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【花嫁のれんに乗ろう】和倉温泉〜のとじま水族館旅行回想

 前回沖縄旅行記録を書きました。なんだかnote公式マガジンへ取り上げられていてありがたいです。書き上げた後改めて読み返してみると最初と最後の述懐のせいか、のとじま水族館の印象が強く残る記録となっていたので回想してみたいと思います。あの時は「花嫁のれん」という観光列車に乗ることを目的に、石川県は和倉温泉へ宿泊し、なんの情報も仕入れないまま能登島へ渡り、のとじま水族館でジンベエザメを見てびっくりした覚えがあります。

 沖縄旅行記録はこちら。


あの時の旅程

 写真の撮影時間からあの時の旅程を振り返るとこのような旅程だったようです。


2020年12月12日
8:30ごろ 羽田空港着
9:25ごろ 羽田空港発
 ↓ JAL0185便
10:45ごろ 小松空港着
12:45ごろ 金沢市内で昼食
 ↓ 市内をうろうろする
13:55ごろ 金沢駅に戻る
14:15 金沢駅発
 ↓ 花嫁のれん3号
15:31 和倉温泉駅着
 ↓ 温泉街をうろうろ
16:30ごろ ホテル着

2020年12月13日
9:15ごろ ホテルを出る
 ↓ とにかくうろうろする
10:55ごろ 和倉温泉東口停留所に戻る
 ↓ 能登島バスに乗る
11:25ごろ のとじま水族館に到着する
 ↓ なんか周辺をうろうろする
11:50ごろ のとじま水族館でジンベエザメを見る
13:45ごろ のとじま水族館を後にする
15:00ごろ 和倉温泉駅へ戻る
16:30 和倉温泉駅発
 ↓ 花嫁のれん4号
17:54 金沢駅着
19:00ごろ? 小松空港着
19:55ごろ 小松空港発
 ↓ JAL0192便
21:35ごろ 羽田空港着


 一泊二日だったんですね……とにかくうろうろしているようで風景写真がたくさんあってちょっと笑いました。
 それでは回想したいと思います。

そらをとぶ(1日目)

 例によって例の如く羽田空港からスタート。和倉温泉を目指すにあたって小松空港へ飛んだのは何か理由があったのかよく覚えていません。北陸新幹線で行けばいいものをとも思いますが、もしかして飛行機の早割+バスの方が新幹線より安かったのかもしれません。

羽田空港に来ると決まって窓越しに飛行機の写真を撮ってしまうので、同じような写真が溜まっていく
小松空港へ到着

金沢駅へ到着

JR金沢駅でもあり、IR金沢駅でもある

 北陸新幹線の並行在来線を分離した関係で、第3セクターの鉄道会社IRいしかわ鉄道が倶利伽羅駅ー金沢駅間の在来線を運営しています。その駅数わずか5駅。ただ、もうすぐ北陸新幹線が敦賀まで延伸しますので、そうしたら石川県内の北陸本線はIRいしかわ鉄道の管轄になる予定だそうです。
 余談ですが、並行在来線を分離した各第3セクターの路線はどうにも名前がちょっと可愛さを狙いすぎているような気がしますね。その辺、IRいしかわ鉄道はわかりやすくていい名前だと思います。「JRの一歩先へ」というのも、地名をよく活かしている。

金沢市内でお寿司をいただきます
以前金沢で食べたお寿司の海苔がすごく美味しくてぶったまげたので、ここでも巻物を追加

花嫁のれんに乗る(往路)

改札上の看板

 この時点では金沢ー米原間が北陸本線のため、北陸線もJR線として案内されています。今回乗りに来た「花嫁のれん」は、金沢駅から津幡駅まではIRいしかわ鉄道線、津幡駅から和倉温泉駅までが七尾線ということになります。ただ、七尾線は基本的に金沢駅まで乗り入れているようなので、金沢駅を通る北陸本線がIRいしかわ鉄道へ移管されても、この看板から「JR線」の表記は無くならないのでしょう。

観光列車ののりば案内
あっちもこっちもそっちも金沢

 金沢駅の駅名標です。JR西日本のデザインでしょうか? 東金沢駅はIRで、西金沢駅はJRです。

遠くに見える観光列車
観光列車と、肝となる「のれん」
重箱のようなデザイン。まさか輪島塗りではあるまいな?
こちらの暖簾はまさか加賀友禅?

