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【エリザベス女王杯2022】走法から見る!エリザベス女王杯 出走馬有力馬診断

この記事では2022年エリザベス女王杯にあたって、
2022年エリザベス女王杯出走予定馬の診断
を行っております。

この記事を読んでいただくことによって、
“出走有力馬の特徴(特に走法面)
が理解していただけるように、
心がけて作成致しました。

またYouTubeでも情報発信しております故、
そちらも是非ご覧ください!


狙い目

先週の阪神芝は速い時計の出る馬場でした。
ただAコースはエリ女の日で13日目。
先週土曜の最終レースでも各馬内を開けて走っており、
内の馬場は痛んできている印象です。
また出走馬を見ると先行馬は
ローザノワールの出方が読めないですが、
ローザノワール含め先行馬はできれば
道中スローで運びたい馬たちだと思います。
よって展開はスローからの瞬発力勝負になると仮定し、
高速時計での瞬発力勝負に対応できそうな馬を上位に評価しました。


出走馬への見解


アカイイト (幸英明騎手)

評価:A

前走は府中牝馬Sに出走して10着でした。
久々の競馬で馬体重もVMから+16kgでしたから、
まず叩きの競馬であったということで度外視してあげたいです。
また今年の府中牝馬Sは1000m通過が57.9秒で、
3ハロン目から最後まで11秒台のラップを刻んだ
どちらかというとマイル色が強いレースでしたが、
この馬は大阪杯、VMなど道中のペースが速いと
好走できていないことから、
流れも不向きだったと考えています。
(昨年のエリ女もペースは速かったですが、
中盤にペースが緩むところがありました。)

この馬の走法を見ると、
まず脚の回転が速く、コーナーでも減速せずに
むしろコーナーでポジションを上げられることから、
小回り向きの馬であると感じます。

また脚の回転は速いですが、
トップスピードに乗った時のストライドは
中々に大きく、また首をよく使えていることから
使える脚が短いわけではなく、
いい末脚を長く使えるのはこの馬の武器だと感じます。

ただ前走府中牝馬Sなのですが、
前を捕まえられなかっただけなら良いのですが、
後ろから来たシャドウディーヴァにも差されており
また金鯱賞では右手前1本で走破できていたのが
このレースでは残り100mで左手前に変わっていたこともあって
状態はあまり良くなかったと思います。
今回の好走に向けてはまず
状態面での前走からの上積みが必須だと思います。

あとかなり素軽い跳びで走る馬で
時計勝負は心配いらないと思うのですが、
切れるというよりは長く脚を使う馬なため、
瞬発力勝負になった時にどうかなとは思います。


アンドヴァラナウト (R・ムーア騎手)

評価:B

前走は府中牝馬Sに出走して3着でした。
最後はソダシとの競り合いに負け、
また勝ち馬にも交わされてしまいましたが、
後ほど詳しく書きますが
私はこの馬は使える脚が短いと考えているため、
最後に脚が甘くなってしまったのは仕方ないと思いますし
VMから+14kgでの出走だったことを思えば
休み明けとしては上々の競馬だったと捉えています。

この馬の走法は”ザ・ピッチ走法”といった感じで
首の位置が極端に高く、
また跳びが低く脚の回転がかなり速いです。
ただ後肢の蹴りに力強さは感じず、
ちょこちょこ跳ねるようなフォームで走るため、
ベストは小回り平坦コースかなと思います。
ただ小回りに変わるのは良いはずです。
あとスタートが抜群に速いのも長所です。

あと1点引っかかるのは右回りです。
確認したのは未勝利戦、秋華賞、阪神牝馬Sのみですが
これら3レース共、直線を向いた際に
鞍上福永騎手は右手(内側)に鞭を持っていました。
モタれたりしていれば話は別ですが
普通は特に直線の入り口では
左手(外側)で鞭を持つはずです。
(違っていたらすみません)
それを右手で持つということは、、、
この馬元々口向きが悪い馬ですが
その口向きの悪さによって、
折り合い面だけでなく
右回りだとモタれる面があるのかなと
想像してしまいました。

ということで急坂ということに加え、
折り合い面を考えたときに距離が持つか、
そして右回りというところに
不安があるのではないかという見解で、
高い評価はしませんでした。


イズジョーノキセキ (C・ルメール騎手)

