派手髪の生き方

僕は髪を染めるのが好きで、とりわけ赤や青といった人々の目を引く派手な色に染めていることが多い

たまに「なんでその色にしたんですか」と聞かれることがあるけど正直明確な理由はない、割と「なんとなく」とか「ノリで」とかそんなのばっかりで、今のところ正解の返しは見つかっていない、正直何回も聞かれてるんだからそろそろ返しを用意しておけよと自分でも思う

強いて言うなら「全色コンプリートしてみたいから」が一番思想としては近いかもしれない、ちなみに多分もうしてる

きっかけは割と単純で、一度ブリーチで色を抜いてから「アッシュ」と呼ばれるくすみのある灰色に染めた際、色が抜けて完全な金髪になってしまったのでそれを誤魔化すために赤色を上から入れたのが始まりだ

日本人は金髪が似合わない人が多い、基本的に黒目黒眉なのでどうしても髪の色が黄色っぽいとかなり浮いてしまう、それを阻止するためになんとなく買った赤のマニックパニックを上から塗りたくったのだ

マニックパニックやカラーバターといった派手な色にする専用の商品を使ったことがない人は分からないかも知れないが、これを髪に塗る作業はかなり楽しい、例えるなら塗り絵をしている感覚に近い、余白のないよう赤色で覆い尽くしていく

ただ塗った後が大変で、何回洗い流してもピンク色の泡と水が滴り落ちてくる、マニックパニックは特に強力なので1度染めると向こう1週間は風呂上がりに髪をタオルで拭くとタオルに色が着いてしまう、1回着いたらもう落ちないのに絶対着くのでほぼ負けイベみたいなものだ

後、塗ったマニックパニックを全体に行き渡るように櫛で梳かす作業があるのだが、赤でそれをやると終わったあと人殺しの美容師みたいになるのも面白い

勢いでインスタグラムのストーリーに該当の写真を載せて「人殺しの美容師?」とコメントを付けて投稿したら、友人に「お前のストーリーは大喜利すぎる」と謎の注意を受けた、言われてみれば確かにとも思う

割とネットでもリアルでも隙あらばウケたいと思っている節があるので、インスタのストーリーのように隙だらけのコンテンツは格好の的になる、実際ウケてるのかどうか分からないが、インスタのストーリーで自分のおもろをチラつかせる人間は面白くないに分類されるような気がするので以降は控えたい、心まで面白くない人間になったら終わりだ

とまあ、前置きはこれくらいにして本題に入るが、派手髪というのはまぁ偏見を持たれることが多い

当たり前だ、髪が赤色の人間を見て「まともな人」だと思えというのは無理がありすぎる、自分が派手髪にしたことがない世界線で派手髪を見たら間違いなく第一印象は「変な人」になる、この世界線だと派手髪を見るのも好きなので自分は第一印象が「最高だな」になるのだが

インターネットだと「もっと怖い人だと思ってた」と言われることが多い、割と口調とかでそう思われないようにしているのだが、どうやら見た目のもたらす効力は強すぎるらしい

最近だと文章に感嘆符をたくさん付けたり(例:「ありがとうございました!!!!!!!!!!悔しい!!!!!!!!!!」)、可愛らしい絵文字を付けたりすることで愉快な人を演出するようにしているのだが、こうしてみるとただのやばい人な気がする、なんなんだ

割と雑にいじってほしいタイプなので、絡みにくいと思われるのは困ってしまう、派手髪の永遠の課題なのかもしれない

とは言え、派手髪にしてるとメリットも多い、遠くからでも目立つので人混みでもすぐに合流できるし、なにより人から覚えてもらいやすい、最悪「赤い人」で通じるのもある、やってることはほぼシャンクスだ

ただ、赤い人で覚えられすぎて髪色を変えるに変えられなくてめちゃくちゃ困っていた時期もあるので一概にいいとは言えない気もする、シャンクスも「赤髪のシャンクス」で通っているせいでイメチェンもできないなんて可哀想な気がしてきた

あとは舐められにくくなってるような気がする、自分はかなり童顔なのもあって割と舐められやすいというか、なんとなくそんな雰囲気を感じるシーンが多かったのだが、派手髪にしてからめっきりなくなった感じがする、あくまでなんとなくだが

一番効果が出たのは年齢確認で、多分派手髪にしてからはコンビニとかスーパーでお酒を買う時、居酒屋でお酒を頼む時、深夜カラオケ行った時に身分証明書の提示を求められていない、今までは80%くらいの確率で求められていたしもう派手髪の効力といっていいだろう

多分店員サイドからしても「関わりたくない」が勝つんだろうなと思う、変な見た目の人と関わってトラブルになるくらいなら避けた方がいい

とまぁ、ここまで書いたけどぶっちゃけなにを言われようが気にならないのが正直なところで、偏見を持たれようが自分は自分だしな、で終わる

それに、偏見は時に「ギャップ」という武器になる、当たり前の事をしただけで「あいつ派手髪なのに良い奴だな」とプラスの評価になったりするので案外侮れない

自分は割と縁の下の力持ちタイプというか、周りを見ながら「どうぞどうぞ」と譲るタイプなのでこのギャップが大いに働く、エレベーターでみんなが降りるまで「開」を押してる人、カラオケで最後片付けてから部屋を出る人、並んで歩いている時に後ろから来た自転車に気付いて寄るように促す人、これら全部自分だ、今「意外」と思った人、この勝負に負けてます

生きにくい派手髪も、視点を変えれば楽しく生活できるという事例でした、また来ます

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