 「花嫁のれん」とはここでは観光列車の名前ですが、元は加賀藩領に伝わる花嫁を送り出す際に用いられる暖簾と、その風習のことを指すようです。

「花嫁のれん」は、幕末から明治時代初期の頃より、加賀藩の能登・加賀・越中に見られる、庶民生活の風習の中に生まれた独自ののれんです。
それは嫁入り道具の一つであり、実家の家紋が二つ染め抜かれた、華やかなのれんです。
花嫁が嫁入りのときに「花嫁のれん」を持参し、花婿の家の仏間の入り口に掛けられます。
玄関で合わせ水の儀式を終え、両家の挨拶を交わした後、花嫁はのれんをくぐり、先祖のご仏前に座ってお参りをしてから結婚式が始まるというものです。

きもの処凛屋 花嫁のれんとは
https://www.kd-rinya.com/noren1/

 なぜ暖簾なのか、というところには「『のれんが風になびくように、婚家の家風に早くなびき(馴染み)ますように』との意味があります。(同サイトより)」とされています。その解釈はもとより、確かに加賀地方といえば「加賀友禅」「加賀染」などが挙がりますね。もともと織物や着物の産地として、伝統技法を伝える地として、「花嫁に一番いいものを」と考えた時に自然と織物によるものとなったのでしょうか。
 ちなみに、「花婿のれん」もあるようです。シンプル!

下記サイトよりスクリーンショットを拝借

 七尾市内には「花嫁のれん館」なるものがあるようです。現在は能登半島地震の影響により休業中。

 では列車に乗りましょう。JR西日本の列車案内によるとこういう座席配置になっています。

JRおでかけネットよりスクリーンショットを拝借
エントランス(座席表では2号車を上側から望む形)
1号車はコンパートメントタイプ
絨毯が飛石模様になっています
2号車はカウンター席とボックス席になっている
扉周りの赤(輪島塗?)
こちらは金(加賀箔?)
サンダーバード?と花嫁のれん
よく見回してみると、のれん以外のところも特別仕様
専用ホームと列車
展示される加賀箔
展示される輪島塗
カウンター席に通されました(全席指定・選べない)
スイーツチケット

 花嫁のれんは列車によって軽食やスイーツが振る舞われます。事前に食事券を買っておかないとダメですが、e5489で予約ができた気がします。

車内アテンダントさんが記念乗車証を配り、テーブルクロス(紙)を引いてくれる
生菓子「オペラマンダリン」

 石川県は七尾市の出身であるパティシエ、辻口 博啓氏のお店によるものだとか。これとは別に、焼き菓子が箱でもらえました。そちらは持って帰って食べたような。

 車内アテンドはなんと日本一の旅館とも謳われる「加賀屋」によるものだとか。

加賀屋の客室係1名と加賀屋で研修を受けたJRグループ社員2名がアテンダントとして乗務し、車内でサービスを提供する。

東洋経済オンラインより
和倉温泉駅へ到着
篝火をイメージしたウェルカムボード(?)

温泉街をうろうろする(1日目)

 確かこの観光の目的は観光列車に乗ることだったので、この時点で旅の目的の半分は果たしています(もう半分は復路で乗ります)ので、特に当てもなく和倉温泉をうろうろします。

七尾湾を望む。内海のためかあまりにも穏やか
海とは思えないくらい水面が静謐
鏡だったかもしれん
弁天崎源泉公園の「能登國和倉温泉雲涛楼乃図」と飲める温泉(だったかな?)
あれが有名な加賀屋ですか
浦浦乃湯壺
「温泉卵を作ってはいかがですか?」と書いてあり、そのためのカゴも設置されている
ねこがいた

和倉温泉泊

宿泊したホテル「大観荘」

 ということで和倉温泉に浸かり、ゆっくりします。時は新型コロナウイルス感染症でピリピリしていた時で(私もなぜこのタイミングで和倉温泉に行ったのか今となってはかなり謎ですが)、温泉で他のお客さんから「どこから来たの?」などと聞かれて「東京です」と言ってから、言わないほうがよかったかなどと考えたりした覚えがあります。
 感染症対策もあったのか、夕飯も朝食も部屋食でした。

こういう写真を撮った時、「蓋開けなよ」と後から思う
活き鮑のバター焼き!
朝食もいただきました

温泉街をうろうろする(2日目)

 翌朝、いきなり天気が不穏になっていました。

あの穏やかな海と同じ場所
鏡面のようだった海が荒れている
足湯がありました
足湯に浸かりながら荒れる海を眺める

 あまりにもやることがない(考えていなかった)ため、能登島大橋を見にいくことにしました。

何を血迷ったのか能登島大橋を目指して歩きます
そこそこ風強かったですが、通れました
能登島大橋を眺める
真ん中くらいまで進みましたが、突如引き返します

 そのまま歩き続けて能登島へ渡り、どこかのバス停でバスに追いつかれる、というのが理想だったのですが、どれだけ先に進めばバス停があるのかもわからず、またバス停以外のところで追いつかれたら最悪なので、和倉温泉東口バス停まで戻ります。

和倉温泉東口バス停留所まで戻る

のとじま水族館へ

 能登島バスへ乗り、改めて能登島大橋を渡り、能登島へ。目指すはのとじま水族館です。確か、能登島に水族館があるのも2日目になってから知りました。本当に観光列車に乗ることしか考えていなかったようです。