評価:A

前走は府中牝馬Sに出走して1着でした。
アンドヴァラナウトの後ろのインを確保し、
直線もインに拘って差し切った
岩田パパらしいジーニアスな騎乗だったと思います。
秋天の斜行は到底認められず、
騎乗停止になって然るべき騎乗でしたが
今回代役として跨るのが
C・ルメール騎手とは…
なぜ空いてたんでしょうか。笑

この馬はストライドが大きく伸び、
また脚の回転は遅くはないのですが
このメンバーに入ると大跳びな部類で
今回は末脚の持続力が武器になると思います。
この馬は先行するときもあれば
差す競馬をするときもあり、
そういった脚質の自在性もこの馬の武器です。

あと昨年のエリ女は5着でしたし、
阪神も走り慣れていますから、
舞台適性もバッチリだと思います。

ただ繰り返すようですが走りは大跳びで、
加速に時間のかかるタイプなため、
内枠に入って包まれると
厳しい結果になってしまうかなとは見ています。


ウインキートス (松岡正海騎手)

評価:B

前走はオールカマーに出走して3着でした。
内前有利の展開に助けられた部分がありますが
2200、2500といった非根幹距離では
強い馬だなと感じさせられました。

走法を見ても、
首が高く前脚を掻き込むパワータイプで
(跳びは低くないため、府中でも
走れているのかなと思います。)
小回り向きの馬で間違いないと思います。

あとは切れる馬ではないため、
前目の位置で運べるかと、
好走時は内ラチを頼って走っており
内枠を引けるか、
そして馬体重の増減が激しいのと
輸送でイレ込むところがあるため、
当日の馬体重と雰囲気がどうか、
こういったところに注目だと考えています。


ウインマイティー (和田竜二騎手)

評価:B

前走は京都大賞典に出走して3着でした。
レース前に五十嵐助手が(先生も五十嵐さんですが、
確かこの時のコメントは助手さんだったと思います。)
「前走(マーメイドS)から調整を変えた」
と仰っていたため、
マーメイドS、そして前走の復活は偶然ではなく
変わった理由があるのだなと確認できましたし、
引き続き今回も過去2走の走りを
期待して良いと考えています。

そして後続を千切ったマーメイドS、
骨っぽい牡馬相手に検討した前走と、
過去2走はいずれも強い競馬でしたから、
能力は十分勝ちを狙えるものがありそうです。

走り方を見ると、首が高めで、
また前脚を搔き込む捌き方であるため、
まずこの馬は時計がかかった方がよい
パワータイプの馬であると考えています。
また脚の回転が速いため、
小回り向きの馬であるとも思います。

あと戦績を見てもそうですし、
折り合いがつくところを見ても
距離は問題ないと思うのと、
(むしろこれくらいあった方が良さそうです)
先行すれば粘り強さがあり、
差しに回ってもある程度の末脚を
使うことができるといった
脚質の自在性があるといった点も
この馬の魅力的なところです。

ただ高速決着だと分が悪そうなため、
時計のかかる条件になれば
好走が期待できると考えています。


ウインマリリン (D・レーン騎手)

評価:S

前走は札幌記念に出走して3着でした。
前残り傾向のトラックバイアスで、
かつ1000m通過59.5秒でしたから
当初は前残りの展開に助けられたという見解でした。
ただ秋天前の矢作先生のコメントを拝見すると、
どちらかというと厳しいペースだったようですし、
何よりこの馬に先着した2頭が次走秋天で
2、4着ですから、それを思えば
この馬は自身の地力の高さを証明したレースだったと思います。

この馬の走法としては、
脚の回転はゆったりしており、
ストライドが大きめですから、
どちらかと言うとストライド走法ですが、
ストライドはやや大きめくらい、
脚の回転はやや遅いといった感じで、
特徴としては持続力と瞬発力を
バランス良く持ち合わせていることだと思います。
そういう点で、どんな展開でも対応できそうなのが
この馬の一つの武器だと考えています。
あと首の使い方はかなり躍動感があって◎です。

そしてこの馬は前脚を搔き込むところがあるため、
今回の急坂という条件は向いていると思います。
また時計勝負でも2年前の時計の速かったエリ女にて、
差し馬が台頭する流れを先行して4着していることから対応できそうで
関西圏での競馬であるのを度外視すれば
ここはベストな舞台であると考えています。
ということで、個人的に能力・適性
共に足りているという見解です。

