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最近の違和感とフラストレーション

前回のNoteから、かなり時間が開いてしまいましたが、私は元気です🙆🏻‍♀️ というのも、とりあえず書くことはできても、なんだか自分の頭の中でいろいろ思うことがあって、それを上手く言葉にするのには私の場合かなりパワーを使うので、そこに注ぐパワーがちょっとなかっただけです🙈 まあ義務的に書いてるわけでもないですし、読んでもらって、いろいろ反応とかがあると嬉しいなくらいの気軽な感じでやっているので、今日はなんとなくそこにパワーを注ごうかなぁと思い立ったので書いてます📝

今、私は日本から遠く離れた国で、日本人が全くいないところで、いろんな国の人が混じり合ったところで生きているわけですが、そもそも生まれも育ちも、カルチャーも違う国で、母国言語も違う中で、お互いを理解しようとすることっていうこと自体、難しいというか、100%完璧に。っていうのは不可能に近いんですよね。
先日、イチロー選手の引退会見をヤフーニュースで見て、アメリカに行って「孤独」を感じた。ということをおっしゃっていて、なんだか同じような境遇だと自分で思ったりして、わかる気がしたけど、たぶんそれもただ私が勝手に自分と照らし合せて、共感して、わかった気になってるだけで、100%イチロー選手の孤独はわからないし、私のこっちで見たり聞いたり感じたりすることだって、いくら言葉で伝えようとしたって100%わかってもらうことは、難しいと思うのです。

と、なぜいきなりこんなことを書いたかというと、最近というか私の世代は、もう10代の頃からいわゆるSNSが発達していて、それがあるのが普通の中で育って、世界中どこにいても、インターネット上で世界中のニュースはもちろん、世界中の人と簡単に繋がることができて、同じ場所にいなくてもそれを見ることができて、何でも知ることができる。そしてそれは、若い世代だけじゃなく、インターネットを使いこなせる環境に生きている人は、世代関係なく、そんなことが普通であり、日常になっています。良くも悪くも。

私の世界でいうと、日本からでもヨーロッパの選手たちの情報、レース情報を彼ら彼女らのSNS、チームのSNSをワンクリックでフォローするだけで、いつでも本人の情報を得られるし、知った気になれます。もちろん、選手側、チーム、企業側もこれを有効活用して、ファンを増やしたり、スポンサーをアピールしたり、ということに使います。まあ、当たり前ですよね、そういう時代です。また、年を追うごとに、ライブで自転車レースが日本からでも観れるようになりつつあって、ヨーロッパのレースが日本からでもすごく近いものになりつつあるのを感じます🙆🏻‍♀️ (なので、女子もライブしてください🙇🏻‍♀️と、ここで少しアピールしておきます🙊)

と、前置きは長くなりましたが、日本からでもヨーロッパのレースシーンを観る(見る)ことがイージーになったことに伴って、それで全てを知った気になるのもイージーになった気がする今日この頃な私です。それは、すごく良いことでもあり(観る側と応援される側には)、すごくなんだか不思議な感じがすることでもあります(日本からヨーロッパを覗くというニュアンスで)。というのも、私もいわゆるSNSを良く使うし(あんまり他の選手のこととかはチームメイト以外見ないけど)、頻繁にアップデートをするのも嫌いじゃないし、ヒマな時は画面に吸い込まれてスクロールしてる時もあるけど、それはあくまで画面上での情報の話で、それ以上でもそれ以下でもないというスタンスです。実際、私は日本人で、オランダで生きてて、ヨーロッパでレース走ってて、戦ってて、自分の脚でレースをしているのであって、
SNS上で他の選手たちがどういうトレーニングをしてるかとかいろんな情報を知ることはできるし、どんな風に過ごしてるかを見ることができるけど、それを知ったところで、その画面の向こう側の選手と戦うのではなくて、レース中のバイクに乗った選手たちと戦わないといけないのです。

上手く伝えるのが難しいのですが、何が言いたいかというと、いろんな情報が簡単に手に入る時代になって、いろんなことを知った気になりすぎなんじゃないかな、と思うんです。これは別に、そこのあなたのことですよ!って言ってるわけじゃなくて、何かが違うんですよね。(上手く言葉で表せない🤦🏻‍♀️) こちらの世界に入れば入るほど、英語、オランダ語、ヨーロッパの人が観てる感覚でこの世界を見ることも多くなって、ヨーロッパでも日本語がわかるので日本語からロードレースを見ることもできて、なんだか言葉が違うだけなのに、同じ世界の見方が違ってて、すごく違和感を感じるんですよね。

私も自転車を始めた頃は、日本でたくさんいろんな方(知ってる人から知らない人まで)にアドバイスをもらったり、ヨーロッパはどうとか、ヨーロッパで走らないと、とかもらった気がします。でも実際来てみて、私が見て感じた世界は聞いていたものと全然違ってて、ジャージを引っ張られたことは一回もないし、もちろん日本人ということで私をバカにする人はたまにいるけど、総じて日本人ってだけでひっそりとしてても目立つし(良い意味で)、好感を持ってくれるし。でも、そこに「日本人なのに、日本人だけど、すごい。」とかそういう評価は全くなくて、純粋に順位か走り以外では評価されないです。ビッグレースにセレクションされただけでは、頑張れよ!って言われるだけで、そこで走れれば、すげえな!ってなるけど、まあまあな順位だとNot Bad くらいです。全然走れないと、こいつ全然走れないやつだなって思われます。