のとじま水族館

 が、地図によると、近くに「能登島臨海公園」があるようです。水族館に入る前に周辺を見て回ることにしました。

ゴーカートのコースが見えます
は……廃墟にしてはきれい?
消えかけた「ストップ」
看板のボロさ加減がうら寂しさを際立てる

 今になって調べてみると、冬季はやっていないようです。
 水族館に戻ります。入ってすぐが「ジンベエザメ館 青の世界」です。ここへ来て初めてジンベエザメが飼育されていることを知ります。
 のとじま水族館は、日本海側の水族館で唯一ジンベエザメを飼育していたそうです。日本海側ではジンベエザメの回遊域の北限が概ね富山から新潟県沖くらいだという説明展示があったような……。のとじま水族館のジンベエザメはそうやって日本海側に回遊して来て、運悪く定置網にかかってしまった個体だとか。

「青の世界」のジンベエザメ
おそらく、ウシバナトビエイ
ジンベエザメのスズベエとナナベエ

 ジンベエザメ館がそのまま本館につながっているのではなく、なんか外に出てしまいました。

ペンギンプールにいるペンギンたち
海の近くの屋上プール。なんかセレブな文脈?
イルカがいました!
近い
めっちゃ寄ってくる

 屋上のプールは今館内マップを確認すると「イルカたちの楽園」だそうです。一人でイルカを延々眺めては撮影しているとだんだん人が集まってきました。プールのガラス柵がそこまで高くないので、手をかざしている人もいましたが、その横には「手を出さないで! 噛まれます!」と注意書きが。物騒じゃん……

イルカのプールの下はトンネル状になっています
寄ってくる
これは餌をもらうカワウソ
ロケット状になるアザラシ
通過するアザラシ

 アザラシのいる水槽は普通の壁の向こう側の水槽と、そこから伸びるトンネル部によって構成されていました。トンネル部にアザラシが出てくることでより近くにアザラシを見ることができるという……

ホッケ
のどぐろ

 展示されている鮭は北海道の「サケのふるさと千歳水族館」から卵をもらって孵化させたものだとか。

クラゲ

 クラゲの展示がやたらオシャレでした。最近の都市型水族館のような。

来館記念

 そうしてバスの時間を狙って退館します。

花嫁のれんに乗る(復路)

 そうして能登島を後にし、和倉温泉駅まで戻ってきます。何の計画も立ててない完全にノープラン旅行でしたが、思いがけず素敵な水族館があって本当に良かったですね。能登地方の復興の暁にはまた行きたいと思います。

花嫁のれんが入線しています
のと鉄道の「のと里山里海号」

 津幡ー和倉温泉はJR西日本ですが、和倉温泉以降はのと鉄道になります。のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」も乗ってみてもっと奥まで行けば良かったのでは、と今は思うのですが、多分時間が合わず断念したのだと思います。
 今は能登半島地震の影響でのと鉄道は全線運休中。無事に鉄道として復興して欲しいところです。

時間がギリギリ合わず、外からの撮影となりました
復路もお世話になる花嫁のれん
和倉温泉を去ります
通された座席
一人なのになぜかカウンター席でない1番A席
花嫁のれん4号の「ほろ酔いセット」

 往路の花嫁のれんは3号(金沢→和倉温泉)で、スイーツとお茶でしたが、復路の花嫁のれん4号(和倉温泉→金沢)はお酒と軽食が楽しめます。
 一人客だったのになぜかカウンター席でなく、テーブル席に通され、さらに対面に二人組客が……しかもその二人組客は食事券を買っていなかったようで、かなり気まずかったです……

金沢駅着

 金沢駅に到着する頃にはあたりも暗く、旅程上問題ないことは確認していたのですが、金沢駅発小松空港行き最終バスの時間に結構ギリギリでヒヤッとしました。

そらをとぶ(2日目)

JALサクララウンジは国内線ラウンジだけどビールが飲めます

 最終バスでも搭乗時間に余裕があり、早々に保安検査場を抜け、サクララウンジでビールと洒落込みます。JALの若年層向け会員特典でサクララウンジが使えたんだよな。

ファンタジアのミッキー

 帰りの飛行機はディズニーデザインの機材でした。外から見ればディズニーデザインですが、中はこれくらいしかミッキー要素はありませんです。

終わりに

 こうして「花嫁のれんに乗ろう」の旅は終わったわけです。全国津々浦々こうした観光列車は走っているようなので、あれやこれやと乗ってみたいですね。特に、運転再開した暁には「のと里山里海号」はチャレンジしたいです。のとじま水族館も再訪したいし。そういえば美ら海水族館のお土産は高校生の時に買ったジンベエザメぬいぐるみや、こないだ買ったジンアナゴやマンタぬいなどがあるのに対し、のとじま水族館のお土産はジンベエザメストラップが失くなってしまってそれっきりですね。まぁ写真がたくさん撮ってあったおかげで、こうしてまとめられて良かったな。
 改めて、能登地方の一刻も早い復興を祈念して、回想を終わります。お付き合いいただきありがとうございます。また次の記録でお会いしましょう。

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