あとは関西圏で結果が出ていないことと、
右肘の不安をどう見るかだと考えています。

ただ1週前追い切り後に手塚調教師が
「体調がいい。札幌記念より今の方がいいし、脚元の心配がない。
3年連続出走だが、今年が一番いい。日曜に運んで早めに栗東に入れます。」
と仰っており、状態は万全なはずです。
よって今回に向けての不安は皆無と言っていいと考えています。
(負けたらそれは地力負けだと思います。)

欲を言えば内ラチ沿いを走れた時の方が
好走率が高い馬ですから、
4枠より内の偶数枠が欲しいです。
(スタート、悪くはないのですが良くもないので…)


クリノプレミアム (武豊騎手)

評価:C

前走は府中牝馬Sに出走して8着でした。
レース後騎乗された松岡騎手が
「少し重かったかもしれません。」
と発言されていましたから、
仕上がり途上を敗因にしてもいい
敗戦かとは思います。

走りとしては、やや前脚を搔き込み気味ですが
跳びは低くはなく、
どちらかというと脚の回転の速さが目立ちますが
そこまで脚の回転が速いわけでもなく
(ストライドは小さめですが)
バランスの良い走りができる馬だと思います。

ただ先ほど書いたようにストライドは小さいですし
また脚の回転もそこまで速くないため、
府中のスピード勝負では切れ負けしがちで
小回り急坂コースに変わるのはプラスだと考えています。

ただそれでもGⅠとなると
時計はかかってほしいのと、
この馬は元々口向きに難しさのあった馬なため
2200mという距離もどうかなと思います。

あとVM前にそれまで騎乗していた松岡騎手が
「けがから復帰して、こういった大舞台へ出してもらうのはありがたいと思っている。伊藤先生にはデビューの頃からかわいがっていただいて、今週は馬のためとかではなくて、僕個人としては先生のために頑張りたい。先生のために一矢報いたいという気持ちで競馬に乗りたいと思います。」
と仰っていて、思い入れはある馬なはずで
今回乗り替わりになっているところを見ると、
ひょっとすると勝負になるのは厳しいと見ての
乗り替わりなのでは、と邪推してしまうのも
この馬を評価できないポイントです。

よって正直ここでは厳しいと見ています。
近2走とも人気よりは走っているのは怖いですが…


ジェラルディーナ (C・デムーロ騎手)

評価:S

前走はオールカマーに出走して見事1着でした。
馬場的には有利な内を回れましたが、
展開的には不利な中段からの競馬をして
最後は力強く突き抜けていたわけですから、
能力はあの強力メンバーにも
引けを取らないものがあったと見ています。
前走は素直に強かったと感じました。

走りは私好みというかとにかく綺麗で
ゆったりと走る大跳びの馬であり、
特に前肢、後肢とも高く上がることから、
伸びきったときのストライドが
現役屈指くらい大きいのがこの馬の特徴です。
本当に綺麗な走りです。

そういった綺麗な走りをする馬というのは
小回り向きの非根幹距離というよりは
府中2400mといった広いコースでの
根幹距離が向くイメージではあるのですが、
まずこの馬自身が今回と似たコース、
中山2200のオールカマーを勝ちましたし、
あと20年の阪神開催での瞬発力勝負となったエリ女では、
ラッキーライラック、ラヴズオンリーユーといった
この馬と同じく綺麗な大跳び走法馬が台頭しており
今回はその時と同じ流れになると考えたため、
舞台適性もバッチリだと考えています。

あと前走は横山武史騎手で勝ちましたが
それまで騎乗していた福永騎手は
馬への当たりが柔らかい騎手であるのに対し、
武史騎手はしっかり馬を動かす騎手で、
このタイプの違う騎手への乗り替わりが
好影響を及ぼした可能性もあると考えています。

その点今回騎乗されるC・デムーロ騎手は
武史騎手の側の騎手ですから、
鞍上の魅力もあると見ています。


スタニングローズ (坂井瑠星騎手)

評価:A

前走は秋華賞に出走して見事1着でした。
陣営の薔薇一族への想い、そして坂井瑠星騎手の初GⅠ制覇
本当に胸が熱くなる勝利でした、おめでとうございます!
余談ではありますが、ゴール後の瑠星騎手は色気ありすぎて
おじさんには少し刺激が強かったです。笑

