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らむね。紙芝居シアター「ぼくは飛べるんだ!」

幼稚園くらいの頃、多分、私、飛べました。飛ぶ、というより、浮く、という感じかも。その感覚が今も残っています。そして、いつしか浮くことができなくなりました。その時のショックも覚えています。

私が家の中を自由に飛び回っていたのは、夢の中の出来事だったんだろうか?どうしてこんなにハッキリと覚えているんだろうか?

そのことを元に作った紙芝居です♫ はじまり、はじまり~

「ぼくは飛べるんだ!」

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「多分、みんな、そうだったんじゃないかな。ぼく、ちょっと前まで、飛ぶことができたんだ。とても簡単にね。いつの頃からだったかなぁ。どうやっても飛べなくなったんだけどね。でも、今日はなんだか、飛べるような気がするなぁ。よし。ちょっとやってみよう!」

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「確か、こうやって、両手を広げて、こうやって低くなって、両足を浮かせたら・・・」

ドタッ!!!

「いてててて」

そこへ、タヌキくんがやってきました。

「リスくぅ~ん!公園で遊ぼ~。ウサギちゃんが、おやつを持ってきてくれるって~」

「あ、タヌキくん。ねぇ、タヌキくんも、もっとちっちゃい頃、飛べたよね?」

「え?飛ぶ?あははは!無理だよぉ。だって、タヌキだよ?」

「えぇー?そうなの?でもきっと、ウサギちゃんは飛べたんじゃないかな?聞いてみよーっと。」

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公園に行くと、リス君はさっそくウサギちゃんに聞きました。

「ねぇ、ウサギちゃんって、ちっちゃい頃、飛べた?」

「え?急にどうしたの?」

「ぼく、ちょっと前まで飛べたんだ。今は飛べないけど・・。」

タヌキくんが笑いながら言いました。

「嘘だぁー。リス君はリスだよ?鳥とか、チョウチョとかじゃあるまいし。飛べないと思うよ~」

「飛べたもん!」

「リス君、すごいわね!あたしは・・・。飛んだことがないわ」

「ほら。リス君、ぼくたちは飛べない動物なんだってば」

「違うもん!ぼくは飛べたんだもん!飛んでるときの感覚、ハッキリ覚えてるもん!天井にぶつかりそうになったことだってあるんだよ!」

「あはははは~。夢でも見てたんじゃないのぉ?」

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「さ、おやつにしましょうよ!今日は、採れたてのイチゴよ!」

「わぁーい、美味しそうだなぁ~」

「・・・・・・・。ぼく。・・・・・・。いらない」

「え?」

「ぼく、帰る。ぼく。ぼく・・・・・・。本当に飛べたんだもん!!」

リス君は泣きながら走って行きました。

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リス君は自分の部屋の中で、飛んでみました。でも、何度やっても浮き上がりません。

「おかしいなぁ」

リス君は、だんだん悲しくなってきました。

「やっぱり、タヌキくんが言うように、夢だったのかな・・」

リス君はしばらく、下を向いて座っていました。

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ふと、顔を上げたリス君は、もう一度、飛んでみました。

すると・・・。

ふわりと浮き上がりました!

「ほら!!やっぱり!!ぼく、飛べる!!!」

久しぶりに飛んだリス君は、バランスを取るのがちょっと難しくてフラフラしましたが、しばらく飛んでいると、だんだん慣れてきました。

「よーし!ウサギちゃんとタヌキくんをビックリさせちゃうぞ!」

リス君は窓から外に出て、公園へと飛んで行きました。

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公園では、ウサギちゃんとタヌキくんがイチゴを食べています。

「おーい!ウサギちゃ~~ん!タヌキくぅ~~ん!」

ウサギちゃんとタヌキくんは空を飛んでいるリス君に気づかずにキョロキョロしています。

「ここだよー!お空だよー!!」

「え?リス君?リス君が、お空を飛んでいるわ!」

「わぁ~、リス君、本当に飛べるんだねぇ!すごぉ~い!!疑って、ごめんよぉ~!リス君、すご~~い!!!」

リス君は得意げにクルクルと回転しました。

「ほら!ぼく、こんなに自由に飛べるんだよ!みんなも飛べるよ!一緒にお空で遊ぼうよぉ~!」

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「こうやって、こうやるとね。ほら、上手に飛べるんだ」

リス君が飛び方を教えると、不思議なことに、ウサギちゃんもタヌキくんもふわりと浮き上がりました。

「わぁ!素敵だわ!」

「おもしろ~い!!よーし、空中鬼ごっこだぁ!」

森の仲良し3人組は、雲に隠れたり、大きな木のてっぺんに座ったり、楽しく遊びました。

「あー楽しかった!なんだか、疲れちゃったー。」

「あははは~。おいらも、疲れちゃったぁぁぁ」

「うふふ!それじゃ、公園に戻って、おやつを食べましょ!」

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「・・・・・・リス君、リス君」

「え?」

「イチゴを食べながら寝ちゃうなんて、リス君は器用だねぇ。」

「うふふ!ほっぺがイチゴで赤いわよ!」

「え?あれ?」

「さぁて!おやつの時間も終わったし、鬼ごっこだぁ!リス君、鬼だよぉ!」

「うふふふふ!」

うさぎちゃんとタヌキくんが、楽しそうに走って行きました。

「え?・・・。あ、ま、待ってぇ~!!!」

リス君も笑いながら、楽しそうに追いかけ始めました。

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おしまい

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