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私の「全日本選手権」

はい、今年も全日本選手権タイムトライアルとロードレース、無事に勝ってナショナルチャンピオンジャージを獲ることができました🙌🏻 心から、ホッとしている今日この頃です。

まずは、感謝を。レース走るために、移動からメカニックからスケジュールから、敏腕マネージャーばりにいろいろオーガナイズしていただいて、ありがとうございます、社長!🤘🏻 そしてその社長のサポートをしていただいて、機材からレース、フィード等々、サポートしていただいた皆様、今年も優勝と共に一緒にあの緊張感を楽しんでいただき、ありがとうございました🙌🏻 (それぞれのお名前をかけないですが、皆さんの顔を思い浮かべながら、書いてます😘 ) たくさんの会場で応援してくださった皆さんも、ありがとうございました🙌🏻

というわけで、本題。レースレポートとかじゃなくてね、「全日本選手権」っていうなんとも言えない特別なレースの私の話。

全日本選手権が近づくにつれ、5月くらいから全日本のことを考えるだけで憂鬱になるんです。ああ、今年もこの季節がやってくるのかって。
日本に帰れることは嬉しいのですが、純粋に日本に帰って来たことを心からは楽しめないというか、満喫できないというか。(いやいや、美味しいもの食べてめっちゃ楽しんでるように見えるけどwwwって言われそうですけど🙈🙉)
確かにそうなんですが、実際は、全日本に向けて調整して、準備して、国内移動して、レースして、勝って、数日後にはジロに向けてイタリアに飛ぶ、というスケジュールで、時差ボケや移動の疲れ含めて調整して、コンディションをしっかりピークに全日本とジロに持っていかないといけないので、普通にかなり節制というか自分をコントロールした生活を送っております。まあ、シーズン中ですからね。(しかもまだ長〜いシーズン折り返したとこです🙉)
なので、この全日本のための帰国は、「日本帰国、YAY🤘🏻」っていうのは正直全くなくて、どちらかというと、「はあ。全日本かあ😑」っていうのが正直な気持ちです。

とはいえ、やっぱり日本は日本で。言葉は100%通じるし(たぶん通じてると思う🙊)、食べ物は美味しいし(食べすぎないようにするのが、かなり大変なんですけどね😭)、応援して下さる皆さんにお会いできるし、楽しい時間もたくさんなんですけどね。でもここ最近は、滞在時間も短いし、自分の家もないし、結局レースでホテル滞在も長いので、日本に帰るというより、日本にレースしに行って、さっと走ってさっと帰るみたいな感じなのも事実で。不思議な感じです👻

で、全日本選手権で「勝つ」ってことは、外から見れば與那嶺さん勝って当たり前でしょ。って思われてる節もあって(たぶんwww勝手な被害妄想だったらすいません🙈)、負けられない訳ですよ。まあ、本当は、そう思われてるから負けられないのではなくて、負けるということが、負ける自分が、自分自身で許せないだけなんですけどね。

それに加えて、「勝ち方」も大事だし、今年はさらに「オリンピック」の選考なんていうのも加わって、ね、相変わらず自分自身でいろんなプレッシャー?(というより緊張感っていうか、なんかそういう特別な感じというか)そういうのを増幅させてたのであります。自分でもわかってるんですよ、いつもどおり走ればいいだけなことも。
でも私の場合、「他の選手が強くなってたらどうしよう😣」とか「私がベストコンディションじゃないんじゃないか。」とか「1対10とかな展開になったら。。。」とかね、「もし」っていうのが悪いことしか想像できないんですよね。これに付き合ってるコーチは、本当、めんどくさいと思いますよ。(実際、もう辞めてくれって言われます🙊)
このレース直前30分前のミーティング、シリアスに見えますけど。。。コーチが、「いいか、何周めのここで、まずは絶対にアタックして集団を小さくしろ。早めに集団を小さくしないと落車とかのリスクが高くなるからな。OK?」って言ってんのに、
私、「本当、走りたくないです😕」ってまだ言ってる。の図です🙈🙈🙈

