新聞を使った実験!

ダブルミーニングは、一つの言葉や仕草に二つの意味がある。

例えば、「端」と「橋」といった同音異義語の捉え違いを使った落語などは昔からある。

このダブルミーニングを上手く使えば、ごく普通の何でもないことを話しながら、そこに別の要求を交ぜていくことができる。

新聞を使った実験がある。

新聞はただ事実を報道した記事でできており、前提では一方に加担することのないフラットな視線で記事を書かれていなければならない。

しかしあえて、新聞のある一面を開き、「下がる、低い、ダウン、破壊、事件、離脱、衝撃、事故」といったマイナスイメージを持つ単語だけをピックアップして、青ペンでマークする。

それを人に見せるとどうだろう。

青で強調された部分が目に飛び込んでしまい、すごく嫌なイメージを与えることになる。

では逆に、同じ一面にオレンジ色の明るいペンで「上昇、好景気、アップ、成立、新発売、人気、成功、進出、トップ」などプラスイメージの単語だけをマークする。

その新聞紙面から受ける印象は、180度変わることになる。

この印象は、実際の新聞記事の内容とは無関係。

その日の一面記事が明るいニュースのものばかりではなく、どちらかというと悪い出来事の記事で埋め尽くされていたとしても、プラスイメージの単語をマークした場合、目はパッとそれを拾うわけなので、受ける印象が明るくなる。

このように、マーキングの技法を使う際は、実際に話す内容を埋め込みたいイメージが必ずしも合致している必要はない。

まるで違うことを話しているとしても、マーカーした新聞紙面のようなダブルミーニングをうまく仕込むことが出来れば、それが潜在的な暗示となり、相手の無意識に働き掛けることができるのである。

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