私がレベルが低いと言われるJリーグを観続けている理由

最近、仕事の話ばかりしているので、たまには趣味の話でも。

私の数少ない趣味の1つにJリーグ観戦がある。贔屓のクラブはJ2リーグに所属する老舗の「ジェフ千葉」で、サポ歴はもう20年近くになる。

たまに代表厨や欧州サッカーファンの知人に「Jリーグなんてレベル低いしつまんなくない?」というようなことを遠回しに言われたりするのだけど、まったくそんなことはない。

特に中小企業の経営者やそれに類する職業の人にとっては、これほど興味深いプロスポーツはないのではないだろうか。

Jリーグの面白さは「格差」にある

日本のプロ野球などに比べると、Jリーグはクラブ数がとても多い。このため、大都市を本拠地とするクラブとそうでないクラブ、スポンサーからの資金集めが比較的容易なクラブとどうがんばっても難しいクラブがある。

平たく言うと「格差社会」なのだ。

たとえば、日本で一番のビッグクラブである浦和レッズの2015年の営業収益は60億円だが、同じリーグで最も営業収益が少ない湘南は15億円しか収益がない。これほどまでに「体力」に差があるクラブが、同じ土俵で闘うのである。

当然のことながら、お金がないクラブは知恵を絞らなければ生き延びていけない。この「ないならないなりの戦い方を考える」というところが、会社経営にとても似ていると思うのだ。

ジェフが教えてくれたのは「お金ですべては解決しない」ということ

Jリーグを見ていていつも思うのは、「お金ですべては解決しないんだなぁ」ということである。もちろん、お金はないよりある方が良い。貧乏なクラブとお金持ちのクラブなら、当然お金持ちのクラブのほうが強くなる可能性が高い。ただ、お金は「絶対」ではない。それは私が20年間ジェフ千葉というクラブを応援していてわかったことだ。

先程の2015年の営業収益でいくと、ジェフ千葉の収益は25億円にものぼる。J2では一番か二番目に多い金額だ。しかしこのクラブはJ2に7年も留まり続け(すでに8年目が決定している)、去年からはついに昇格プレーオフにすら出られなくなってしまった。

ジェフが恵まれているのは金銭面だけではない。

駅からもアクセスの良い立派なサッカー専用スタジアムとクラブハウスを持ち、親会社は盤石の経営基盤を持つJR東日本、東京が近いということで選手の勧誘もしやすく、遠征の移動も他クラブに比べると負担がなく、有名なOBを多数輩出しているという歴史もコネクションもある。

にもかかわらず、予算規模でいうと1/5くらいしかない群馬や水戸や愛媛のようなクラブにあっさり負けてしまう。

アリがゾウを倒す「ジャイアント・キリング」は本当に痛快だが、その逆がずっと続くのはなかなかの地獄である。

人を大切にしない組織は衰退する

スポーツで結果が出ないと、私たちはつい監督や選手のせいにしてしまいがちだけれども、長い目でみるとそれは本質じゃないということがわかる。それを教えてくれたのもジェフだった。

そういえば今季、ジェフと同じくオリジナル10の老舗、名古屋グランパスがJ2に降格した。ちなみに名古屋の2015年の収入は44億円である。とてもJ2に落ちてくるようなクラブではない。

その名古屋が、今季の後半になって急遽去年クビにした闘莉王選手を呼び戻し、降格決定とともに再度クビにする(選手としては再契約しない)という暴挙に出た。いろいろな考えがあっての人事なのかもしれないが、臨月間近の奥さんを置いて古巣を救うために戻ってきてくれた恩人に対して、あまりに酷い仕打ちではないかという印象を抱いた。

私はこれは「地獄の始まり」なんじゃないかという気がしている。

なぜなら、ひとたび「あのクラブは人を大切にしない」という印象がついてしまうと、いい選手を引き寄せることができなくなるからだ。それだけでなく、優秀な人から組織を去っていく。これはリストラを実施した企業が、その後採用に苦労するのと同じ構図である。

個人的に、ジェフがいまだに浮上できないのは、過去に監督や選手を無情な切り方でリストラしてきたからじゃないかと思っている(少なくとも大多数のサポが不満に感じる人事は一度や二度ではなかったと記憶している)。

自分が引く手数多の優秀な選手であれば、そんなクラブに好んで行きたいとは思わないだろう。

チーム戦は1+1+1+1+1が5になるとは限らない

本題に戻るが、サッカーが面白いのはやはり組織で戦うチーム戦だからだと思う。チーム戦は個人戦とは異なり、個人の能力の総和がイコールチームの力とはならない。個人技に優れた選手を集めてきても弱くなることもあるし、平凡な選手ばかりでも強くなることもある。

そういえば、PIXTAの古俣さんもブログにサッカーの話を書いていたけれど、経営者にサッカー好きが多いのはこういう理由もあるのではないかと思う。

与えられた手札で知恵を絞るゲームは面白い。

ちなみに明日(11月12日)は、J2の試合が全国各地で開催される。

Jリーグの中でも私はとりわけJ2がドラマチックで面白いと思っているのだが、その理由の1つに「昇格」と「降格」の両方が存在しており、いわゆる消化試合になるクラブが少ないことが挙げられる。

「まだ見たことがない」という人は、一度スタジアムに足を運んで生で選手たちの渾身のプレーを見てみてはどうだろうか。J1に比べると集客に苦戦している分スタジアムグルメが充実していて、そういった点でもおすすめである(私はもちろん明日は「喜作」の食べ納めをする予定w)。


追記 「海外リーグの方が格差があるのでは?」というご指摘をいただいたが、確かにそれはその通りである。

私としては「チーム数が少なく大都市にしか本拠地がないプロ野球などに比べれば、」という意味で書いたつもりだったが、タイトルからすると海外サッカーとの比較と思われてもしょうがないかな、と思った。紛らわしくてすみません…。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

やったー!
100

#スポーツ 記事まとめ

noteに公開されているスポーツ系の記事をこのマガジンで紹介していきます。
2つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。