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TOEIC890点の私が「セブ留学」を超絶オススメする理由

一昨日まで2週間、セブの語学学校に留学してきた。

ちょうど仕事の切れ間で時間があったのと、「Eight Weeks」を運営するブルードさんにサポートしていただけるということもあり思いきって行ってみたら、自分にとっては想像をはるかに超える良い経験になったので、記憶が新しいうちにここにそれを記しておきたい。

海外で大学を卒業したのに英語が喋れない私

日本で英語力を証明するものといえば、代表的なのがTOEICと英検だろう。私は英検は中学のときに3級を取ったきり受けたことがないのだが、TOEICは転職時に求められて何度か受けたことがある。一番良かったときのスコアは890点だった。それもそのはずで、私は20歳くらいの頃にアメリカの大学に学部留学しており、短期間ではあるが現地の会社で働いていたこともある。そのくらいの点数は取れて当たり前なのだ。

しかし、だ。ここからが問題なのだが私は英語がロクに話せない。少なくとも自分は「英語が話せる」と思ったことは一度もない。何度か外資系の会社に勤めたことがあるが、私がいた職場にはネイティブとバイリンガルと「留学未経験だけどなぜか英語が話せる天才」みたいな人しかいなかったので、私の英語力はいつも最下層だった。英語の会議では毎回何を話すかを予習して、なるべくイレギュラーな矢が飛んでこないように必死で防御していた。

もちろん、そんな状況をただ漫然とやり過ごしていたわけではなく、自分なりに努力はしてきたと思う。アルクのヒアリングマラソンを試してみたり、スパルタ式で有名な新宿の語学学校にも通ったり、語学学習に効果があると思われるアプリも無料有料問わずほとんど全部ダウンロードした。だけど、それでも私は英語が話せないままだった。

アラフォーに差し掛かった頃から、たぶん私はこのまま英語が話せない(と思った)まま死んでいくのだろうと思っていた。

フィリピン英語は聞き取りにエネルギーを消耗しない

そんな私がセブ島に留学してまず思ったのは、「フィリピン人の英語はめちゃくちゃ聞き取りやすい」ということだった。欧米(英語圏はもちろんそうでない欧州なども含む)に比べると、圧倒的に聞き取りやすい。使う言葉も中学から高校レベルくらいの語彙力で全然問題ないので、聞き取りで困ることはほとんどない。

聞き取りにエネルギーを使わなくてよくなると、会話に対する抵抗感は激減する。これは目からウロコだった。私が本当に苦手だったのは、「喋る」ことではなく「聞く」ことだったのだ。

聞き取りができると、あとはそれに対するリアクションをすれば良い。ここで役に立ったのが「瞬間英作文」だった。私は6-7年前に人に勧められてシリーズ全巻制覇したのだけど、今回の留学に際して一通りアプリ版でおさらいをしていった。これで英語に対する反射神経を養っておくと会話はかなりスムーズになると思う。

日本の英語教育に足りないのは「しゃべり場」

セブ留学が良いと思った理由は他にもある。1番はやはりマンツーマンレッスンが中心なことだ。これにより会話量が圧倒的に増える。私は1日6コマのマンツーマンレッスンを取っていたので、たった2週間とは思えないほど英語を話した。欧米のグループレッスン中心の語学学校ではこうはいかないだろう。

よく「フィリピン人の英語は発音が良くないから留学に適していないのでは?」「先生のレベルが低いのでは?」という人がいるが、それは自分の英語力向上にはさほど影響はない。会話ができるようになるために重要なのは「自分が」話すことだからだ。人の話を黙って聞いていても喋れるようにはならない。

子どもが言葉を覚えるように段階を踏まなければならないのに、日本にはその段階を踏む場がないように思う。拙い英語でおしゃべりできる場がないので、いつまでたっても喋れるようにならない。

そしてそれは、いきなり英語圏の国に行くとより状況が悪化する。小学生レベルの会話力ではぜんぜん現地の大人の会話に割って入れないので、スピーキングに対する自信をなくし、交流を避けるようになるのだ(少なくとも私はそうだった)。

これまでに「海外にX年以上住んでいるのにぜんぜん語学が上達しない」という人の話を聞いたことがないだろうか。私は山ほどあるし、実際にそういう人も何人か知っている。海外で暮らしてみるとわかるが、ただ暮らすだけなら定型的な日常会話を覚えてしまえばどうにかなる。「英語のシャワー」を浴び続けていればだんだん聞き取れるようになり、自然に喋れるようになるなんてことはあり得ないのだ。

