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未来のレストランはメディアになる

7月4日(木)に、東京・青山のThe Burn でポップアップ編集部「MAGARI」をスタートさせました。

レストランは、食事をするだけでなくて、食を通じた出会いの場だったり、情報交換の場だったり。もっと言えば、レストランでトレーニングをしたっていい、本を買ってもいい。そこに毎日通いたくなるような場になったらな、って思っています。人間が生きるには食は絶対に必要なんだから、すべてのコンテンツを、食に結びけることはできるはず。

実際、レストランと雑貨屋さん、レストランと花屋さんみたいのはすでにあるし、スタバのノマドワーカーなんてかなりイメージに近い。生活の中に飲食店が、境界線なくしのびこんでいるのを見ると、こういうのいいなぁって思います。

料理人は「人を幸せにできる」仕事だ

料理人付き編集者として、The Burnの米澤文雄さんといろいろと話を始めました。

料理王国でも何度も取材して、もちろんシェフのSNSの発信とかも見ているなかで、既存のシェフ像をガンガンアップデートしていて、シェフの可能性、”シェフの成功”の新しいロールモデルを作っていっている人だなって、僕自身が影響を受けていたシェフだったので、僕の料理人付き編集者のツイートに反応してくれたのは、かなりうれしかったです。


まだ話し始めたばかりなんですが、まずは米澤さんのこと、The Burnのこと知りたいなと思って、それなら、まずは一緒にいるのが一番でしょ、ってことで、お店の一角を間借りして、そこで一緒に仕事をしてみよう、というのが「レストラン×編集室」という実験室「MAGARI」の始まりです

僕は、キッチンやサービスに入るのではなく、店の中で普通に原稿書いたり、メールしたり、仕事をしています。週1回くらいMAGARIを開いて、そこで一緒に仕事をしながら、話したこととか、僕自身が感じたこととかを、「週刊 米澤文雄」みたいにして、noteに書いていって発信していってみようかと思います。

次回のMAGARIは7/11(木)10時~19時 The Burn です!

キッチン外でも、シェフはカッコよくなくちゃ

米澤さんは、「料理人=レストランのシェフ」を軽々超えて、さまざまな取り組みをしています。

・The Burn のシェフ

・ドナルド・マクドナルドハウスでのボランティア

・ミール・de・スマイリングという缶詰プロジェクト

・専門学校の非常勤講師

・The Good Vibesのプロデュース

・シェフとしては初のヴィーガン本の出版(2019年秋)

キッチンを飛び出しながら、それでも「料理人ってかっこいいな」と思えるようなことをいくつもやっていて(それに、二児の父)。これに対して、プラットホームを作って、全方位的に発信していくことをやっていければ、これから何かを目指そうとしている若い料理人のヒントになるんじゃないかと。

米澤さんとは、やっぱり「料理人って、たくさんの幸せを作ることができる」ってことを、伝えたいよね、って話しているので、そんな未来を作れるようなヴィジョンみたいのをきちんと届けられるようにしたいな、と思っています。

料理人のかっこいい生き方

初回のMAGARIでは、半日くらいの短い時間でしたが、The Burn って改めて面白いレストランだなと思いました。

米澤さんのその日は、午前中打ち合わせがあって、11時30分にレストラン入り。そこから、ランチ営業をして、アイドルタイム(昼と夜営業の間)に3本の打ち合わせと取材(うち1本は撮影あり)。夕方は、僕やこの日MAGARIでミーティングのためにきてもらったCHEESE STANDの藤川さんと雑談しながら、夜営業の準備と、ほとんど休みなし。

「今日は予定を詰め込みましたよ」と笑っていっていますが、普通、ここまで詰め込みますか? それだけ、各方面から注目をされているってことなんですよね。

それで、この日一番カッコよかったのは、17時ころに夜営業のミーティングを終えて、「今日は、自分の誕生日なので、家族4人で浅草で焼き肉を食べにいくんですよ」って、The Burn スタッフからのバースデーケーキとバースデーソングで見送られながら笑顔で店を出ていったことです。

仕事とプライベート、真剣に軽やかにカッコよく行き来する米澤さんの姿は、どんなインタビューよりも、若い料理人や、シェフを目指そうとしている人、もっというと、何か熱中することを見つけられないと悩む誰かにとっても、刺激があるんじゃないかと思いました。

レストランは最先端の食メディア

シェフがいなくてもしっかり店を回せるスタッフは、日本、スリランカ、アメリカ、フランスと多国籍なチーム。店内には、サービスをサポートするロボットも店内を動き回っている。saltグループとして、スタッフへのサポートも充実していて、レストランなのに週休2日だったり、ボーナスありだったり。多くのシェフが「飲食業の働き方」に悩む中で、一つの提案がしっかりなされている。

料理に目を向ければ、北米、欧州、アフリカ、アジア、南米といったグローバルなエッセンスがちりばめられ、世界が交差するビジネスタウンの青山らしい、コスモポリタン的な料理が出される。

あがの姫牛の熟成肉も旨いし、野菜料理も新たな発見がある。その食材を作っている人も気になる。

The Burn のTシャツエプロンだってかっこいいし。そこで働く若いスタッフの夢も聞いてみたい。お店の常連さん(食に興味があって、きちんとした料理を食べたいと思っているから)がどんな思いで店に来ているのかも興味がある。

店内のBGMだって、自分たちでプレイリスト作って流しているくらいだから、音楽だってテーマになる。僕が、選書をして、MAGARI libraryをやっても面白いかもしれない。

そう考えると、雑誌やテレビのような既存のメディアが発信する情報よりも、よっぽどThe Burnに来て、そこで実際にレストランを体験して、食材のことや調理のこと、そこでの取り組みや、食を通じた社会との関り方を実際に聞いた方が、いい体験が得られるんじゃないかと思う。

これが「レストランは、食の最先端メディアになりえる」。そう、僕が考える理由だ。

料理人の生き方、ライフスタイルそのものが「かっこいい」と思ってもらえるとが、人材不足といわれる料理界で、一番必要なことだと思っています。レストランから発信される情報が、ファッション誌やカルチャー誌にひけをとらないものであれば、新しいメディアとして、十分存在できるし、料理人の可能性を広げられるのではないか、と思っています。



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江六前一郎:ichiro erokumae

料理人付き編集者として、レストランの内側から社会との接点を広げて行く。noteはそのためのメディアとして活用します。レストランで働くポップアップ編集室「MAGARI」やU-30限定勉強会「Easy going」を企画。本業では、アート書籍・雑誌を編集・執筆も。元料理王国副編集長。

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