秋華賞は完璧な競馬だったと思います。
近走先行して結果を出していた当馬ですが
この日もしっかりゲートを出して前目の位置につけられたのに加え、
有力馬の1頭であったアートハウス(私の本命でした…笑)
を真後ろにつけてマークできる位置でもあり、
かなりの絶好位につけていたと思います。
また直線もアートハウスが垂れず、
かつ外から被せられることもなくスムーズに進路取りができましたから
すべてがスムーズに運べたレースだと感じています。
スターズオンアースがもう少し前につけられていられたら
結果は変わっていた可能性も十分あり、
あのメンバーで地力が抜けていたとは言い切れないと思います。
ただオークスを2着しているのを見ても、
能力が世代上位なのは間違いなく、
またそういった競馬の上手さがあるというのは、
特に今回のような小回りコースにおいては強力な武器だと思います。

そういった競馬の上手さにも繋がっていると思うのですが、
この馬の走法は跳びがあまり高くなく、
首の位置が高いことからスピードよりも力強さを感じるのと、
ストライドが小さく脚の回転が速いという側面があり、
パワータイプのピッチ走法と感じています。
そういった点でこの馬は阪神・中山のような
急坂小回りコースが最適な舞台だと考えているため、
今回の舞台はかなり向くと考えています。
(オークスはなぜ好走できたか分かりません…
恐らく地力だと思うのですが、そうなると今回かなり抜けた存在かもしれません…)

ただ序盤に書いたように、秋華賞は全てが上手くいった面があり、
今回も全幅の信頼を寄せるのはやや怖いと思うのと、
とにかく脚の回転の速さが際立つ走法で、
個人的に2200mへの距離延長に不安を覚えるため、
S評価とはしませんでした。
(ここでもオークスが引っかかってくるんですよね…
あの好走は個人的に本当に謎です、凄いです…)


デアリングタクト (松山弘平騎手)

評価:B

前走はオールカマーに出走して6着でした。
内有利の馬場、前有利の展開で
後方から外を回しましたし、
まず休み明けでしたから
そこまで悲観する内容ではなかったと思います。

この馬は休養前から走法が少し変化していて、
前脚をやや搔き込み気味に捌き、
また跳ぶというよりは脚を速く回転させて、
地面を這うようにちょこちょこ走ってくる
ピッチ走法馬であるのは相変わらずなのですが、
長期休み明け後はよりピッチが速くなっていて、
より末脚の瞬発力を活かす走法になったなと感じます。
あとこれはほんの少しなのですが
秋華賞時と比べると後肢の蹴りの強さが
少し物足りないかなとも感じます。

ただ依然その末脚の切れ味は
強力な武器だと思いますし、
宝塚記念を厳しい展開で3着しており
舞台も向くはずですから、
まともにやれば好勝負必至だと思います。

しかし1点引っかかるのは
もう全盛期にはないのではないか
ということです。
オールカマー後、松山騎手は
「返し馬でもいい感じだったし、ポジションはあまり気にせず行きました。折り合いもついていたし、もう少し伸びてもいいのに…」
「前の馬をかわすのがやっと。攻め馬ではしっかり動いていたし、楽に勝ち負けになると思っていたのに…。人気だったので申し訳ないです」
と仰れば、杉山調教師は
「前半はイメージ通りでしたが…。走っている頃はうるさいぐらいの馬が、パドックから、らしさがなかったですね。休み明けなのかな。そうあってほしいです」
と、共に敗因が分からない様子でした。
また安藤勝己さんがTwitterで
「ピークを越えている」
といった趣旨のコメントをされており、
この点は少し引っ掛かります。
あれだけの怪我を負った中で、
ターフに帰ってきただけでも奇跡なのですが…


テルツェット (池添謙一騎手)

評価:C

前走はクイーンSに出走して見事1着でした。
終始インをロスなく運んだ好騎乗ではありましたが、
前が空いた瞬間の切れ味は
かなり強烈だなと感じました。

走り方を見ても、
前脚が高く綺麗に上がり、
また脚の回転も速いですから、
この馬の武器は瞬発力だと思います。
あと首をよく使いながら、
リズミカルに軽い跳びで走るところから
スピード能力も高そうだなと感じます。