というのも、日本のメディアで書かれていること、日本のレース中継で話されていること(あんまり見ないし聞かないので、あくまで主観ですが、違ったらすいません🙇🏻‍♀️)というのは、純粋なヨーロッパのレースシーンの話ではなくて、日本人選手が「頑張ってる!」っていう主観を通しての情報であって、実際に中で起こっていることはわかりにくいし、それでもそれしか情報はないので、それで日本から見るヨーロッパが出来上がってしまうことに、なんだか私はすごい違和感を感じるのです。それがリアルなんだったらいいんですけどね。

これは別に批判しているのではなくて、それが良い悪いと評価したいのではなくて、画面から(特にSNS)の情報が全てだと思わないで、斜に構えて読んだり見たりするくらいがちょうどいいと思うんですよね。だって、やっぱり誰かが発信しないと、誰も知らないで終わっちゃいますし。でもやっぱり、なんかちょっと違うんですよね。だから、私が自分の発信ツールで、発信し続ける理由がそこ、なんですけどね。

ただやっぱり、こうやって言葉を選んで、ニュアンスに気をつけて書かないと、本当に心の中で思ってること、考えてることを言葉にすると、ちょっとというかかなりトゲがあるだろうし、いわゆる叩かれたりするだろうし、私だって批判的なことを言われたくないし。でかい口叩く割には、チキンハートだったりするので🐣🐣 だからパワーを使うんです🤦🏻‍♀️
SNSしかり、Noteだって、誰が見て、誰が読んでるかわからないし、しかも文字だけで100%伝わるなんて、100%無理なんですけど、読んでる側は、それを真に受け取ってしまう方も多いですし、そういう意見もあるんだなあ。くらいの気持ちで読んでもらえるだけでいいんですけど、正義感を振りかざされたりすることもあって。まあ、それを恐れてたら、本当のことを言いにくくなるのも事実で。

そんな私にひきかえ、コーチのSNSなんか、自分の思ったことだけを何も考えずに書くし、他人のことやいろんなことをディスったり、私のことを勝手にポストしたりしてますけど、すごいなあ。と尊敬半分、人としてどうなの?って思うこと半分(まあそう思う時点で私も私の正義感をふりかざしてるんですけど)、私のことを書くのは辞めてくれよーと思いますけど、別に彼は彼の世界で良きと思って、ぶつぶつ書いてるだけで、それにいちいち腹を立てたり、正義感を振りかざして反応したりすること自体、時間の無駄ですし、限りある頭のなかのスペックを奪われるだけです。ポジティブなこと以外は、反応しない方がベストなんですよね。そもそも見なければ良いだけ、見なければそもそも知り得ない情報を自分で取りに行って、いちいち腹を立てたり、いろんな感情(特にネガティブな)を持ってしまうんですよね🙈 臭いものには蓋すればいいってわかってても、怖いもの見たさっていうか、見ちゃう中毒性がSNSにはありますよね👻

これは日本語で100%のニュアンスで、書いて、反応できるからこうなるだけであって、これがもし意味はわかっても100%のニュアンスが分からなければそもそも反応しないし、できないわけで。(※当社比) これは、私がSNSを英語で書くことが多い理由の一つです。
特に日本語で書くと、日本人の方はSNS=人格だと思われてしまう傾向があるので、それは私が自分自身のストレスを減らす意味でも、自分も100%使いこなせないけど、言いたいことは伝わるし、誰でもわかるような英語で書くようにしています。あともう一つの理由は、チームメイトやこっちで応援してくれる人たちは、日本語で書いてるとわからない=読んでもらえない=私のこともわかってもらえないので。
実際、FDJにいた頃に、私が日本語で書いたレースレポートを英訳して、チームのマネージャーに「エリはこんなこと日本語で書いてるぞ、チームメイトの悪口を書いてるぞ。」とわざわざ、SNS警察の誰かさんに通報されて、チームマネージャーとチームメイトに問い詰められたこともあります。(ああこれは、嫌な思い出です🤦🏻‍♀️)

SNSなんてただの画面だけの情報で、いろんなことを知った気になったり、相手をわかった気になったり、画面上で批判したり、批判されたり、いろんなことを発言したり、誰かの発言に傷ついたり、気になってウォッチしたり、されたり。

