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資産運用を考える〜利回り

前編ではバランスシートを思い浮かべると体系立てて資産運用を考える事ができると提案しました。

「利回り」「資金量」「時間」という3軸
バランスシートを思い浮かべた次は、この3つの軸で考えると便利です。唐突感がありますが、投資の質、量、そして期間です。

利回りは投資の質です。注意して欲しいのは、バランスシートの左側、投資対象だけではなく、右側、調達サイドも考えてもらいたいのです。なぜなら、投資対象の利回りから調達資金のコストを引いたもの、これが利回りだからです。
他人資本を運用する機関投資家は、いかに良い運用が出来たとしても、リターンが他人資本の調達コスト以下であれば、ダメな運用です。自分の貯蓄を投資に充てる個人投資家であれば、貯蓄利回りよりも高い成果を運用に求めなければなりません。
投資対象に振り向けられたお金は、そもそもどの様な利回りにあったのか、調達コストは何%か、等を把握しておく事、習慣付ける事は、投資に対する考え方を時間をかけてシャープにしてくれると思います。

マイナス利回りの国債を買う理由
日銀をはじめとして世界の中央銀行がゼロ金利政策を採っているため、満期の短い債券や短期金融市場てば超低金利が常態化しています。一部にはマイナス金利で取引されている金融商品もあります。買えば損が確定するマイナス金利の商品が存在するのは、一見すると辻褄が合わないのですが、バランスシートを考えると理解できます。つまり、左側、資産サイドのマイナス利回りよりももっと低い調達コストでお金を借りてくれば良いわけです。マイナス1%の運用対象でも、マイナス5%で資金調達出来れば、4%のブラス運用が可能になります。マイナス5%で調達する事でなんて、と思うでしょうが、ある属性を持った投資家なら可能です。

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