夜からの積雪で、コースの半分以上は乗車できないし、今までいろんなコンディションやいろんなサーキットで、CXもロードもレースしてきましたけど、去年のストラダ・ビアンケ(気温3度で雪・ミゾレ・雨(土砂降り)に、ロードバイクでボコボコのダート、しかも上りも下りも。っていう) よりも過酷なレースでしたね。いろんな意味で。だって自転車競技なのに、自転車乗れなさすぎるし、ランニング時間の方が長いっていう😭

まあ、天気は誰の力でもどうしようもないし、そんな悪天候、悪条件の中でも勝った選手が強いし、真のチャンピオンに値すると思っているので、チャンピオンにはもちろん純粋にリスペクトです。

今の私のキャパシティ的にCX用のトレーニングができないので(でもCXのトレーニングってなんだ🤔)シーズン通してのロードといくつかのCXレースを走ってきた経験上、
CXの全日本選手権含め、日本のコンペティションに出るにあたっての個人的な指標というか目標としては、たとえ!どんなサーキット、どんな悪天候、悪条件であったとしても、たとえ!どんなにCXのテクニカルな部分(降車、乗車技術)が劣っていたとしても、たとえ!CXのレース数が少なくて経験値が不足していたとしても、圧倒的なフィジカルで日本で勝てないのであれば、まだまだ全然ダメー🙅🏻‍♀️何やってんの、弱っ!(ロードのフィジカルにおいて)っていうのが、自己評価であります。

まあ勝ったら勝ったでいいんですけど、負けたら負けたで、あそこでこうしとけば、シケインの後のタイムロスが、バイク乗車技術が、とかテクニック的なことよりも、「圧倒的なフィジカルがあれば」という自転車選手として、最も重要で最もなくてはならない、根本的でかつ最も単純なところだけしか見ていません。(あくまで、ロード選手としてCXをやってて、そこまでCXに対して注ぎ込むパワーと時間が今はないからです。)
ロードもCXも両方した上での体感として、ヨーロッパのロードでトップ選手とやり合うために必要なフィジカルレベルってそういうことなんです。
つまり、ある程度のフィジカルがあれば、センスがなくても、まずは最低限の完走はできるんですよ。ロードもCXも。(男子は知らないけど🤔)
逆にいうと、最低限のフィジカルが無い状態で、いくらセンスがあっても、いくらテクニックに時間をかけて習得しても、それらをレースで使う状況になる以前に、レースが終わるというのが現実です。

もちろんセンスのある選手やバイクに乗るのが上手い選手は、カッコいいし、正直私もそんな才能がほしかったなあ。とつくづく羨ましい🙈 私が出来ることといえば、淡々と、つまらないことを、続けるという、誰にでもやろうと思えば出来ることくらいで🤦🏻‍♀️

と、長々と話しましたが、最初の話に戻すと、フィジカルを高めればいいだけの話なんですよね。そもそも。
不思議なのは、みんなセンスも才能もあるんだから、ただ1番単純な自転車を漕ぐっていうフィジカルを高めるだけで、そこそこ戦えるはずなのに、そこをなんでもっと強化しないんだろうと思うのであります。だっていくらスプリント能力を高めたって、最後のゴールスプリントにいなかったら意味ない訳ですし、いくら乗車技術が高くたって、集団からちぎれたら終わりな訳ですし。
いわゆるフィジカル、FTP(1時間出し続けられるパワー)をあげるだけでセンスがなくても、まずはヨーロッパでも完走は出来るんですけどね。(※当社比) でもそのFTPをあげる為のトレーニングっていうのが、本当、本当につまんないし、辛いんですよね。だって、ただ出来る限り長いこと、ギリギリ出せるか出せないかくらいのパワーを出し続けることに、ひたすら耐えるだけですもん🤖 スプリントみたいに、出し切ったー休んでーまた出し切る!みたいなメリハリもなければ、一息つく間もなく、ひたすらペダル踏むだけ🤖ロボットみたいに🤖🤖🤖

まあCXは競技特性上、いろんな障害物や路面によって、「単純なフィジカルだけじゃない」っていう風に、考えがちな要素が大きいといえば大きいですし、ロードだって集団で走ったり、道が狭くなったり広くなったりするので、「位置どり」と「パワーの出し入れ」っていうまた別の要素に走れなかった理由を持っていきがちになってしまう気持ちも、わからなくもないです。

でも、何度も言います。そもそものスタートライン(勝負するって意味での)に立つには、つべこべ言わず最低限のフィジカルが必要なんですよ。それは、特別なトレーニングメニューでも、特別な環境でも、特別なセンスでも、特別な食事でもなく、単純にFTPどれくらいっていう数字だけ、まずは。それからですよ、位置どりとかテクニックとかの話は。

でも皆好きなんですよね、テクニックとか、強くなる食事とか、トレーニング理論とか、ポジションとか。それに逃げたくなる気持ちも、わからなくもないです。私だって地味ーなトレーニング、大嫌いですもん。だから、コーチから言われるメニューに、即答で無理!とか、じゃあ自分でやってみてくださいよ!とか逆ギレしたりします🙊(※ここだけの話) 。でもね、今一番、自分に何が必要なのかをわかってるのは、コーチであり、自分自身だけなんですよね。
自分で見て聞いて走って感じたことが、一番信頼できるフレッシュな情報であり、事実なんですよね。良いことも悪いことも、受け止め難いことも。結果はもちろん、自分の位置、フィジカル状況、メンタリティ、パワーデータなどなど。
あとは、楽しいことだけ選択して強くならないこととか、アホかっていうくらいつまんない練習が走れるようにしてくれることとか、何かすることよりも本当に何もしないで過ごす方が回復することとか。たぶん、みんな選手は薄々、経験上気づいてると思うんですよね。
だから、ブツブツ文句言おうが(言うのはタダだから許してください🙏🏻)、言われようが、全ては自分のためにやるかどうかだけなんですよね。
で、スタートラインに立ってからですよ。細かいことやって、細かいこと積み重ねていくのは。
その細かいことも、またかなり大変なんですけどね🤖