ツラツラと書いてきましたが、何を言いたかったかというと。
ヨーロッパで私がレースしてること、そこで感じてることや、そこで戦ってることを、もっともっと伝えたいし、伝えてもらいたいんですよね。ストレスなく。リアルな真実を。だから私はコツコツと、ツイッター、FB、インスタを更新するし、自分の生の声で、事実だけを脚色なく等身大で伝えることを続けてます。(それも結構なパワーを使うし、フォロワーも少ないし、たまに意味あるのか、おい。って自分にもツッコミますけど)続けないと、何も始まらないし、何も伝わらないし。
その点、やっぱりレースのライブ中継というのは、何も話さないでも純粋にレースと走りだけをみてもらえるので、着実に日本からもライブで観れるレースが増えている男子は、本当に羨ましいのです。男子と同日に時間差で、同じコースをレースしていても、女子は一切の情報もなく、レースすらなかったかのような感じなことには、正直、最近の私のフラストレーションです。悔しいんですよね。
でも男子レースを実況される方によっては、映像は残念ながらなくとも、女子レースの情報も伝えて頂けることもあって、非常に嬉しいです🙆🏻‍♀️
まあ、誰かに見てもらうために走ってるわけではないですが、レースは見られてなんぼのところもありますし。


ヨーロッパでは、年を追うごとに(私がヨーロッパに来て、この3年) 着実に女子のレース中継は増えてますし、それはつまり女子のレースの価値が上がってきてるということです。そして、何よりこの3年で、女子のレースレベルは、毎年毎年上がっています。これを私がいくら言葉で言ったところで、誰にもわからないし、(だって女子のワールドツアーのプロトンに今いる日本人は私だけだし)、本当か嘘かもわからないし、ピンとも来ないでしょう。だから、純粋に、レースを、走りを観てほしいんです。日本で中継してほしいんです。
いくら言葉や写真で伝えようとしても、写真の一部分を切り抜いても、やっぱりライブで伝わる以上のモノは伝わらないのです。せっかく日本から応援してくれてる皆さんがいるのに、残念で仕方がないのです。
女子レースがコンテンツとして、日本のメディアに価値を認められていないということなのでしょうが、男子と同じ扱いをしてもらいたいだけなのです。前回noteに書いたオリンピック選考の話を含めて、非常に悲しいのです。

少し前過ぎて明確には覚えてないですが、以前に私がボソッと何かツイートしたら、「女子は、ワールドツアーで優勝しない限り、取り上げてもらえないですよ。」ってコメントされたことがあって、残念に感じたと同時に、本当にそう思ってる人がいらっしゃるんだなあ。そして、「女子は」って、それを書かれてしまうんだなあ。と、諦めを覚えたのを思い出しました。そんなに男子はすごいのか🤔 そんなに男子は価値があるのか🤔と。
私からすると、同じ競技で、同じバイクを使って、同じ道を使って、距離が違うだけで、
やってることも、かける時間も、かかるマンパワーも、情熱も、何も変わらないと思うんですけどね。ちなみに、距離は短いですが、男子レースの序盤の逃げを行かせて、捕まえるまでの部分がないだけで、(つまり女子レースは、男子レースの中盤くらいの展開から、よーいどん!って始まる感じ)、ずっと伸びたり縮んだりを繰り返したり、逃げが出来ては吸収して、またアタック、という風に、レース展開が止まらないですからね。まあ、それも書いただけでは伝わらないんですけどね。(しつこいwww🙈)

とはいえ、私がいくらそこにフラストレーションを溜めたところで何も変わらないし、レースを観るのは観る側の人で、私は走る側の選手なので、とりあえずまず日本で観てもらえるように、ヨーロッパで一勝するしかないのです。卵が先か鶏が先か、って話になるんですけど、いくら男子を羨んだところで何も変わらないし、黙ってトレーニングして、良い日常を送って、良いレースして、っていう単純作業を繰り返す以外、近道はないんですよね。あとは、純粋に、私は走れない自分が、かっこ悪くて(自分で自分に。)、いつまでも走れなかった時の去年の自分が頭に残ってるので、もうそこに戻りたくないっていう気持ちで、今は前に進んでいます。いつか、日本からもライブで女子のワールドツアーが観てもらえるようになった時のために、前で前で走り続けますよ🤘🏻

そして、簡単に日本から観ることができない女子レースを、わざわざサイトやストリーミングで探して、見てくださって、応援してくださっている皆さんには、本当に感謝ですし、私の方がパワーと特にモチベーションをもらえます💪🏻 いつも本当にありがとうございます🙌🏻🙌🏻

さてと。そんなわけで、今週と来週は、フランダースクラシックのGentとRonde です🇧🇪🇧🇪
そうあの、ゲントとフランドルです!(「あの」っていうのは、よくわからないけど、なんとなく言ってみただけです🙈)
ゲントの上りと上りのつなぎの細い道は、Plugstreetって言って、車一台分ギリギリの細い道でクネクネしていて、一列棒状必須です😅 なんとかサバイブして、まずは生き残って、最後までレースしようと思います🤘🏻

先週のイタリアのレースは、なんだかあんまり良くなかったですけど、たぶん今週は大丈夫な感じですので、クラッシュはしないように🤘🏻🤘🏻

日本で女子も中継してくれると嬉しいです!Daznさん、J sportsさん!!(と、最後にひっそりと推しておきます🙊)

#今日のエリさん #今日のエリnote

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