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外国語初級向けテキストの選び方

 語学の勉強の目的と目標をもったら、早速始めましょう。
 しかしながら、初級向けのテキストについては少し慎重にならなければなりません。なぜなら、あまりに重いテキストだと挫折しかねないからです。

 私がインドネシア語をまったくの初級から始めたときに選んだのはとにかく薄っぺらい会話集でした。英語での説明でしたが、これがとても役に立ったものです。

 そもそも薄いテキストというのは、要点が凝縮されています。ほとんどは余計な項目は入っておらず、必要不可欠の単語や表現、文法しか含まれておりません。そのため、まったくの初級レベルの場合、まずは薄い会話向けのテキストを購入するのが適切です。いきなり中級レベルぐらいの分厚い教科書を選んでしまうと、まずはそのページ数の多さ、覚える単語や表現の多さだけで滅入ってしまいます。初級の時に挫折してしまうとあとに続かず、トラウマになってその言語の習得は一生ままならないでしょう。

 そのためにもできるだけ薄い教科書がよいのです。薄ければ薄いほどいいのですが、日本語で書かれているテキストは少し厚めのものが多いような気がします。「ゼロから始める」シリーズ(三修社)は非常に内容も濃く、よくできているのでおすすめです。

 例えば、英語を勉強される方やその他言語を勉強し始める方は、まずは簡単な会話表現を習得するに限ります。そういったテキスト類は、特に英語では、多々あるので選ぶのに困るぐらいかもしれませんが、そこでもページ数が少ないものがいい。

 もし薄くて気に入ったテキストがあれば、まずはその教科書を徹底的に覚えるべきです。単語、表現、文法など初級の基礎となる箇所が必ず書かれているので、それは絶対の習得が必要です。

 そもそも英語に限って言うと、中学や高校で使われていた英語の教科書はいたってよくできているものです。私の場合、大学受験の予備校に通っていた際に、高校までに出てきた単語や熟語はすべて覚えることと言われ、それもできなければ合格はしないと脅されたものでした。半信半疑で覚えたものですが、それは確かにそうでした。受験英語はいろいろと批判はありますが、あの内容はあなどれないのです。会話表現一つとっても土台になっていることが多く、もし中高の教科書をお持ちであるのならば、そこに書かれている一切を覚えることが肝要かと思います。

 予備校時代にそういう教え方をされたので、他言語の会話に関してはとにかく基礎の基礎が身につくテキストの丸暗記に努めたものでした。そのため、必然的にページ数の少ない会話テキストを選ぶのがいいでしょう。

 語学の勉強のために一念発起して教科書のほか、大きい辞書や参考書を買い込む方がいますが、大きい辞書については初級の段階ではほとんどいらいと思います。なぜならほとんど使わないからです。

 初級向けの会話で使われる単語については、テキストに書かれていることをまずは覚えればいいわけで、出てくる単語は必ず意味が付してあるからです。その意味だけをまず覚えればいいだけで、辞書まで使う必要はありません。確かに例文は必要になってきますが、その例文でさえも会話テキストに記載されているのを丸暗記すればいいのです。

 私は今、クメール語(カンボジア語)を毎日やっています。英-カンボジア語辞書をもっていますが、ほとんど開くことはありません。マイナーな言語の場合、辞書があまり手に入らないので、買えるときに買うのが鉄則なのですが、初級の場合は使わないことが多いのです。

 つまり、初級の場合は会話テキスト一つだけで力をつけるようにしましょう。そこに書かれていることは、問答無用ですべて頭に叩き込む。そうすることで中級までの実力になるはずです。単語集も必要かもしれませんが、それも初級の段階では必要はありません。他のテキストには目もくれず、一つのものだけに集中する。それが初級のレベルを上げる秘訣でもあります。

写真:カンボジアで買った英語-クメール語辞書と初級用の読み物。

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