ここで真面目に、数字の話をすると、体重の4倍で上り約20分を5、6本普通に出来るくらいのフィジカルくらいです、まず最低限。ローラーだと精神的にきついというか、私もできるか結構怪しいですけど🤢 今の時期、シーズンインが近づいてるので、雨だったり天気が良くないと、トレーニング日をずらしたり中々できないので、ローラーする以外選択肢ないので、私もやってます🤢
ちなみに先日の私のローラーメニューは、160w 170w 180w 190w 200w 210w をそれぞれ20分(間のレスト5分) やって、最後に220w5分 230w5分 240w5分 (この間にはレストなし) でおしまい。つまり20分×6本 と最後5分ずつビルドアップ15分 レスト入れて計3時間ほど精神修行したわけです。最後の方は、これやれって言ったコーチへの怒りしかなかったけど🤬
ちなみに今の体重は、51kg前半から50kg後半くらいです。(ぜひ寒い冬のローラーメニューにどうぞ👻)

で、さらに数字の話しをすると、50kgだったら200wがちょうど4倍 になるわけですが、54kgだと200wでも3.7倍にしかならないんですよね。4倍と3.7倍の差は、結構大きいです。(ちなみに、昨年の春先の私の体重は54kgでした🐷 )当たり前の話ですけど、同じパワーを維持しながらダイエットするだけで、パワーウエイトレシオは上がるんですよね。でもこの単純な数字の話しを、実際にトレーニングとダイエットに置き換えて行動するのが本当に難しいんですよ。それはそれは、大変な精神力が必要で🙈(言いたいだけ👻)

テニスの大坂なおみ選手(収入と世界でのレベルが違いすぎるけど🤦🏻‍♀️)の成功秘話にもありましたが、彼女には、トレーニングだけでなく食事制限などの辛いこともサポートして、一緒に行って、フィジカル的にも精神的にも、支えてくれるコーチやチームがいるそうです。そうなんですよね。トレーニングは誰でもできるし、みんなやってるんですよ。トレーニング以外のところでの、身体のケアや食事、ダイエットなど辛いと選手が感じることを、共に行なって、励ましてくれる精神的な支えは、本当に大事だと思います。私もそんな周りの支えが欲しいと心から願ったのは、ここだけの話🤫

まあ去年は、体重計にも乗らず(数字という残酷な現実と向き合えるメンタリティじゃなかった🤖)、シーズン序盤はパワーメーターもなく(つまり見たい数字は見れなかった🙈)、チームが悲惨で、と自分自身に言い訳につぐ言い訳な一年を過ごしたからこその、必然の一年だったんだなということを、自分で失敗して、痛い目を見た一年でした。だからこそ、今年の私がいるんですけどね。

前述の通り、つまらないトレーニングと冷酷な数字との対峙は自分自身と向き合うしかないので、しかも基本的には弱い人間なので、何かしら自分でモチベーションの維持を工夫したり、自分へのご褒美は必要でして。
まずは、良い体重計(TANITAのいろんなのが測れて、アプリでいろいろグラフを作ってくれるもの✌🏻)を買いましたし、ダイエットとはいえ毎日、味気ない食卓に、炭水化物とゆで卵と生野菜とかは気が狂うので、(インスタ映えしそうなキラキラした食卓はムリだけど🙅🏻‍♀️) 自分が食べたい、美味しいと思える料理を作ったり👌🏻

でも、基本レイジーなので、めんどくさかったら野菜たっぷり切ってボールに入れてオリーブオイルと塩だけの日もあるし🥗

明日は、カフェで大好きなアップルタルト食べる!って決めてその日のトレーニングを乗り切ったり。

つまり、良い加減に、いい加減で、良い加減に、ストイックな感じです。(いや、全くストイックではないな🙈) まあ全ては、自分がどうなりたいか、どうありたいかっていう自分の欲求からくることでないと続かないです。心が折れそうなことばっかりです、自転車選手が本当にやらないといけないことって。(私もここ最近、心がポキポキ折れては、セロテープで貼ってますwww) そんな私は、ブツブツは人の2倍も3倍もブツブツブツブツ言いますけど🙊 やると決めたことへのコミット力は高いので🙆🏻‍♀️

そんなわけで、なんかいろいろ長々と書いてしまいましたが、(小さい声で🤫) まとめると、「言うは易し、行うは難し。」ってことです。選手自身も、コーチも、ナショナルチームも、みんな。
あとは、とにかく大坂なおみ選手は、すごいし羨ましい🙈 ってことで。

とりあえず、あと3週間もヨーロッパでのシーズンインまであるので、ブツブツ言いながらも、正直で残酷な数字を見ながら、良い加減に息抜きしながら、せっせとトレーニングに励みます👻👻

#今日のエリさん #今日のエリnote


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