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手袋をさがす

2018年2月6日 会社の朝会の3分スピーチで話した内容を転載

「手袋をさがす」というエッセイをご存知でしょうか?

脚本家・エッセイスト向田邦子のエッセイの1つです。

まだ20代半ばの彼女が、真冬にもかかわらず「自分の満足のいく手袋に出会えない」と手袋もつけずに過ごし、周囲の心配を買ったことを機に、「ないものねだりの高のぞみ」という自分の性格に向き合っていく話です。

僕も若かりし頃の彼女と同じ「手袋の見つからない」モヤモヤを今の自分、そして組織に対して抱えているような気がしました。

他の職場の友達の話と聞き比べると、良い組織であることは間違いない。

自分自身このまま頑張れば、そこそこの地位は築けるのではないか。

でも、

衝突をおそれて、お互いに言いづらいことは増えてきたのではないか。

誰かが定めた役割と目標に安住し、本当の課題をも見落としていないか。

そして、本当にメンバー1人1人のやりたいことの実現はできているのか。

そんなモヤモヤがあります。


エッセイに話を戻すと、徹底的に自分のやりたいことに向き合おうと決意した向田邦子は会社を飛び出します。

僕は会社を飛び出しません。安心してください。

なぜならば、変えられるのではないかと思っているからです。

先日堀さんにfreeeの勤怠管理について相談した時に、堀さんが色々なことをやっていることを心配して

江藤「堀さん、タスク持ちすぎですよ」

と声をかけると

堀さん「でも、みんなが働きやすくなったら嬉しいじゃん!!!」

こんなことを、さも当然におっしゃってくださる人がいるからです。

もちろんお得意の勉強もしました。その中で見えてきたことが2つあります。

1.いろんな仕組みや制度が前提としている人間像って古いんじゃないか?

2.ビジネスの仕組みやテクノロジーが進化しているのだから、意思決定の方法や人の衝突を解決する方法はもっと進化できるのではないか?

さて、2018年2月9日で4年目を迎える僕は「誰もがやりたいことを実現できる」チームの実現のトライ&エラーにその主軸を移していきます。

ここでお願いです。

もし僕の言動が皆さんひとりひとりを尊重していないと感じさせることがあれば、遠慮なくフィードバックをください。

もし一緒に学びたい、推進したいという人がいれば、声をかけてください。共に学び、共に実践しましょう。

最後に改めて、「手袋をさがす」より一節をご紹介します。


あのとき──二十二歳のあの晩、かりそめに妥協していたら、やはりその私は自分の生き方に不平不満をもったのではないか──。 いまの私にも不満はあります。年と共に、用心深くずるくなっている自分への腹立ち。 心ははやっても体のついてゆかない苛立ち。 音楽も学びたい、語学もおぼえたい、とお題目にとなえながら、地道な努力をしない怠けものの自分に対する軽べつ──。  そして、貧しい才能のひけ目。  でも、たったひとつ私の財産といえるのは、いまだに「手袋をさがしている」ということなのです。

向田邦子著 『夜中の薔薇』(講談社文庫)より「手袋をさがす」

ありがとうございました。今日も1日、頑張っていきましょう。

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