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業界でも稀?藤井風さんの国内ライブチケットを海外ファンへ販売、来日参加 Part 1 ( Fujii Kaze's Japan domestic concert open for overseas fan)

業界でも稀?藤井風さんのライブチケットが海外ファンへ向けて発売開始

日本の音楽業界の常識を覆すような記録を、毎日のように更新し続けている藤井風さんと、藤井 風 オフィスが、またまた、ものすごい画期的なことを実現した。「日本国内のコンサートチケットを、海外在住ファン限定で販売する枠を設ける」、私の知る限り、メジャーなミュージシャンでは、聞いたことがない。きっと他の例が過去にもあるのかもしれないけど、ここ2~3年くらいの間では私は聞いたことがなかった。(訂正追記:詳しい方が教えてくださったのですが、インバウンド消費の盛り上がりをきっかけに各社取り組みをされていた&いるそうです。最後のまとめをご参照ください)

海外在住ファンだけのチケット販売枠。この件に関して、SNS上のファンの反応を見ると、嬉しい人も、不満な人もいる、様々な意見があると感じ、今回の出来事が、海外在住の人間から見て、日本の音楽業界にとっていかに画期的なことか、海外からの反応も含めて、書いておきたいと思った。

スタジアムライブがいよいよ近づいてきたなと思っていた9月26日、海外在住の人限定で、藤井風さんのLOVE ALL SERVE ALL ライブチケットが販売されると聞いたとき、心底びっくりした。
国内コンサートのチケットを海外ファンへのチケット発売? それも海外在住者限定で!

そんなの前代未聞!

(と思った 笑 → 最後の業界の過去の取り組み事例をご参照ください )

藤井 風さんの音楽に出会ったときは、海外で、コロナ渦の真っ只中。国境を越える人の移動が制限されていて、ライブに申し込むこともできず、武道館初ワンマンも、Help Ever Hall Tourも、 Help Ever Arena Tourも、全部、海の向こうから見ているだけだった。 この夏やっと国境を越える移動が少し緩和されて3年ぶりに日本で夏休みを過ごしたけど、 Alone at home tourの申し込みは全て外れて、後ろ髪引かれる想いで、出国した私に、こんな素敵な機会が訪れようとは思ってもいなかった。(この夏のことは、詳しくはRising Sun Rock Festivalのライブレポをご覧下さい↓)

藤井風さんと藤井風オフィスに、海外ファンへのチケット販売の件を、どれだけ感謝しているかを書き出すと、それだけで、1万字くらいになりそうなので、別の機会に書かせて頂くことにして、この記事の本来のお題にフォーカスしたいと思う。まずは、

なぜ海外在住ファンのチケットを急遽販売したのか?

それは、、、、、わかりません(笑) 藤井風さんと、事務所にしかわからないこと。ただ、YouTube時代、数々のカバー動画を上げていた頃から、「昔から、当然のように、国内国外問わず活動していけるミュージシャンになりたいという想いがあった」と、ARTIST ON THE RISE で世界への想いを話してくださった風さんと、そんな風さんを支えてきた 藤井 風オフィスを見てきた1ファンとしては今回の動きは自然な動きに思える。

とらさん(Twitter ID : bundokirari ) が教えてくださったのですが、実は、2020年6月に予定されていた、NAN NAN SHOW 2020 の時から、インバウンドのチケット販売を実施されていたそう。コロナ渦のキャンセルで、この時は実現しなかったけれど、最初から海外を視野に入れて一貫性のあるアプローチをされてきた、藤井 風 さんとチーム風、さすがですね。)

また、今回「死ぬのがいいわ」の世界的バイラルヒットで、急激に海外ファンが増えたことで、更なる後押しになったのではないかということ。現在グローバルのバイラルチャートに42日間連続チャートイン(現在7位、最高4位)、世界73か国と地域のバイラルチャートに入り続け、グローバルのTop Songs チャートにも最高61位までランクインした、藤井風さんの「死ぬのがいいわ」。現在、この曲のSporityの再生回数に限って言えば、ストリーミング比率は85%以上、日本以外のリスナー。

「85%以上、海外」ですよ。世界のリスナーに愛されてますね、風さんの楽曲!