「英語が通じる喜び」が学習意欲を加速する

そんなこんなで中学生の頃から数えて30年以上、英語と向き合ってきたのだが、正直いままで英語を使うことを楽しいと思ったことがなかった。

ところが、今回の留学はとても楽しかった。

明確に「楽しい!」と思ったのは、やや複雑な会話をしたときに「語が通じた」という喜びを体験できた瞬間だった。これまでだったら「ちょっと何言ってるかわからない」と言われると「It’s OK. Forget it.(まあいいや、忘れて)」と意思疎通を諦めていたところを、どうにか言い回しを変えて理解してもらうことができたときに「おお!通じた!!」というえも言われぬ感動があった(ちなみにフィリピン人講師の「汲み取り力」は凄まじく、普通これじゃ伝わらないよねっていう感じの単語の羅列でもだいたいは意味が通じた)。

そして、この2週間の経験を通じて「英語はツール」という認識をさらに深められたのも良かった。私たちに必要なのはエレガントな英語を話すことではなく、目的を達成するために言いたいことを齟齬なく伝えられる力、相手の意図を汲み取る力、それだけでいいのだ。難しい単語は知らなくてもいいし、だいたいは別の言い方で伝えることができる。それがわかっただけでも大きな収穫だった。

大人にこそ語学留学をオススメしたい理由

ちなみに私の前回の留学はかれこれ四半世紀前になるのだが、その当時と比べ今回圧倒的にラクだったのは、自分に「日本人」以外のアイデンティティがあったことも大きかった気がしている。

具体的に言うと、私は現在「Snapmart」というスマホで写真が売り買いできるアプリの運営会社を経営しており、まず最初に自己紹介としてこの話を持ちネタとしてすることができた。先生も他の留学生もみなスマホは所持しており、私のビジネスについて話すと「へぇー、それは面白いね」「売れるといくらになるの?」と興味津々で聞いてくれた。

私の他にも「美容師です」「YouTuberです」「植木職人です」みたいな人もいたが、自分の仕事について詳しく話せるようになると、一目置いてもらいやすいように思った。顔と名前も覚えられやすい。

英語の学習というと若ければ若い方が良いというふうに思われがちだが、正直18歳を超えてしまったら年齢はあまり関係がないと思う。むしろ社会人のほうがコンテンツ力が高いので、海外に出てコミュニケーションをとるには有利なのではないだろうか。

まとめ

そんなわけで、たった2週間でそこまでの収穫はないだろうとタカをくくっていた私の期待は見事に裏切られたのだった。たぶんあのまま半年くらいセブにいたら、英語がペラペラ(当社比)になっていたと思う。苦節30年あまりにしてついに英語に対する苦手意識を克服したのだ。

今回の留学で、語学にせよ何にせよ、何かを習得するのに必要なのは「自分と同レベル(かそれよりちょっと上)の壁打ち相手」なのだということを再認識した。テニスをマスターしたいからといっていきなり錦織圭と対戦してもただ自信をなくすだけだろう。

こう言われてみればあたり前の話なのに、なんとなく「最初からトップレベルの人に教えてもらうのが良い」と思い込んでいる人は多いように思う。25年前の私もそうだった。「英語の勉強なんだから(なるべく発音がきれいな)英語圏に行くのが良い」と。あれはあれで精神力が鍛えられたので100%間違いだったとは言わないが、自分にはあまり合っていなかったと思う。

余談

完全に余談というか私見なのだけど、アメリカに住んでいたときに留学生で語学習得がやたら速かったのは「現地で恋人ができた人」だった。欧米に行くと日本人女性はとにかくモテるので、現地で恋人ができやすいのだ。恋人ができると、意見が食い違ったときも途中で意思疎通を諦めなくなるので会話が上達しやすいのではないかと思う。

一方セブでは、やたらと日本人の男の子がモテていた。先生が若い女性ばかりということもあり、生徒の奪い合いみたいなこともしょっちゅうあるらしい。最初からそれ目当てで来る男性はいないと思うが、結果論として現地に彼女ができて語学が上達するケース(欧米における日本人女性のようなケース)は少なくないのではないかと思う。

なんかいろんな意味で欧米とは価値観が違っていて面白いなと思った。

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