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白グラデの恐怖

よくネイルのお客様からどんなデザインが得意ですかと聞かれることがあります。
私はそんなに自信満々のネイリストではないので得意だなんて言うのはおこがましい気がして、いや〜なんでしょうね〜なんて言っていつもごまかしてました。

逆に苦手なデザインを聞かれる事はありませんが、もし聞かれたら真っ先に白のグラデーションと答えます。
今ではジェルネイルの商材が改良され白グラデ用のジェルやブラシがあったりしますが、15年以上前のジェルが出始めの頃は黒や白のジェルは顔料が多くグラデーションには不向きでとても苦労しました。
お客様から「白グラデは1番ネイルの技術がわかるので白グラデお願いします」なんて意地悪なリクエストもあったくらいです。

ある日某テレビ局の有名なアナウンサーがニューヨーク勤務になり、私の働いてるネイルサロンに来店されたことがありました。その時も「私はいつも白グラデです」と言われ恐怖で震えながらの施術をしました。その方は私の施術したネイルに対して気に入った様子で帰られましたが後日公の場所でその方が「ニューヨークのネイリストの技術は日本より低いです」とおっしゃってるのを聞いて涙が出るくらい悔しかった思い出があります。

あれから何十年も経ち何百人もネイルの経験を積んできましたが、今だに白グラデには恐怖しかありません。


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