技術同人誌を書こう!

今年の秋、10/8開催予定の技術書典5が7/19まで申し込み受付中です。

技術書典というのは最近盛り上がっている技術同人誌のイベントです。出版不況が特に顕著な現代ですが、例外的に、技術同人誌だけは盛り上がりがものすごいのです。

本noteは、是非とも技術同人誌を書きましょう、という趣旨の記事になっています。

お奨めする理由としては、技術書を書くことで自分が得るものがとても大きいということ、技術書を書けば世界が広がるということの2点になります。

もしかしたらnoteやboothなどを絡めてマネタイズができて、副業がわりになるかもしれません。(時給換算すると割に合わない可能性が高い点にはご注意を…)

技術同人誌

同人誌というと、えっちな本とかそういう印象を持っている人もいるかもしれませんが、それはあくまで特定のジャンルです。

同人誌は元々、文学界隈で同好の士が作品を発表するというのが由来で、明治時代から存在する由緒正しいものです。

技術同人誌は、技術好きな人たちが自分の好きな技術について好き勝手に本にまとめ上げてできあがる本です。冒頭で述べたように技術書典はとても大きな盛り上がりを見せていて、毎回規模が拡大しつづけています。

技術書が成功しづらい時代なのにどうしてここまで盛り上がるのか?理由の1つとしては、としてはウェブ上の情報が汚染されすぎてしまい、技術情報をGoogle検索で探し出すのがかなり大変になってしまったことが挙げられます。インターネット全盛の時代だというのに皮肉な話です。

また体系だって説明するはずの技術書がそもそも出ない、あるいはほとんどの本は、出ても旬を過ぎているなどの問題があります。(一部の本は時代の変化の影響を受けません。そういった本は、商業化に向いている本と言えるでしょう。ただし全体で見たときそういった本は比率としては低めです。)

技術同人誌はそこらへんをうまく付いています。体系だった情報を渇望している人たちに刺さるからこそ、技術書典が規模拡大し、さらに様々なエンジニアが興味を持ち始めているのです。

得るものが多い

皆さんは技術ブログを書いていらっしゃいますか?技術ブログを書く場合、内容に関してひたすら調べたり、実験したり、あるいは自分の中にある知識や経験をまとめ挙げて、それらをブラッシュアップした結果が記事になっているはずです。

じつはこの過程はとても重要な物です。試験前に友達に教えていたら、実は自分にとって勉強になっていた現象と同じです。人に読んでもらう為には、知識や経験を、ちゃんと読める言葉にする必要があります。この過程をやっているとそうじゃない人では大きな違いがあります。

さらに本という形であれば、ブログ以上にしっかり書く必要があります。お金を取る文章だからというのもありますが、ブログは単発のトピックで大丈夫ですが、本という形でまとめるなら構成力が必須になります。

読者はどういう順番で文章を読んでいけば理解できるのか?曖昧なまま理解していたことも、ブログ以上にしっかり調べて、咀嚼して、言葉や図に書き出す必要があります。

誰かと一緒に合同誌、つまり何人かでランダムにトピックを選んで本を書くのもいいですが、それだとブログと同じような経験しか積めません。

お奨めは、20ページや40ページくらいでもいいから、個人で単著の本を書くことです。さきほど言ったような構成力が必須だからです。

筆者の個人的な感覚としては有名な商業系雑誌とかに単発の記事を書くだけの人よりは、40ページくらいでもちゃんと1人で本を書き上げる人の方が、本を書く能力としては遙かに上だと感じます。

また、同人誌では好きなものを書けます。自分の中の好きなモノ、欲求、ルサンチマンなんでもいいから本にたたきつけましょう。心の叫ぶままに、欲望の赴くままにキーボードを叩けばいいのです。

技術書典最高

技術書典は、同人技術書専門の同人イベントです。過去に開催された技術書典1〜技術書典4は本当に良い、最高のイベントでした。

技術書を求める界隈は、本当に良い本にはお金を出す性質があります。技術書典ではかなり財布のひもが緩む話を聞きます。数万円分の本を買う人も決して珍しくはありません。

他の同人ジャンルとは異なり、技術書典に来る人はよほどのことが無ければ、明確に技術書を買いに来たひとなのです。そのため、本を書いて出す側の人たち、よくサークル、サークル主と呼ばれる人たちにとっては需要予測をしやすいのです。

またコミケのように人も多く、参加するためには体力が必要なイベントとは違います。

技術書典4では会場のキャパシティが限界に達してしまい、サークル参加倍率も大変なことになっていました。同人イベントでは申し込んだサークルが全員参加できるとは限りません。また、会場も狭いために混雑も多かったですし、数百冊刷った本が午前だけで完売という光景も珍しくありませんでした。

今回の技術書典5では池袋サンシャインシティ2F 展示ホールD(文化会館ビル2F)に移転することで、床面積比で3.3倍というとても広い会場になって、サークル参加倍率が大幅に改善が期待できて、ゆったりした会場設計が可能なため、過去の技術書典よりは遙かに快適になると期待できます。

どうやって本を作るのか?

とてもいいイベントである技術書典に申し込むとして、実際にどうやれば本を作れるのか?という点で困ってしまう人もいるでしょう。

そこで、技術同人誌を書こう! アウトプットのススメという本をお奨めします。理由としては、技術書典に何回か参加している人たちが、自分たちの踏み抜いた地雷や迷ったこと困ったことについて、惜しげ無く徹底的に知見を書き尽くした本だからです。

どうやって作成するのか?印刷ってそもそも何?本のサイズ?設営準備って何?同人イベントってどうやって参加するの?当日何をすればいいの?ネタだし方法は?そういった疑問に答えられる本です。

早いうちにすべきこととしては「まずはフローを全部体験してみる」です。データを用意して印刷するところまでです。内容は最低限でもかまいません。数ページないし16ページくらいのものを実際に印刷してみましょう。

何故かというと、出版や印刷の経験が無い人が同人誌を出そうとすると、「これでもか!」というくらいにトラブルに見舞われるからです。

「Re:Viewでカスタマイズした奥付どうやって出すの!?」「なんかTeXでエラー出まくるんですけど!」「印刷所に送るPDFってフォント埋め込み必須ってマジか?」「4の倍数ページ」「表紙・裏表紙はわかるけど背表紙って何よ!しかも紙の厚さとページ数からmm単位で考えてピクセル数を指定しないとあかんの!?」とか。

もちろん、さきほど推奨した本にはそこらへんの説明が一通り書いてますが、知識として得ることと、実際にやってみることでは違いがあるかもしれません。通しでオペレーションを行うということを一度でも体験すれば心に余裕ができます。

印刷所で出すのはさすがにという人は、キンコーズでコピー本を作ってみましょう。

ちなみに表紙絵とか誰かに発注するなら、思いっきり早め(今のうち)にお願いをしておきましょう。僕が教えてもらった手としてはCrowdWorksで発注です。

まとめ

まずは技術書典5に申し込みましょう。話はそれからです。

ブログを書いて経験値を積んでおくと、かなり楽になります。

余裕のあるうちに本を印刷するところまでやってみましょう。気持ちに余裕が出ます。

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