このような世界的ヒットの中、海外の「藤井 風 沼落ち者」が続々と後を絶たず、風さんの海外ツアーを待ち望む声が高まる中、10月11日からの入国ビザの緩和の発表を受けて、海外ファンのために何かできないかなって、きっと、ずっずさん(藤井風さんの敏腕マネージャー)は考えたんじゃないかな? なぜなら、、、

海外ファンは、日本のコンサートのチケットを買うことは、普通は不可能

それは、海外ファンが日本のコンサートチケットを買える仕組みがないから。日本のチケット販売サイトは、基本的に日本の携帯電話番号と、日本のクレジットカードがないと、アカウントも作れない、販売サイトの説明は基本日本語のみ。なので、どんなに国内がコンサートの話で盛り上がっても、海外ファンは見ているだけ。初回限定盤のファーストアルバムも、セカンドアルバムも、アナログ盤も、Blu-rayも、グッズも、ずっと買い続けている海外コアファンもいるのだけれど、彼らにとって同梱封入されている先行シリアルナンバーを使う機会は今まで無かった。

日本以外の国の状況はかなり違う。他の国のアーティストのライブや配信チケットの購入にその国の電話番号やクレジットカードが必要だったことは、個人的に経験したことがない。これは、著作権はじめ、いろいろな課題があるのだと思うけど、日本の音楽業界に、是非、改善強化して頂きたいと思っていることの一つ。

日本の音楽市場は大きく、世界第2位、日本だけで経済が成り立ってしまうから、業界の仕組みや考え方に、世界に向けて伝える、世界の人を受け入れる、という発想が中心に無いように感じる。外野から見ると「当然世界に伝える」が基本ではなくて「世界にも伝わったらいいね」のようなスタンス、とでも言ったらいいのか。必然的に、そういう仕組みの開発も、ノウハウの蓄積も、それができる人材の育成も遅れてしまっているような印象。私が海外組で知らなかっただけなのだけど、コロナ前に、インバウンド消費を強化しようという動きはあったそうで、コロナ中に配信が活発になって、国境移動の縛りがなくなり、配信ライブに関しては、各種配信サイト(e-plus international/ Pia / Lawson 等)が海外配信をしてくれるようになって随分変わってきた感があるけど、リアルの国内ライブのチケットを海外ファン向けに限定枠を設けて販売した、というのは、メジャーな国内ミュージシャンではよくあることではないと思う。だから、今回の風オフィスの動きは、日本のライブ音楽業界に有観客ライブが戻ってきたタイミングで、とても画期的なことなのかなと。推しの事務所が、業界の革新をリードするような戦略的動きをしているなんて、本当に誇らしいし、尊敬する。

なぜ抽選でなくて先着順?

最初、風オフィスからの案内を見た時、"First come first served" (先着順)と書いてあって一瞬何故かな?と思ったけど、すぐ何故かわかった。なぜなら、発表のタイミングが、直前すぎるから。ライブ2週間前の発表ということは、出国手続きや入国ビザの制限がある人にとっては、ほぼ参加は無理な日程。現実的でないリードタイム。チケットを取ってすぐ、ビザその他の出国手続きの手配をして、ぎりぎり飛べるか飛べないかの日程。喉から手が出るほど欲しいチケットだけど、行きたくても行けない人がほとんど。だから、抽選で日数を費やすより、即断即決で国際線で飛んでこれる海外ファンの人数を早く確定し、もし残ったチケットはその後すぐ始まるトレードに流す?(想定)という、海外ファンのことを考えても、ビジネス上の判断としても、妥当な選択だったのではないかと思う。国内でも様々な事情で遠征参加できない方はいるけれど、海外との相対的な比較ではまだ国内移動の方が現実的だから。

海外ファンの声ー日本の音楽業界にとって画期的

この発表を受けて、海外ファンの人の反応はものすごくポジティブだった。藤井風さんの海外ファンの方は、もともと日本の音楽好きの人が多い。だからこれがいかに画期的なことかは、彼らの方がよくわかっていた。この第一報を受けての彼らのリアクションをいくつか紹介させて頂いてもいいかしら。

