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【沖縄県宮古島】 多良間牛が結んだ、運命的な出会い

沖縄県宮古島に今、話題となっている人気ハンバーガー店があります。その名はダグズ・バーガー。社長の大石智和さんにダグズ・バーガーの成功の秘訣をお聞きしました。

―まず大石さんがダグズ・バーガーに関わるようになった経緯を教えてください。
僕は専門学校卒業後、フレンチの道へ進みました。10年間働いた後、サントリーへ入社、ビールを扱ってくれる飲食店へメニューの提案を行う部署へ所属となりました。そこで多良間牛を扱っているダグズ・バーガーをたまたまネットで見つけまして、ダグさん(創業オーナー)の投稿が目につきました。多良間牛の一頭買いを初めて行い、そこで先着5名に多良間牛肉をプレゼントとするというfacebookの投稿記事に応募したのです。
そうしたところ、ダグさんから「今回は肉を譲れるけどビジネスとして販売できるほどではない。今後何か一緒にできたらいいですね」というお話をいただきました。それがきっかけで連絡を取り合うようになり、2018年4月に株式会社ダグズ・バーガーへ入社しました。

多良間牛の定義は「沖縄県宮古郡多良間村で生まれた黒毛和種の食肉で、月齢36ヶ月以下の去勢された雄または未経産の雌で、(株)ダグズ・バーガーから指定された多良間島の畜産農家、鹿児島県の畜産農家または宮崎県の畜産農家により肥育されて、(株)ダグズ・バーガーによる厳しいクオリティーチェックを経て多良間牛と認められた牛肉」です。元々は多良間牛というブランド牛は無く、全国へ種牛として提供をしていました。各地へ運ばれた種牛が成長をしブランド牛となりますので、当然多良間牛の肉質も非常に良いんです。それでもブランド化されていなかった為、宮古牛や石垣牛に比べて非常に安価な価格で流通をしていました。「多良間牛」をブランディング化することで、生産者の皆さんが潤うことが出来るようにしていきたいです。ちなみに、2017年に「多良間牛」は弊社で商標登録済みです。

―ワインの種類が豊富ですね 

提供しているワインのすべてはカリフォルニアワインです。特にオーパスワンは、市場価格に比べて非常にリーズナブルな価格で提供しております。
全てのワインがカリフォルニアワインというのも、オーナーのこだわりです。

ダグはバイタリティの塊
―大石さんからみて、ダグさんはどういう方ですか?

とにかくバイタリティが凄い方です。こちらが心配なるほど、仕事をされています。
例えば、宮古島には1~2カ月に1回来ますが、その前に東京で仕事をしたり、アジアで現地在住のクライアントとの打ち合わせを済ませてきたりしています。宮古島には冬場は2~3日程度、夏は一度に2週間滞在されます。
これ程までにバイタリティがある人だからこそ、7年や8年でここまで事業を拡大することが出来たのだと思います。

事業を大きくすることが私の役目
―今後、展開を検討している国や場所はありますか?

海外ではベトナムやタイを考えております。
これらの国には、富裕層の方も大勢いらっしゃいます。日本の黒毛和牛を使ったバーガーは現地の方にも受け入れてもらえるのではと考えております。
国内ですと、東京ではなく関西での展開を考えております。関西の方が、インバウンド需要を考慮して、マーケットが大きいように感じます。大阪や神戸当たりでの展開を考えております。
また、関空と宮古空港が繋がっておりますので、店舗管理もしやすいですね。

―3月30日にみやこ下地島空港が開業しますね。

宮古島に観光客が増えることになりますので、非常に嬉しく思っております。
弊社としても、非常に大きなチャンスだと捉えております。

―ところで、ダグズ・バーガーはいつも混んでいますね。

夏の時期には、入店に3時間待ちとなることもあります。8月の最高気温は30度を超えますので、お待ちいただいて非常に嬉しいのですが、お客様が心配になることもあります。ウエイティングリストに登録をすれば、お渡しの10分前に登録いただいた携帯電話へ連絡が入ります。その間、海辺を散歩されるお客様もいらっしゃいます。テイクアウトも行っておりますので、その場合は待ち時間を短縮することも出来ますよ。海辺でハンバーガーを頬張るのもなかなかいいものです。

ダグズ・バーガーにはまだまだ伸びしろがある
―お客様はどういった方が多いですか?
 