自分でもまだそんな事言う?って思うんですけど、それを口に出して、誰かに聞いてもらうのが良いんですよね。不安な言葉は飲み込めないんですよ。

そんな感じで、毎年毎年、未だにこんなやりとりをしながら全日本選手権を走ってます🙈
それくらい私には、失敗できない、勝たないといけない、良い走りも見せたい、っていう一年に一回の大きな大きなレースなんです。
そうやって自分で自分にプレッシャーをかけて(というより、全日本は誰からもプレッシャーをかけられない🙈) 、何かあったらどうしようっていう不安を増幅させることで、いつも以上に何かあっても勝てる準備をするわけです。
パンクやメカトラがあっても勝てるように、自分の予想とは違うレース展開になっても勝てるように、もしそうなった場合に自分でベストの判断をして、確実に勝てるように。いろんな「もし」(良くないこと)を考えてしまうんですよね。勝手に自分で妄想を膨らませて。めんどくさいですよね。それがスタート30分前まで、走りたくないって言ってる理由です🙈

でもね、頭の中ではわかってるんです。今日めっちゃ調子いいわって。スタート前のローラーしながらね。

で、全日本選手権の時は、全日本のために私のために集まってくださった皆さんが、落とせないレースのサポートをしてくれてて、もうね、クスって笑いたくなるくらい私よりも緊張してて、ピリピリしてて。
皆さん「もし何かミスをしてエリちゃんが負けたら、どうしよう。」ってオーラを出しながら、すっごい気を遣ってくれてるのが伝わってきて。で、私は私で、「走りたくない」とか最後まで言ってて。
この温度差wwwと内心思いながら、意外と冷静だったりもして。

まあ140kmしかも13周っていう女子選手にとっては、かなり長めの距離と、コースも同じようなところをぐるぐるする感じで、天気は雨だし霧だし、みんな滑る滑るってビビってるし。
私?私はまずは、コーチと話をして、「3周目のフィードゾーンの上りで仕掛けて集団を減らす」っていう唯一、最初から決めてた作戦を100%遂行するために、集団の雰囲気と路面、コース状況、どこで集団が伸びて縮むかを観察して、レースを進めます。絶対に安全な、脚を使わない場所で。
周りから見ると、コーチとの作戦とかレース運びとかめっちゃ緻密に練って、って思われてるかもしれないんですけど(確かに数年前はそのおかげもかなり大きかったんですけど)、今回は13周140kmってまあまあ長いから、3周目でまずは一発目のアタック、だけ決めてて、それ以外は2周目ごとに人数減らしていこうっていうざっくりした作戦でした。

でも、結局なんか2周目で自分で、今行った方がいいや。と思って行っちゃって。後ろが諦めるまで、10人くらい連れて来ちゃったけど、踏み切って。
30秒くらい差が開いたところで、その10人で逃げたい選手はローテを回してくれますけど、まあ少なくもなく多くもない微妙な人数なので、回さない選手もいて。別にそれはそれで各選手の走り方なので、とやかく言うこともなくて、下りからの繋ぎ部分は安全に入って下りたいから前で走って、ローテしてくれる選手もいたので、彼女たちとは協調して、でローテしてくれない選手には、そのローテのリズムを崩してほしくないので「ローテしないなら後ろで。」ってお願いして。「下りが怖いので、前に出れません」って言われたりね。
少し前だったらイライラしたり、怒ったりしたかもしれないけど、まあいいやって思う自分がいたりもして。

で、次にアタックした時に予想外に一人になってしまって。作戦的には、2、3人は連れて来たかったのですが1対7の形になっちゃったので、また8人に戻っちゃうと意味なくなるので、とりあえず後ろが割れてジャンプしてくるか、諦めて2位争いの別のレースを始めてくれるまで、行っちゃお。って。

結果的に、8周半くらい一人旅になってしまった。という感じです。
無線がないので、タイム差しかわからないし、後ろが協調して追われて、吸収されたら、不利になっちゃうし、いろんなパターンを想定して、もしもを考えながら、淡々と淡々と。
サーキットだったので、どこ走ってても解説の声が聴こえて来て、レース展開じゃなくて、いろんな話も聞きながら走れたので、かなり気が紛れました🙆🏻‍♀️ 飯島さんと栗村さん、ありがとうございました🤘🏻
パワーメーターでパワーをコントロールして走ってるように思われてたかもしれないですが、あの、私全くパワーとか見てないです、レース中🙈 1人であの距離走ったら、悲しいくらいパワー出なくなってきますからwww (中盤は、どこでタイム差が開いて縮んでるのか全然読めなくて、イライラしてたのはここだけの話🤫)