ただ今回は舞台が合わないと考えていて、
まず元々の気性面を考えたときに
2200mは長いと思います。
また中山と阪神に限った
競争成績は2-0-1-2で、
重賞に限ると1-0-0-2と
あまり結果を伴うことができておらず、
昨年のエリ女後にM・デムーロ騎手が
「いいところに行けて、距離ロスなく回ってくることができました。一瞬、伸びそうな感じはあったけど、最後の坂で苦しくなりました」
と仰っていたのを見ても、
急坂コースは合わないと考えています。


ナミュール (横山武史騎手)

評価:A

前走は秋華賞に出走して2着でした。
鞍上横山武史騎手がレース後
「勝負所で遠心力とプラスして左にモタれてしまいました」
と仰っていたのを見ると、
着差が着差だけにスムーズなら…
と感じた、強い競馬をしてくれたレースだと思います。

この馬については何回も書いてしまうのですが、
切れ味と持続力を兼ね備える、
素晴らしい末脚がある馬です。

この馬はメンバー中でも
一番前脚を高く上げることができ、
脚力には目を引くものがあります。
また瞬時の加速力もメンバー随一ながら、
トップスピードに乗った後の首の使い方、
ストライドの大きさから持続力も感じさせ、
先に書いたように本当に切れ味と持続力を
兼ね備えた馬だと思いますし、
純粋な末脚のスピード比べなら
このメンバーでも一番手だと考えています。

ただ秋華賞の武史騎手のコメントに加え
個人的に左回りの方が良い走りをする印象なため、
そういった点で右回りというのは個人的に割引です。

あとこの馬、
中4週以内の詰まったローテになると、
あまり好走できていませんから
ローテーションも気になるところです。

結論として、この馬の取捨においては
舞台適性と詰まったローテをどう見るかだと思います。


ピンハイ (川田将雅騎手)

評価:B

桜花賞、オークス共に穴馬で推した
個人的に好きな馬です。笑

前走は西宮Sに出走して見事1着でした。
内も良好な馬場状態で、
しかも後傾1.4秒という
前有利の展開でもあった中で
後方3番手から鋭く伸びて
2着馬に0.2秒差をつける完勝でした。
この2着馬ノースザワールドは
これで3勝クラスを3戦連続2着で、
それぞれの勝ち馬がイズジョーノキセキ、
カントル、そしてこのピンハイですから、
相手が悪すぎただけで
能力は十分OPクラスの馬です。
そんな馬に展開不向きながら
完勝するわけですから、
この馬の能力は高いなと感じました。

走法を見ると、前脚が非常に高く
かつ綺麗に上がることから、
まずスピードに秀でた馬だと思います。
また脚の回転が速く、
瞬時に加速ができるため、
末脚の瞬発力が武器の馬だとも思います。

あと新馬戦や桜花賞、オークス等で
馬の間を割って伸びる競馬もできており、
そういった馬群に突っ込める根性と
器用さもこの馬の武器だと思います。

ただ首の位置が高かったり、
(これはピッチ走法だと
仕方ないかなとは思います)
また後肢の蹴りが物足りないこと、
そして走法とは関係ありませんが
馬体重が410kg台ということを考えると、
まだまだ成長途上の馬だと見ています。

またオークス4着の実績はありますが、
ミッキーアイル産駒であるのを考えると、
特にペースが流れた場合に
2200mという距離は長いのでは、
とも感じます。
参考までに、ミッキーアイル産駒の
距離別成績を掲載します。

とにかく末脚の切れ味は
ここでも最上位と思えるくらい
魅力的な面だと思うため、
今回は末脚に賭ける競馬で
このメンバー相手にどこまでやれるか
見てみたいです。


ホウオウエミーズ (丸田恭介騎手)

評価:B

前走は新潟牝馬Sに出走して見事1着でした。
馬群の中で脚を溜め、
直線は綺麗に前が空くといった
上手くいった競馬だとは思いました。

走りは首は高いですが、
前脚は割と高く綺麗に伸びるため、
スピードが武器の馬だと考えています。
あと脚の回転が非常に速いため、
瞬発力に秀でた馬だとも思います。
そういったピッチ走法ということで、
小回りコースに変わるのは
歓迎材料かなと思います。

ただ後肢の踏み込みが
そこまで力強さを感じないため、
平坦コースの方が良さそうなのと、
脚の短い馬体の作りに映るのもあって、
距離は長いのではと感じています。

今回は内でじっとして、
直線瞬発力を活かす競馬で
どこまでやれるかだと見ています。


ライラック (M・デムーロ騎手)

