ドトール珈琲店 多摩センター店
東京喫茶あなたこなた
【ドトール珈琲店 多摩センター店】
(京王多摩センター駅)
9月某日の昼時、ピューロランド出入口のゲートにて再入園スタンプをキャストのお姉さんに押してもらった私は鼻を鳴らしながら一旦カワイイの王国の門を出た。
涙目になっているのは、至ってありふれた理由である。
直前に見たパレードで号泣し…かつ“推し“のキャラが来るや否や嬉しさのあまり若干過呼吸気味になったが故である。
よく、
「尊すぎて失神するかと思った!」
というアイドルのLIVEの感想などを見た時、大げさな比喩かと思っていたがあれは割とホントの話だと身をもって知ることとなった……。
サブバッグの中にはもう既にお土産が詰め込まれ、鞄の中もさっきのテーマパークの人混みさながら入り乱れている状況である。
うちわなど紙類のお土産はファイリングしているにしろ、一旦鞄の中身をゆったり落ち着けるレストランなどで整理したい所である。
ピューロランドの中のレストランやフードコート等でも良かったのだが、今はパレードの終了直後というのも相まってそもそも座れるかわからない。
(さて、何処にしようかな……)
一歩外に出ればよくある街並みの、イトーヨーカドーやタイトーのゲーセンなどがある郊外のベッドタウンが広がっている。
そして、ご飯屋さんもちゃんと豊富なのだ。
ピューロへ続く通りにはマクドナルドやクレープ屋さん、サイゼリヤなどのファミレスもある。
ここだけの話だが、ココリア多摩センターというビルの下の食品エリアにはフードコートがありリンガーハットも取り扱っているので穴場である。
道なりに気になる店があった。
“ドトール“という見慣れた名前が付いた珈琲店はちょうど去年の今頃ピューロへ行った時も見かけていて、気になってはいたが入らなかった。
窓の外から店内を覗いてみるとゆったりした大きめの椅子やテーブルに銀のシャンデリアが吊り下がっている、ちょっとホテルのロビーめいた内装である。
ドトール系列なので、美味しいのだろう…一も二もなく自動ドアのボタンを押した。
「どうぞ、空いている席にお座りください」
と言われた。
恐らく私のようにピューロに来た人間は現地のレストランでキティちゃんやマイメロディを象ったカレーを味わっているのだろうか。
テーマパークは好きだが…人混みや騒がしい所、子供の声がある場所に長いこと居ると疲れてしまう人間なので舞浜でも再入園スタンプの恩恵を受けている人間である。
ブラインド越しの窓硝子に映った景色、外の気温は(もう9月というのに)高かったが風景は秋の枯れ葉がみどりの木々の葉を染めようとしていた。
ちょっと悩んだが注文を決めて、カフェエプロンをつけた店員さんを呼ぶ。
テーマパークに来ているというのもあり、昼食を頼む時調子をこいて若干頼みすぎ感の否めないメニューになるのは、果たしてあるあるだろうか……。
待つ間、荷物の整理の時間である。
トートバッグに入っていたクロミちゃんの財布と定期をハンドバッグに戻す。
パレードの時に使ったハートのライトを巾着に閉まった。ちなみにネットで見たやり方でちょっとした塗装もやってみたオンリーワンの代物である。
そうこうしている内に、まず来たのはデザートのミルフィーユである。
上に苺とホイップクリームの乗った、どちらかというとパイ生地もしっとりめのケーキである。
余りに空腹だったので、フォークとナイフを付けていると続いて通されたのはフルーツティーという果物の入った紅茶である。
ベリーやオレンジ、ブルーベリーやミントの入った琥珀の飲み物がカラフェに入っていてレモンと氷の入ったグラスに入れる。
果実という自然のシロップの入った優しい甘さが広がった。
(あぁ、紅茶がおいしい…)
とアニメのマイメロディさながら思っていると、メインディッシュのクラブハウスサンドが運ばれてきた。
サンドウィッチに刺さっていたピックを抜き、かぶり付く。
二段になっていた。レタスとトマトとチキン、卵の組み合わせの具が溶かしバターとマスタードやマヨネーズが塗られて、カリっと焼かれたトーストされたパンに挟まれていて食べ応えがあった。
付け合わせはフライドポテトというとてもパワー系のメニューであった。
午後への栄養補給もしつつ、居心地がいいのも相まって小40分近く滞在した。
舞浜にしろ多摩センターにしろ、私はテーマパーク周辺の…地元に住んでいる人々が暮らしている風景の中を散歩するのが好きだ。
家の近くにも当たり前にある建物だが、もう少しの休憩がてらイトーヨーカ堂を目指す。
(帰ってからでも遅くはなかったが)いつもの通りにキャンメイクや日用品を見るためだ。
キャンメイクで学生の頃からお世話になっているチークの色味が廃盤になるという情報をTwitter(頑なにXとは言わない)で見かけて、無くなる前にスペアを多めに買おうと思っていたのだ。
テーマパークに来た時、バス停や駐車場を抜けるとある…私たちの周りにもある“どこにでもある日常”を見ると妙に安心するのは私だけだろうか。
帰りの多摩センター駅前、横浜駅の中にもあるミラノサンドのドトール・コーヒーもあった。
執筆 むぎすけ様
挿絵 シエラ様
投稿 春原スカーレット柊顯
©DIGITAL butter/EUREKA project
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