観光客としていらっしゃる方が多いです。そのうち、9割のお客様が日本人、残りのお客様が外国人です。以前は、欧米諸国からのお客様ばかりでしたが、今はアジアからのお客様が増えてきました。といいますのも、実は最近、宮古島はクルーズ船の寄港地として人気なんですよ。みやこ下地空港が開業したらますます増えるのではないでしょうか。

―宮古島という土地柄、シーズンピークの時は忙しく、シーズンオフの時はお客様の数が少なくなるイメージですが。

そうですね。確かに宮古島の冬は人が本当に少ないです。それでも2月はゴルフでいらっしゃる方、3月は春休みですので大学生や家族連れでいらっしゃる方がボチボチ増えてきているように感じます。この時期は、航空券が安いですからね。そういった点からも、リーズナブルな価格で宮古島へ来れるようになるということは、私たちとしても非常に大きなチャンスだと捉えております。
また冬場にお客様を呼ぶアイデアを今、いくつか考えているところです。
観光業に対して今後も、真剣に取り組んでいきたいと思います。ダグズ・バーガーとしても、宮古島へ来たから寄っていこうというお店ではなく、ダグズ・バーガーを食べに宮古島へ寄っていこうというお店にしていきたいです。その結果、宮古島へいらっしゃるお客様が増え、島全体が潤うことが出来れば嬉しいです。

―店舗運営で苦労されたことはありますか?

店舗拡大に伴い、食材探しが非常に大変でした。
私が4月1日に入社をして、26日に台湾のお店をオープンすることになっていたのですが、その時点でバンズをどこで作っていただけるのか、決めておりませんでした。偶然にも、台湾で同じような製法でバンズを作っているベーカリーを見つけることが出来ましたので、すぐにコンタクトを取りました。オープンの日が迫る中、短期間の間で何度も試作品を作り、やっと納得できる味を完成させることが出来ました。本当に間に合うのか不安な毎日でしたね。今では笑い話となりましたが。

―日本の店舗でのバンズはどこで作っているのですか?

ここから砂山ビーチへ行く途中にあります、空猫十字社さんというベーカリーで毎朝焼いてもらっています。
ここは小さなベーカリーですので、宮古島本店のバンズを焼くのが精いっぱいなんです。そこで今は、博多店と広島店用に博多にあるベーカリーで焼いてもらっているのですが、これ以上の製造は限界だということで根を上げられてしまいました。そこで、新しいベーカリーを探そうと考え、アンデルセンという大手ベーカリーメーカーへ辿り着きました。なかなか満足のいくバンズが出来ずに一度断念をしたのですが、私が入社をしてもう一度彼らとバンズ作りに挑戦をしました。実に、足掛け一年でようやく納得のいくバンズの大量製造に成功しました。今年の4月から新しいバンズに切り替わります。

―野菜はどの様に仕入れていらっしゃるんですか?

宮古島にいろんな種類の野菜を栽培している農家がありまして、そこから仕入れております。レタスだけでなく、様々なベビーリーフもそこから直接譲っていただいております。

県外の他の店舗は、その店舗がある地域の契約農家から仕入れています。店舗拡大に伴い、毎回食材の仕入れで悩まされるのですが、そこを一歩一歩クリアしていきたいですね。

―今後の展望は?
店舗拡大です。いろんな方にダグズ・バーガーを知って貰って、それがきっかけで宮古島に来てもらいたいです。そういった良い循環が宮古島の活性化につながるのだと思っております。
せっかくこういった素晴らしい機会を与えてもらっておりますので、成果を出していきたいです。今後も会社を大きくすることやブランディングに力を入れていきたいです、

―すでにブランディングされていると感じますが、今後はどの様な方向でブランディングに力を入れていこうと思っておりますか?

既にダグズ・バーガーという世界観はオーナーによって確立されておりますので、それを崩さずに、いかに多店舗展開を行っていくかを常に考えております。
いろんな地域に出店することは、ブランドの崩壊を招きかねません。いかに世界観を壊さずに多店舗展開を行い、ダグズ・バーガーと多良間牛、宮古島を皆様に知っていただくかを目標にしています。

―最後に一言お願いします。
是非、ダグズ・バーガーにいらっしゃってください。そして、そのおいしさを実感してください。

―大石社長、ありがとうございました。

                                          (取材・文 Yuno)


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