評価:A

前走は秋華賞に出走して10着でした。
ただ正直推していた補正もあるとは思うのですが
今年の秋華賞は内の馬場が良く、
かつ道中はスローペースで進んだという、
先行馬が恵まれる展開になりました。
そんな中この馬は内枠も仇となってか、
道中は最後方まで下げざるを得ない
苦しい競馬になりましたから、
地力負けではないと考えています。
上がり3Fはメンバー中2位でしたしね。

この馬の走法としては、
かなり良いフォームで走るなと感じていて、
脚の回転がかなり速いピッチ走法で、
ピッチ走法の馬はどうしても脚の伸縮を
短いスパンで行わなければならず、
故に首の上げ下げが小さくなったり
位置が高くなってしまう傾向があります。

ただこの馬のトップスピードに乗った際は、
首を大きく使うことができていて、
また脚が伸び切った際には
首からトモまでが一直線上に並ぶくらい
首が低く沈み込むフォームで走ります。
そしてこれに付随してか、ストライドがかなり大きく伸びていますから、
この馬は脚の回転の速さとストライドの大きさを兼ねる
直線での切れ味はメンバーでも屈指だと考えています。
あと馬体は小さいですが、かなり強く後肢を蹴り出せるのもこの馬の良さで
急坂も心配いらないのも良いと思います。

また脚の回転の速い走法をする馬で、
距離が持つのかが気にはなりますが
東京芝1800mの新馬戦を勝利した後、
M・デムーロ騎手が
「真面目な馬、折り合いがつく」
と仰っていたり、
相沢調教師が
「これからは距離を延ばしていきたい。」
と仰っていたのを見ると
オルフェーブル産駒でもありますし、
距離はむしろこれくらいあった方が良いとも思えます。

ただ関西圏では結果を伴うことができていない
というのは気になるところではあります。
1週前時点で相沢調教師は
「疲れもないし体も減っていない。」
「課題のゲートも最近は出ているので、あとは乗り方ひとつ」
と仰っているため、今のところ状態は問題なさそうですが、
当日の馬体重・雰囲気は要チェックです。


ルビーカサブランカ (横山和生騎手)

評価:B

前走はクイーンSに出走して4着でした。
この馬にとって1800は短かったとは思いますが、
最後はよく伸びていました。
距離が延びるのは歓迎だなと感じました。

この馬は首がやや高めの走りで、
跳びは低く、前脚を搔き込む脚捌きで、
パワータイプの差し馬だと思います。
そういった点でまず急坂コースは良いと思います。

あと脚の回転が割と速く、
コーナーから加速できるため、
小回りコースも問題ないと思います。
同舞台のオリオンSを勝利していますしね。

そしてそのオリオンS、逃げ馬が
後続を離した単騎逃げを打ったのもあり、
5ハロン目からゴールまで7ハロン連続で
12秒台前半以下のラップで流れたレースで
そんな長く脚を使う展開で勝利したことから、
スタミナと長く脚を使えるのは
この馬を推せるポイントだと思います。

ただ流石にこのメンバー相手だと、
時計がかかる馬場に
なってほしいかなとは思います。


ローザノワール (田中勝春騎手)

評価:C

前走は府中牝馬Sに出走して15着でした。
途中からハナを奪いに行って、
1000m通過が57.9秒でしたから、
しんどい競馬だったと思います。

ただそういった辛い競馬をしての中3週ですから、
まずその反動がないかが気になるのと
走り方は跳びが低く脚の回転が速い感じで
先行馬として2200mのGⅠで足りる走りとは
思えないところがあります。

ただ前脚を搔き込むパワータイプであること、
脚の長い馬体の作り、
そして小回り向きの走りであることといった
推し材料もある馬なため、
VMのようなマークされない逃げを打てれば
一発あってもおかしくはないです。

あと非根幹距離にめっぽう強い
マンハッタンカフェ産駒であるのは
推せる材料だと思います。

パンサラッサの雄姿を見た後だからでしょうか、
ノーチャンスとは思えませんでした。





いかがでしょうか?

皆様の馬券的中に向けて、
少しでも参考になっていれば幸いですし、
また次の記事もお楽しみにしていただければなと思います!

以上、ぶにぶにでした!

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