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就業規則解説集の活用法■□下田コラム□■vol.84

皆さんは、就業規則にどんなイメージを持っているだろうか?

多くの方は法律のような堅苦しいもの、ルールが羅列しているつまらないものというイメージではないだろうか。

そのイメージは間違っていない。

さらに法律的なことを言えば、就業規則は労働基準法に作成することが定められており、中身も決められている。
厚生労働省が雛形も出しているので、その内容につられてしまっているのも現実だと思う。
役所が出すものは、やはり法律のような文章で堅苦しい。

しかし原点に立てば就業規則とは、会社で働くためのルールを定めたものだ。

それ以上でもそれ以下でもない。

目的は、会社の秩序を維持して皆が前向きにその場に集うことができ、結果、会社の生産性向上に寄与することだ。

どうすればその目的に一番近道なのかを考えれば、もっと創造的でもっと芸術的であってもいいはずだ。
わかりやすい言葉で書くのはもちろん、図解などがあってもいい。
法律上、文書の作成は必要だが文書と同時に動画で説明しても良いはずだ。
いろんな方法があっていいのだ。

そんな中で私がおすすめしているのは、就業規則の解説集を作ることだ。
就業規則自体は、ルールであるから読みようによって複数の解釈ができるようではまずい。
前に書いていたことと矛盾するようだが、誤解なきように書くと堅苦しいものになってしまうのは致し方ないところもある。
そのため、堅苦しい就業規則を補完する意味で解説集を作成するのだ。
具体的には、わかりにくい内容を図解入りで解説したり、ルールの意図やそこにある経営者の想いなどを伝えていく。

例えば、ある会社ではちょっと変わった「ペットが死んでしまった時の休暇」がある。
就業規則上では「ペットが死亡した時は2日間の休み」などと書いてあるだけだ。
しかし、ここには経営者の想いがあるのだ。
それは、ペットも長く一緒にいれば家族の一員。失った時の喪失感は身内が亡くなった時と同じだ。場合によっては、疎遠になってしまった家族の死よりも喪失感が大きいかもしれない。
ペットを亡くした時も心を癒す時間をしっかりとって欲しい。
心を休めてから職場に復帰して欲しい。そんな想いがあるのだ。
それを解説集に書いていく。

単に就業規則にルールがあるのと、このように経営者の想いが伝わっているのとでは、休暇の意味が違ってこないだろうか。
意図や想いを伝えることで、就業規則というルールの羅列に温かさを感じられるようになる。
些細な積み重ねが、良好な労使の関係を作っていくのだ。

さらにある会社では、新入社員に解説集を手渡し読んでもらっている。
特に気になった場所や印象に残った場所に線を引いてもらう。
そうすることで、より深く会社の価値観や考えを理解してもらえるのだ。

単なる就業規則、単なる就業規則解説集でも活用方法を考えるとできることがいろいろある。

皆さんの会社も解説集を作成してみてはいかがだろうか。



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