渾身の一膳_バナー横組み_1

【東京都目黒区】 渾身の一膳・ 「八雲茶寮・四つ椀(昼懐石)」

新たな試みとして、料理人だけでなく店舗オーナー、さらには客の思いをも凝縮した一膳、または 一皿の追求を始めてみたい。
第一回の「八雲茶寮」は、和食レストラン「HIGASHI-YAMA Tokyo」を始めとして、和菓子店などを展開する緒方慎一郎氏がオーナ ーを務める料理店だ。
門をくぐるなり、喧噪に満ちた都会から切り離され、閑静にして清廉な空間へと誘われる。それもそのはず、外装や内装、庭園、器なども含めたトータルで「日本の美」を味わうのが八雲茶寮のコン セプト。都会にいながら、非日常の空間に身を委ねられるのだ。
ここで『ゆうふぉりあ』読者にお目にかけるのは、正午から15時30分まで(ラストオーダーは13時 30分)提供される昼懐石のひとつ、「四つ椀」。旬の食材を使用するため季節ごとに内容は異なるが、取材当日は御飯(下段左)が栃木産こしひかり米の一文字飯。汁(下段右)が海老芋の白味噌仕立て落とし芥子。和え物および焼き物(上段右)が菊菜のきり胡麻和えとま な鰹の味噌幽庵焼き。焚き物(上 段左)が合鴨と九条葱の焚き合わせに近江蕪であった。 味のよさはもちろん、特筆すべきは卓とも調和した盆や器だ。取り分ける過程も含めて、五感を総 動員して日本の美のすべてを楽し むことができる。外国人にも人気 のある八雲茶寮、本誌読者はぜひ訪れてほしい。

匂い立つ「和」の魅力

お茶、季節の生菓子、朝膳(朝9時から)などを楽しめる茶房。窓からのぞく庭、荘重な雰囲気、しかしここは目黒である。

敷地内にある和菓子店、楳心果。緒方氏と職人たちが考案した四季折々の生菓子や上生菓子などが毎日手作りされている。

併設のサロンでは生活道具や八雲茶寮で使用の器を販売するほか、企画展も催される。敷地内これすべて、和の魅力に溢れた空間なのだ。

■八雲茶寮                              住所 東京都目黒区八雲3-4-7                     電話 03-5731-1620                         交通 東急東横線「都立大学駅」徒歩15分               営業時間 9時〜17時、祝定休(昼懐石は月曜も休み、月曜が祝日の場合火曜も休み)

                 (ゆうふぉりあ 目黒特集号より再録)

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