"This is such a huge improvement. What a breakthrough ! I have a really good feeling about it and overall for Japanese live music future.  Getting domestic tickets for non -Japanese has been known notoriously difficult !" (これは、とても大きな進歩だよ。なんて画期的なんだ!  このことがとても嬉しいし、日本の音楽ライブ業界の未来にとって、本当に良い予感がする。  国内チケットを外国人が入手するのが、これまでいかに困難であるかってことはよく知られていた事実だからね ) ー インドネシアのファン Yinさん

"Thank you Kaze for being aware of your international audience, and thank you for letting realize our dreams" (風さん、海外のファンのことを考えてくれてありがとう。私達の夢を叶えさせてくれてありがとう) ーフランスのファンCoCoさん

海外ファンの悲しみの声も

一方で、このニュースに「行きたいのに、どうしても行けなくて残念」という声も沢山上がっている。海外枠のチケットが一瞬で無くならなかった理由が、海外ファンの人と話して分かった。

「日本のビザが緩和されても、本国のコロナの規制が厳しすぎて、絶対に出国できない。出張さえも許されないのに、観光で出国は絶対に無理。世界的な原油高で、フライトチケットの値段が高くなりすぎて手が出ない。海外枠で行けるファンが羨ましい。一体いつになったら風さんのコンサートを体験できるんだろう。もし中国でコンサートを開いてくれるなら、どの都市にでも行く、北京、上海、広州 大都市だったら日本人も沢山いるし、無理かなぁ、海外配信もしてくれないかなぁ(涙の絵文字&スタンプの嵐)」ー中国のファンの方多数(WeChat 微信 ファングループ)

「ジャカルタではJPOPのコンサートがほとんどないの、KPOPがメイン。だからもし、風さんがジャカルタにツアーで来てくれたら、こんなに素敵なことはないわ」ーインドネシアのファンRosie さん

「コンサートと同じ週に、学校の新しい過程が始まるから、国外に出ることは無理なの」ーマレーシアのファン hanani さん

「もしチケットが取れたとしても、複数回再入国のビザの使用が停止されているの、私、ビザは持ってるの、でも今は使えないの。このニュースをみて、現地の日本大使館に問い合わせたんだけど、ダメだった」ーフィリピンのファン、kokoro no oasis さん

「海外ファンにとっては、現実的に来ようと思うと、もっとリードタイムをもって発表してもらえないと、予定を立てることが困難

などなど。

これからのツアーに関する希望の声も

「コロナの規制が緩やかになって、次のアリーナツアーの頃には日本に飛べることを祈ってる。だから、海外ファンへのチケット販売を続けてほしい

海外配信してくれたら、有料でも参加したい

「年に何回も日本に行っていた自分だから、自分の住んでいる国での、コロナの規制さえ緩和されれば、日本へ飛んで参加するのは全く問題ない

これから一生懸命働いて、いつか風さんのコンサートに参加できるようにお金を貯めることにする」(私、このコメント見て涙が出ました by espresso)

「今回は無理だけど、東南アジアの国に来てもらえたら、近隣の国だったら飛んで行ける

なので、海外枠のチケットがまだ入手可能なのをみて、悲しい想いをしている国内のファンの方もいらっしゃると思うけど、海外のファンも同じ気持ち、ということが伝わればと思って紹介をさせて頂きました。

風さんと、藤井 風オフィスの旅路はまだ始まったばかり
いつもすべてのファンのことを考えて、今できる最善を尽くして下さってありがとう
これをきっかけに、海外ファンとの絆も、どんどん深まっていきますように、と願って止まない夜。

皆さま、どうぞ素敵な週末を。

(訂正追記):ponta さん(Twitter ID @pokoponta )さんと、Mar-san (Twitter ID @khaos_datteba)が教えてくださったのですが、インバウンド消費が盛んだった時に各社取り組みをされていたそうです。きっとコロナで下火になってしまったのだろうけど、今後の展開に期待しています。

e-plus ↓

東京の観光振興を考える有識者会議 での「株式会社ぴあ」
さんによる、「日本のエンタメ公演チケットの、 来日外国人向け販売の現状と今後についての取り組み施策」プレゼンテーション資料

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/plan/tourism/presentation03_290526.pdf

「海外在住者へのチケットを販売する、していたミュージシャンの事例」
サカナクション・sakanaction さん。ラテンアメリカのファンの方が、「日本に会いに行くよ」ってお返事されているメッセージに感激しました。




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