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全てのアスリートはインスタグラムをやるべきだと思う理由

今日、元プロボクサーで起業家の山川和風さんとツイッターでこんなやりとりをした。

いやー、純粋にもったいない!と思う。というのも、ツイッターでも言及しているように、アスリートとインスタグラムはめちゃくちゃ相性がいいからだ。個人的には、すべてのスポーツで飯を食っていきたいアスリートはインスタを使うべきだと思っているくらいである。

その理由は大きく分けて3つある。

理由1:炎上しづらい(適度にクローズド)

SNSというとどうしても「炎上」のイメージがつきまとうが、インスタは他のSNSに比べ炎上しづらい。なぜなら、ツイッターやFacebookと違って(今のところ)「拡散」という概念がないからだ。ハッシュタグや検索を介して自分の投稿が見知らぬ人の目に触れることはあるが、基本的にはフォロワーだけに向けてメッセージを発信できるというところに大きな意義がある。

アスリートのフォロワーは、その競技またはアスリート個人のファンであることが多いので、当然ながらそこには「好意」を土台とした緩やかなコミュニティが形成される。私もアスリートを100人くらいフォローしているが、たまに変なスパムが混ざるくらいでコメント欄は至って平和である。

コミュニティの管理にまで時間をさけない多忙なアスリートでも、隙間時間で気軽に始められるのが良いところだ。

理由2:ファンが勝手に親近感を持ってくれる

アスリートというのは、職人であると同時に人気商売でもある。これについては異論があるスポーツファンも多いとは思うが、現状のスポーツの収益構造を考えると「一般人に認知の高い選手=人気選手=スポンサーがつく=お金の心配なく活動ができる」という面は否定できず、たくさんのファンを獲得したほうがその選手にとってもプラスになるのは間違いない。

そのように考えたときに、たとえば野球やサッカーのようなメジャースポーツ、あるいは幼い頃から注目されていたスター選手であれば、マスメディアが大々的に取り上げてくれて自然にファンを増やすことができるが、マイナースポーツやそれほど知名度のない選手の場合はなかなかファンを増やすことができないという問題が生じる。

そこで、救世主として登場するのがSNSである。冒頭の山川さんが言っていたように「インスタってキラキラ女子が使うものでしょ?」と思って敬遠するのは実にもったいない。確かにコンテンツを発信しているのはまだまだ若い女性が多いが、閲覧オンリーでいえば男性も増えている。

ちなみに私はサッカーのJリーグ、中でも自分が応援しているクラブが所属するJ2リーグを熱心に観ているのだが、J2リーグはJリーグとはいえ地上波での放送もなく、サッカー番組で取り上げられることもほとんどない。そんな私がクラブや選手の情報を得るのに利用しているのが、選手のインスタアカウントだ。マスメディアに露出しない競技であればあるほど、インスタから得られる情報は大変貴重なものになる。

具体的に、私個人は好きなクラブに所属する選手のインスタを見るようになってから、2つの心理的な変化が現れた。

1. 選手に親近感を感じるようになり、友達か親戚みたいな感覚で、応援に力が入るようになった。プレーでミスをしても前は「なんだよ、こんな大事なところで〜」と不満を感じていたのが、「彼らも人間なんだからミスの一つもするよね」と暖かい目で見るようになった。それまであまり買わなかった個人の名前入りグッズを買うようになった

2. 選手の日頃のトレーニングや食生活、趣味などの情報を得たことで、同じ試合を見ていても、見る角度が多様になった。選手を見て「あれはこないだインスタで見た筋トレの効果だな」とか「痩せたように見えるけど食事の効果だな」みたいなマニアックな見方もするようになった。周辺情報により、スポーツ観戦が2倍も3倍も面白くなった。

ファンにとってスポーツ選手は本人が考える以上に遠い存在なのだが、SNSを介するといっぺんに距離が縮まる。とくにインスタの「ストーリー」と「ライブ」は縦長動画で没入感があり、本当に自分に話しかけてくれているような錯覚を起こす効果がある。

ここが、私があえてツイッターやFacebookではなくインスタをおすすめする最大の理由である。

理由3:フォロワーは持ち運び可能な個人の資産になる

そして3つ目の理由は、SNSのフォロワーは所属チームではなく「個人の資産」になるからだ。プロスポーツ選手の場合、団体やリーグ、クラブに所属することが多く、肖像権などは一括で管理されていることが多い。

しかし、SNSに関しては個人の運用が許されている場合が多い。ここについたフォロワーは、移籍したり引退したりしてもファンでいてくれる人も多いはずだ。

ちなみに、私自身も贔屓のチームから移籍してしまった選手のインスタをフォローしているが、チームは変わってもその選手をなんとなく追いかけている。そこがきっかけで、他のチームや選手に興味を持つこともある。

選手を商品として扱う企業側からすれば「選手個人にやらせても移籍しちゃったら元も子もないし」と思うかもしれないが、リーグ(業界)全体で取り組めば、そのスポーツ全体のファン層を拡大するのに大きな威力を発揮するはずである。

選手にとっても、クラブ(企業)にとっても、業界全体にとっても、アスリート個人がインスタグラムやSNSを活用することには大きなメリットがある。

昨今はSNSの重要性が広く認知され、公式SNSの運用にコストをかけているチームも多く見受けられるが、リスク管理の観点からオフィシャル情報を流すだけに留まりがちな公式アカウントの運用に大金を投じるよりは、選手個人に発信させるほうが、実はリスクも少なく、リーチ数も桁違いに増大するということは、もっと知られても良いのではないかと思う。

企業より個人、これがSNSマーケを制するための原理原則である。

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