裏話とかしだしたらキリがないのですが、ぜひ読んでいただきたいチームカーのお話は、こちら💁‍♀️

私じゃなくて、チームカーにピントが合っちゃうくらいの存在感🤘🏻 最高です🤘🏻

選考とか、オリンピックとか、本当はそんな大事なレースだったんですけど、いろいろ今シーズンは仲裁とか、今回の全日本のチームカーの仲裁とかもしてて、良い意味で数ヶ月前に吹っ切れてたので、その辺は全くプレッシャーとか気負いもなくて。
もうちょっと終盤まで集団で行って、2周回ごとに人数を減らして行く予定だったんですけどね。私よりもコーチが一人になるの早すぎて焦ってたような気もしますwww もちろん勝ちに来てるので、勝てばどんな勝ち方でもいいのも自分でもわかってるんですけど。

「圧倒的な」勝ち方って、実は自分にとって大事で。
だってもし、もつれ込んで最後のアタックでスポークが折れて、なんてことも無きにしもあらずで。
実際、今回ラスト800mあたりで、ダンシングして軽くもがいたらスポーク折れたんです。だからね、そんな不可抗力で、レース落としましたなんて絶対したくないから、何か起きてもマージンをとってレースしてしまう不安症な性格なんです。
あとは、ここまで力の差を見せつけることで、やる気を削ぐっていうのもあって。立ち向かって来られたら、怖いですから🙈🙉
コーチにレース後、「自分で自分を追い込んだよね」って言われましたwww 確かにあのアタックは、別にあと2、3周後でも良かった気がします🤦🏻‍♀️
でもね、最初のアタックで10人くらいになった時点で、ちゃんとローテに入る選手と全く入らない選手がいて、別にいいんですけど、それがロードレースだから。でも私はそういうの好きじゃないから、すぐにでも回さない選手をバイバイしたくて、5周目であのアタックになった。というわけです。


長々と書きましたけど、まとめると無事に今年もTT・ロードとナショナルチャンピオンを獲れて、日本遠征の1番大事なミッションもコンプリートでホッとしています😌
せっかく日本に来てるんだからって、したいことや行きたいところや、会いたい人、食べたいものは、もっともっとあるんですけど、明日にはイタリアへ飛んで、7月5日からの10日間のジロローザが始まります。
でもこれが今しかできない仕事なので。ジロローザにチームでセレクションされて、チームのロールがあって、こうやってヨーロッパでトップカテゴリーで走り続けられることだって、いつまでもできることじゃないですからね🤘🏻

ま、なんだかんだで全日本選手権とそのための調整を最優先でしたが、ちゃっかり日本満喫しましたけどね🙈

髪も切れたし💇🏻‍♀️ お寿司も食べたし🍣 野辺山でゆかりさん、しんごさんところ(SY-Nak) でのんびりできたし、一緒に自転車乗れたし🚲 矢野さんとも🚲🚲

たっぷり身体のメンテナンスもしてもらえたし💆🏻‍♀️ 全日本の間も皆さんと美味しいもの食べれたし(もちろんビールはなしだったけど😑)

とらやでお茶とお汁粉も食べに行ったりもしたし🍵

全日本の会場でたくさん応援して下さる方々と会えたし🙌🏻 そうだ、美味しいお肉も祥瑞で食べれたし😋

何より今年もチームエリでレースできたし🤘🏻

十分楽しんでる感は否めませんが、まだまだ全然足りません👻 (とはいえ、かなり気をつけて調整してましたので👌🏻) ま、残りの楽しみは、10月のシーズン終わってからにとっておきます🙆🏻‍♀️
家族にはゆっくり時間とって会えなかったし😭

最後に。なんだか全日本も、日本に帰ってくるのも億劫だったのが正直な気持ちだったのですが、帰ったら帰ったで今年も良い帰国と全日本選手権になりました🙌🏻

言い出したらキリのない、日本的なことやゴタゴタもあるんですけど、それ以上にたくさんのRockな皆さんに囲まれて、Rockな生き方してんなぁ私🤘🏻と改めて感じました🙈

こんな私を応援して下さる皆さん、そして実際に支えて下さる皆さん、この場を借りて御礼を。ありがとうございます😊
皆さんのパワーなしでは、こうしてレースできないです。本当に。

シリアスにやったからって、強くなれるわけじゃない。真っ向勝負したからって、勝てるわけじゃない。お金をかけたからって、良くなるわけじゃない。強いからって、人が集まるわけじゃない。全日本獲ったからって、稼げるわけじゃない。オリンピック行ったからって、人生変わるわけじゃない。

そんな世界で生きるのって難しくて、面白くて、今しかできないので、何か見えるまで引き続きヨーロッパで戦っていきます🤘🏻

笑顔とビールも補充できたので、ジロローザ、行ってきます👋🏻👋🏻

レースの写真は、📸: 辻啓さん

#今日のエリさん #今日のエリnote

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