唯名論


コロナチックな世の中が落ち着き、
ライブハウスにも日常が戻ってきましたね。

長かったような短かったような。

そんななかであまたのグループが解散し、誕生し、
多くのアイドルがステージを降り、
新星が現れ、
ときにはあの娘が戻ってきたりと、
相変わらず話題に事欠かないアイドル界隈。 

2023年、まねきケチャの3人の卒業、神宿の活動休止、BiSHの解散と、これまで話題の中心にあったグループが次々とご隠居を迎えました。
これだけでも結構な一大事ですね。

と、いうわけでお待たせ致しました。

実に3年ぶり?の現地下界のあれこれを見ていこうな回、第二弾。

ちゃんと調べる気もないですが、
おそらく前回からメンバーが替わっていないグループは1%とかそんなでしょう。
各各見てみますが、現時点で思いつくのがKolokolだけです。

まあ、前回のように列挙してもよいのですが、どこかおもしろみに欠けるので、
以前から思っていたことをようやく言語化できたのでそれをメインテーマに据えようかなと。

それはつまり、

”””新時代”””

です。

センセーショナルに煽ってますが、そもそもの話、アイドルと言えば、

キラキラ!✨
メンバーカラー!!🟥🟦🟨🟩
キャッチーな歌や振り付け💃🎤
かわいいビジュアル👸

みたいなイメージはなんとなくあると思います。

つまりは「わかりやすさ」です。
外面的な要素で目を惹くものがそれに当たるかなと。
往年のまねきケチャ、神宿、ナナランド、虹コン、クマリデパート、
あとはAppare!もこっち寄りなんですかね。
カラーはないものの26時のマスカレイド(ニジマス)
フリークに観られるそれも、どちらかといえば王道グループ寄りなのではないかと。
今話題の、iLifeやFRUITS ZIPPERもそうですね。


ペンライトふりふり~✨な感じです。

このように、ザ・アイドルのようなグループは今でもそのシーンを賑わせています。


が、しかし、大きな変わり目にあるのではないかと思うのが現在のアイドル界隈。

いわゆる「楽曲派」と呼ばれる存在です。

外面的な王道とは異なり、歌にフォーカスしたグループとでも言うべきなのでしょうかね。
この出自をわかっていないのですが、
歌もパフォーマンスもイマイチなのに売れている王道に対して、「あんなん顔だけやん」と言いたくなる気持ちもわかります。
そういったオタクから始まったのではないかなと。
「いや、顔(外見)ちゃうねん」と。

まあ事実、揶揄的に使われることもあるのですが。

調べているうちに出てきたこちらを見る限り、少なくとも15年前くらいからはオタクの間では使われていたようですね。
「まって、小学生じゃん。ロリコンやん?」
「ちゃうねん、曲が良いねん」
みたいなね。

グループとしては、
よく名前が出るamiinA
Maison book girl(ブクガ)
sora tob sakana
ヤなことそっとミュート
惜しくも解散してしまいましたが、そのシーンで外すことはできないのがこちらのグループ。
今なおその残党の魂は現場に居続けています。

フィロソフィーのダンス
tipToe.
RAY

以下を参照してください。




「王道」か「楽曲派」
で二分されがちなシーンなのですね。
あと強いて分けるなら「ラウドロック」系統で、
PassCodeを肇とするシャウトやデスボ、バンドのフェスに呼ばれたりするグループですね。
こっちの方がわかりやすい。
いわゆるバチバチ系です。
我儘ラキア
ジエメイ
LEIWAN
mistress

大阪や名古屋に多い印象です。


ただこれで分けられなくなってきているのが現状なんですね。

大阪をはじめ関西でめきめきと力をつけいているグループ
Kolokol
Quubi
NightOwl
Axelight
PLEVAIL

東京でここ最近一気に上り詰めていったグループ
Ringwanderung
THE ORCHESTRA TOKYO
DEVIL ANTHEM
真っ白なキャンバス
situasion
yosugala

このあたりは上述の王道には当てはまらない感じがしますが、
じゃあ楽曲派なのか、と問われるとそこも首をかしげるのもまた事実。
王道かそれ以外かというローランド的な分け方をするとそれはそれでうるさい。
実際、両方の楽曲を兼ね備えていたり、
キラキラしつつもバチバチしたり。
そして歌詞を見ていただけると判然とするのですが、
曲の物語性それ自体がつよい。
メッセージ性の孕んだものが多く、
重要なのが、ちゃんと歌がうまい。
アイドルなんてどうせ歌が下手、と思われている方は少なくないと思いますが、生歌やバンドセットでのライブもかなりの数になっています。
これ歌うの?というサウンドや歌詞を見ていると、否応なしにうまくならざるをえないというのもあります。
楽曲派といわれるグループに見られた洋楽への憧憬、オマージュとはある種対照的な日本語の言葉の紡ぎであったり音を英語と絡めながら二つの要素を取り入れた新たなジャンルとして確立されている、というのが私の見解です。

名前をつけるのは野暮ですが、一番しっくりくるのが
「ナラティブ/ナラティヴ」(narrative)
という言葉。
もともと文芸理論の用語らしいのですが、
storyと同様の「物語」という意味合いをもち、
全体の筋書き自体を差すこの言葉に対して、
narrativeは「語り手自身」という大きな要素があります。
つまり主人公要素です。

これが最も顕著なのがこちらの楽曲。
↓👇↓👇↓👇


「アイドルは物語」

とある人は言いました。

これは本当にその通りだと思っていて、
結成や解散、一人一人のアイドルそれぞれに物語があり、それが重なってまた新たな物語が紡がれていく。
そのどれが欠けてもその物語にはならない。

日本語で「物語派」「物語系」とかいうとなんとなくダサいのですが。

アイドルは物語。
アイドルと物語。
アイドルの物語。


グループの変遷あれこれが”story”なら、
それを観測するファンが物語と定義付けるそれが”narrative”ということですね。
あるいはアイドル自身。
そもそもアイドルというのは一人では成り得ない、
オタク、ファンという観測される側がいて初めて成り立つものなのだと思っています。

広義の概念的な話になりますが、
スポーツ選手や俳優、はたまたそんなに遠くを見ずとも、近くの店の店員さんや尊敬できる先輩など、
そういう存在は等しくアイドルである、あるいはアイドル的(idolic)であると思っています。
まあこれには無意識裡に期待というものが厄介な人間の性が内包されているのでめんどうなんですが。

狭義的な、あるいは職業的な存在を指していう所謂アイドルに必要な要素はほとんどの場合「夢を見させる」ことです。

アイドルは生まれたときからアイドルという生き物なので、ステータスではなく属性です!!!!!!

まあ新たな定義づけから、アイドルというそのものの話にまで飛躍してしまいましたが、
答えはなく、ずっとこういう繰り返しで再生産されていくものなのかなとも思います。

インターネッツの上積みだけかっ攫った内容でしたが、
どんどん更新されていくのでまた随時書けたらいいなと。

最後に、ジャンルとか名前とかカテゴリーと王道とかかどうでもよくて、

好きなものを好きでいつづける、生きる理由なんてそれでいいんですよね。

TIFが始まります。
行かれる方も行かれない方も、
あなたの、あなたとアイドルだけの物語が見つかることを祈って。

(なんやねんこのオチ)

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