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美が嫌い

わたしはこれまでずっと「美しい」ものが嫌いやった。

同じ感じで「かわいい」も嫌悪して、
自分に生まれつき備わっていないものやって毛嫌いしてた。

いやいや、なんの判断基準やねん、
もうそういうので人を測るのは勘弁してくれ、

だいたいこの顔にしてくださいってお願いして
生まれてきたわけちゃうのに、なんで私ばっかり
こんな仕打ちにあわなあかんねんって思ってたーほんま毎日。

でもそんなこと言ったら、愛情深く産んで育ててくれた両親に悪いし
(母似やって言われて育ったからお母さんに特に悪いし)、

でもそんなこと言ったら、あんたのことなんて、
別に誰もそこまで見てるわけちゃうしどうでもいいんちゃうって
友達に思われるやろうしさ、

自己卑下して自虐的になる以外、声にできひんかってんな。

それで心の中ではずっとずっと
「なんでわたしばっかりこんなんなん…」って呪文のように唱えててん。

かわいいを看板にして生きてる女とかクソみたいやなって
本気で思ってたし、そんなしてしか生きれへんとか恥ずかしくないんかな、かわいそうやわとかなんなら上から目線で見ようとしてたし、

そういうのに気づかんと引っかかる男、ほんまアホちゃうかって思ってた。

(少々言葉遣いごめんなさい)

同級生も同僚も先輩も後輩も、とにかく何かしらきれい、
かわいいで得してると思えそうなやつら、ぐつぐつ全方位で敵視してた。

私は勉強ちょっとできるしいいもん、あんたらが持ってへんもん
めっちゃ持ってるんやもんとか自分を納得させようと試みたけどさ、
上手くいかへんかったよねーーー。

だってわたしのまわりにはかわいいだけしか能がない
バカみたいな女なんていーひんかったんやもん…

かわいいのに気が付く

きれいやのに運動もできて料理もできる

かわいいのに面白い

きれいやのに賢い

なんなん、もうあかんやん。
わたし全然あかんやん。もうなんも勝つとこないやん。

たまに彼氏ができても、「あーこの人、普通にかわいい女の子と
つきあえへんからわたしと付き合ってるんやな」とか思ってて、
すごくすごく心がブスやった。

そんな気持ちでいるから
お客さんに「きみはブサイクやからな」って言われたり、

上司に「お前、そんな笑い方はかわいい子だけがしていいんやぞ」って
言われても、自分が思ってることの答え合わせしてるみたいで、
ほらやっぱりなって思って、愛想笑いしてばっかりやった。

何かあると、あーわたしはかわいくないしやな、

あーわたしはきれいちゃうしやな、といつも自分で自分に言う。

「全然かっこいい彼氏できひん、わたしかわいくないしやな」

「営業成績全然上がらへん、わたし美人ちゃうしやな」

そんなわたしは
こんなんしたらあかん、
こんなん言ったらあかん、
こんなん着たらあかん。

しゃーないわ、わたしきれいでもかわいくもないし。

もう毎日そんな言葉のオンパレード。

かわいい、きれいだけが基準じゃない世界はある。

でもかわいい、きれいを丸無視して生きられる世界はなかった。

だって結局、きれいになりたいし、かわいくなりたいんやもん!

女性として生まれて(男女関係ないけど)、かわいいねって言って
もらいたいし、イチャイチャしたいし、モテたいんやもん。

なんでみんな朝飯前みたいにやってんのに、わたしだけできひんの、
わたしだけやらせてもらえへんのーーー

自分を卑下して見下してみくびって、心の中でわーわー鼻水垂らして
泣いたところで世界はなんも変わらへんかった。

…でもじゃあわたし、どうやって生きていったらいいん??

手探りではあるけどわかったことは、結局めっちゃ嫌やけど、
そこに向き合ってみるしかないんやなっていうこと。

真っ向から光を当てるんはほんま怖すぎるけど、逃げてたらずっと
追いかけられる。

美とかわいいの呪いにずっと追いかけられる。

正面切って向き合うとかしんど過ぎるし、そんなことしなくても
生きていける。

かわいいことやきれいなことに目を向けへんかったらいいし、
インターネットの煽りとか、まわりの男の自分とあっちの女の子への
声色とか目線の違いに気づかへんふりしてなんとか生きていける。

でももうそんなんいやや。

ずっとそうやって見ーひんふりして、
聞こえへんように耳ふさいで、
とにかく汚いものじゃないって証明することのためだけに、服選んだり、
愛想笑いするんも、もういや。

わたしだってきれいでいていいやん。
かわいいでいたっていいやんな?

ほんまに少し、少しからでも自分のベクトルというか見方というか
さじ加減で自分の世界は変えられる。

わたしは全世界の美になれるわけじゃないし、なる必要もない。

自分が本当にやってみたい髪型、化粧、服装、表情、話し方、
行くところ、住むところ。

そんなことからもわたしの世界は変えられる。

だってやっぱり美しいものは好き。

夕日の光
朝陽のにおい
山の緑
海の波
めちゃくちゃ大きな月
キラキラの星あかり

とっても平凡な並びになっちゃったけど、どれもどれも美しい。

そんな美しい自然の一部にわたしたちがなってダメなはずがあるかーい!

わたしたちが生まれてきた地球で自分らしく美しくある。
至極当然のことやって今は思える。

まずは自分を許す。
自分を許して光にするって決めるのだ。

ちょっと抽象的な感じになっちゃったけど、きっとそう。

世界基準なんかはなくて、あっても無視してよくて、
わたしにはわたしだけの心に持った「美しい」がある。

葛藤があって、ぐちゃぐちゃに泣いてもきっと最後はそう決まってる。

だからもうこれいらんーっていう考えはかなぐり捨てて、
そう刻み込んでしまおう。

もちろん忘れることもあるし、そうじゃないって思い込ませようとしてくる圧力がこれでもかって襲いかかってくることもあるけど、

その度にこの冊子を見て、「そうやった、わたしだけの美しさがあるんやった」って思い出してもらいたい。

そうやって決めた時からいつでもピカピカ光って輝き出しちゃう力をわたしたちは持ってるから。

わたしが足に入れたタトゥの代わりにこの冊子がなりますように。



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