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大人の社会見学その① 玉川堂

燕三条

という地名は聞いたことがあったものの、実際に訪れるのは今回が初めてのこと。

新潟でライターをしている円香さんのアテンドに導かれるままに訪れた街で、ものづくりについて学んだ1日だった。

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大人の社会見学①玉川堂

銅板をひたすらに叩いて急須や様々な器をつくりだす工芸を、鎚起銅器(ついきどうき)という。それを代々受け継いでいる、創業202年の玉川堂(ぎょくせんどう)さん。

テレビで見たことがあるのだけれど、ただ叩けばいいってもんではなくて、力加減や打つリズム、打つ場所、全部が熟練の技。

真っ平らな銅板から、こんなのや↓

こんなのや、

こんなのも。

魔法のよう。

銅は熱伝導がものすごくよいので、冷たい飲み物を注ぐとあっという間にグラスもひんやりと汗をかく。


今は効率化と価格をおさえて購入しやすくするために機械も導入しているそうだけれど、それはあくまで成形の部分で。色を出したり模様をつけたりするのは、職人さんの腕の見せ所。1人前にひと通り習得するのに、15年かかるそうだ。

ちなみに最近、職人の高齢化が進んでいるとか、後継者がいないといった話もよく聞くけれど、ここは毎年新卒の応募が多く、玉川堂の職人さんの平均年齢は36歳ぐらいだそう。想像したよりもずっと若い。

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できあがったものは、ため息が出るくらいに美しくて。"よいもの"と呼ばれるだけの理由があるんだなあとしみじみ思う。

値は張るけれど、それでもやはり、それだけの価値があるということなのだろう。

あと、"こういうよいものを買うと、特別な時だけ使おうと思って大事にしまっておく人も多いけれど、それだと人の手の脂で指が触れたとこだけ銅が酸化して変色しまう。だから日常づかいをしたほうが、色の深みも出るし、きれいに使い続けられる"と職人さんが話していて。"漆でもなんでも、日常で使うものとして作られたものは使ってこそ生きる"と、前に漆の職人さんが言っていたのを思い出した。真理だよなあ。高いから慎重になってしまうけれど。

少しずつ、自分なりに厳選したよいものに囲まれて暮らしたい。

http://www.gyokusendo.com

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