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狂った恋愛遍歴④ 〜都合よく扱う人と都合よく扱われる人【後編】〜

前回のお話はこちら

彼を振り向かせたくて

私は彼に対して、勝手に妄想してました。

恋は盲目と言いますが

まさにその通りになってしまいました。


『絶対いい人!この出会いは大事にしなくては…』


その思いは、日に日に強くなるばかり…

連絡先は聞いているから

電話しようと思えば出来たのです。


しかし、当時はポケベルしか持っておらず

電話する時は近所の公衆電話に

テレホンカードを握りしめて

ダッシュしていました。


そんなある日のこと…


カラオケに一緒に行っていた

Wさんから声を掛けられました。


W「そう言えば、Bさんの誕生日知ってる?今週らしいよ!」

私「えっ!?そうなんだ!分かったありがとう!!」


それを聞いた私は『このイベントを逃してはならない!』と

プレゼントを何にしようかと考えだすのです。


『Bさんは営業の仕事してるって言ってたし…』

そんな事をフワフワと考えながら

プレゼントを買いに行くのでした。


毎日のようにネクタイをして

仕事をしているだろうから…と

想像しながら用意したのは

”ネクタイピン”でした。


『彼を振り向かせたい』という一心で…。

Bさんを思い出すだけで

胸がキュンキュンしていました。


そんな私は、脳内お花畑状態でした。

その人の事をちゃんと知りもしないで

追いかけ回すのです。

あなたの都合に合わせます

『喜んでくれるかなぁ〜』と

Bさんに対する思いは募るばかり…。


Bさんと会えるのは、仕事が落ち着いた時と

聞いていたので、ポケベルに連絡が来るまで

ひたすら待ちました。


『どれだけ待ってもいいから、あなたの都合に合わせます』


そんな思いを毎日毎日抱えて

しんどい時もありましたが

それすら楽しんでしまうという

超ドMな生活を送っていました。


「プルルル…♪」

ある日の夜、ポケベルが鳴り響きました。


私は、すぐに電話を掛けに行くのです。


私「もしもし、Bさん。お仕事おつかれさま。」

B「りくゆとちゃん、ごめんねぇ〜
  なかなか連絡できなくて。
  今度の土曜、夕方から時間空くけど
  近くまで行こうか?」


『えっ??近くまで会いに来てくれる…?
 なんて優しい人なんだ!!』


それだけで私は舞い上がるのです。

私「いいんですか?じゃあ…
       土曜の夕方空けておきます!」


【現在の私の声】
よく考えろ私!!
その人は本当に信用できるのか?
その人に付き合ってる人はいないのか?
ちゃんと聞いた事はあるのか?
そんな事じゃ、自分が傷つくぞ!


当時の私には、あまりにも隙がありすぎて

誰彼構わず自分に優しくしてくれる人は

いい人だという思い込み…。


Bさんのことを全く疑わず

とにかく振り向かせることだけに

全力を注いでいくのでした。

お花畑から目が覚めない私

Bさんと会う事になっていた当日…


「近くに着いたらベル鳴らすから出てきてね!」と言われていたので、ただひたすら…待つ…。


「プルルル…」


『Bさんが近くに来た!』

私は、準備していたプレゼントの袋を

抱えて家を飛び出しました。


すると、近くに1台の車が停まっていました。

車内からBさんがこちらに手招きしている…!!


私「おつかれさまです!」

B「遅くなってごめんね。とりあえず乗って!」


何の疑いもする事なく

Bさんの車に乗ってしまいました。

私はすぐさま、誕生日プレゼントを渡しました。


私「お誕生日おめでとうございます!」

B「あぁ〜わざわざ準備してくれたん?
  ありがとう。」


Bさんは私の頭をポンポンと撫でて

笑顔で返してくれました。

この瞬間、私は脳内お花畑で

ルンルンした状態になってしまいました。


その後は近くをドライブしつつ

とても幸せを噛み締めていたのですが

すでにBさんのペースに巻き込まれていた事に

全く気づきもしませんでした。


Bさんと出会ってまだ半年も経っていない…

自分の話ばかり聞かれて

Bさんの話はしてくれない…

それでも、私は好きという気持ちが

抑えられなかったのです。


ちょうどこの時期は、自分を見失っていた補導された頃でした。


心が不安定な状態のなか

優しく接してくれていたBさん。

B「この脚のヤケド…痛いでしょ…大丈夫?」

足を撫でられ、優しいと感じた言葉に

私は流され関係を持ってしまいました。


それでも、後悔はしませんでした。

本当に好きだったから

一緒にいるだけでもありがたかったのです。


それからは、Bさんの空いている時に

連絡が来ては、話したりちょっとの

時間だけ会ったりしていました。

共通の知人がいたことを知る

いつしかお互いに会うタイミングが合わず

縁遠くなっていきました。


会いたいなと思うと同時に

迷惑って思われたくなかったので

とにかく我慢…我慢…という日々を

過ごしていくのでした。


それから年月が経ち…


Bさんと連絡を取ることすらなくなっていました。

そして、思いがけない人から

Bさんの近況を聞く事になるのです。


私とBさんの共通の知人となる女性Kさん。


Kさんは、美容関係のお仕事をしていました。

私はたまにKさん宅におじゃまして

仲良くさせてもらっていました。


そんなある日、Kさんの口から

ある人の名前が出てきました。


Bさんの名前…。


KさんはBさんと同級生で

学生当時から遊び人だったと聞きました。


K「りくゆとちゃん、Bの事知ってるん?
  気をつけとかな痛い目見るよ。
  あの人、たしか長く付き合ってる
  彼女がいるからね。」


『あぁ…何で私に近づく人って
 こういう感じなんだろう…』


Bさんにとって

私は遊びの対象だったという事。

会いたい時に会ってくれる都合の良い人。

抵抗なんてしない

欲でも何でも望みを叶えてくれる人。


『あぁ…私は自分のことが本当に嫌になる。』


自暴自棄になっていく私は壊れました。

恋愛というものの仕方も下手でセンスがない。

何を信じて人を見ればいいのか分からない。

お花畑状態から抜け出す方法すら

分からなくなりました。


『人の事を好きになっても
 またいいように使われるのだろう。
 もうどうにでもなれ。自分の価値なんて
 既に無いようなもんだ。』


そんなひねくれた考えが根強くなって

その後の恋愛が闇に落ちていくのでした。

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