「ディレクター」とは何者か


私はディレクターだ。


オーナーじゃないし、社長じゃない。
店長でもなければ、デザイナーでもない。

よく知らない人からは、よく間違えられる。
最初は違う!違う!と一生懸命に否定していたけど、それも疲れてしまうほどには間違えられてきた。

人々からしたらそんなことはきっと、割とどうでも良いことなのだろう、と思う。でも私にとっては、私たちにとっては、とても重要なことだ。


私はディレクターだ。
ブランドの代表であり、統括であり、リーダーだ。

でも、フォトグラファーもするし、プレスもするし、バイヤーもする。ライターと言われればそうだし、ヘアメイクもスタイリストもやれる。デザインにも関わるから、デザイナーでもあるのかもしれない。


でも、私はディレクターだ。

私たちには、社長がいて、事業部長がいる。
店長がいて、副店長がいて、販売スタッフだっている。

それらを担うのは私じゃない人間だ。

デザイナーがいて、それも私じゃない人間だし、バイヤーは私の他に数人いる。アイテムのリースをすることがプレスの仕事だという定義があるなら、うちは全員できるから全員プレスだ。

WEB STORE専任の人だっているし、その人とはまた別にバナーなどを制作してくれる人もいる。買い付けた古着を検品する人もいるし、メンテナンスやクリーニングをするプロフェッショナルもいて、そのための専用工場もある。フォトグラファーだって他の人がやることもある。

ヘアメイクもスタイリストもモデルも私じゃない。教育や指示だって、私よりしてくれる(できる)立場の人がいる。


こうしてみると私はチームの中で一番何者でもない。
何ひとつ取っても私だけのものであることなんか無い。

でも、それでも、ディレクターだ。


では、「ディレクター」とは何か?

大層な名前のついたそれは一体何者なのだろうか。

ディレクターとは、
大切にしたいことを大切にする人」だ。


それぞれの環境によって色々と違いはあると思うけれど、私はこう思う。

だから私はフォトグラファーもするし、プレスもするし、バイヤーもする。
ライターと言われればそうだし、ヘアメイクもスタイリストもできる。デザインに関わる人がデザイナーと呼ばれるなら、それもやる。
私はそう考えてこの立場をやっている。

何の権威も能力もない私についたこの肩書きは、私の大切なことを大切にするためにつけられた。社長が私にくれたお守りであり、おまじないであり、合言葉のようなものでもある。

私よりも能力のある人たちをまとめる立場というのは、私などという人間には重たすぎるので、私はまとめようとしたことがない。正確に言えば、そうしたことはあるけれど、きちんとできたことがない。


“大切にしたいことを大切にしたい。
だから、そうするから、そうさせて。”

そのことをチームに関わってくれるみんなが了承してくれていて、頭と心と時間を貸してくれている。だから、私がまとめようとしなくても結果としてまとめてくれる人がいて、まとまってくれる人がいる。


要するに、
大切にしたいことを思う、
大切にしたいことについて考える、
大切にしたいことを一番大切にする、
そのことに、名前がついている。

それが私の職業、「ディレクター」だ。


やはり、私はディレクターだ。


オーナーじゃないし、社長じゃない。
店長でもなければ、デザイナーでもない。

よく知らない人からは、よく間違えられる。
最初は違う!違う!と一生懸命に否定していたけど、それも疲れてしまうほどには間違えられてきた。

人々からしたらそんなことはきっと、割とどうでも良いことなのだろう、と思う。

でも私にとっては、
私たちにとっては、
とても重要なことだ。


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赤澤える

文章で服をつくり、赤色とボブとワンピースで生きています。

服と服屋のこと

服のこと、服屋としての自分のこと、全力で向き合う日々。私の思いや考えを書きます。
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コメント1件

大切にしたいものを大切にするって、当たり前のようなことが、なかなかできないまま進んでいくことって本当にあるよね!それを全うしていくことが価値だと思う。本当に素敵。えるちゃんすきだなぁ。
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