「グァテマラ レタナ レッドブルボン」覚書

グァテマラの豆は華やかな香りがする。今まで扱っていたのは3種類。
★アンティグア・アゾテア=ミディアムローストで焼き上げフルーティーな酸味を残す仕上がり。1140円

★ウエウエテナンゴ・トドサンテリタ=シティーローストで焼き上げコクと甘みを重視して酸味は後味にわずかに残る程度。ブレンドにも使用。値段がお手頃。980円

★サンタクルス=フルシティーローストで焼き上げ深いコクと旨味のある苦味に。若干高め1480円。

2016年の夏に入ってきた新しいこのレッドブルボンはグァテマラの中でもかなりのお気に入り。
アンティグア地方の豆。
フルシティーローストで焼いてるが、苦すぎず甘みが強く、まろやかな味わい。香りも素晴らしくてカップに顔を近づけるといつまでも嗅いでいたくなる。フルーティーとナッティが混ざり合ったような、甘いお菓子を思い浮かべるような香りがたまらない。
レッドブルボンというのは、コーヒーチェリーが完熟した時に赤くなる物
。他にイエローブルボンというのもある。
ブルボンというのは品種の1つブルボン種。甘みが強い。レタナは農園の名前。本来、修道院が経営する名もない農園で、グァテマラでのCOE(カップ・オブ・エクセレンス=国ごとの品評会で高得点を得た豆に贈る賞)の審査をする時に、審査員の味覚を一定に戻すために使われた休憩用?の豆として使われたが、そのあまりの美味しさに審査員の心をつかみ翌年から品評会に出場することになった。以後アンティグア地方で入賞を続け2011年にはグァテマラCOEにも入賞。今年はCOEには惜しくも入賞を果たさなかったが、そのため値段はぐっと抑えられてお買い得。1380円。

本来COEとは農園ごとに最高の豆をエントリーして高得点を得たものに授与されるが、その国で1位になるとオークションでものすごく高い値がつく。末端価格でいうと250g=4000円とか。
しかし、例えばその賞の15位や18位となると2000円ぐらいで手に入る。味が倍違うかと言うとそんなことはない。美味しくてお手頃の豆を仕入れるのも店の手腕。ほんの数点の差で入賞を逃すと「NW=ナショナルウィナー」と呼ばれる。1800円〜1600円前後が多い。このランクでも十分美味しい。今回のレタナレッドブルボンは、自分の中ではNWに並ぶ美味しさだ。
「最近なんか美味しい豆入ってきた?」と聞かれると、コクのあるものがお好きなお客様には迷わずお勧めする。次回の来店時に「あれ、すっごく美味しかった!」という言葉を貰うのが最高の瞬間。

250g=1380円(20杯分)
一般的なスーパーの豆に比べるとかなり高いが、
1杯69円の幸せと考えればちょっぴりの贅沢もたまにはいいのではないだろうか?

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